漆黒の夜に君と。[BL]
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#584 [ちか]
怖い。
俺…こんな恭弥知らない
見たこと無い‥――

「はぁ?!意味わかんねえ!!!」

大柄の男の拳には血管が浮き上がり、それがその興奮状態を物語っていた


「ふうん。
……解らないなら教えてあげる。」

恭弥は不適な笑み浮かべそう言った。
だけど目は笑ってない…

⏰:09/03/11 21:52 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#585 [ちか]
「ふざけた事ばっか言ってんじゃねえぞ!!!!!」

ついに男の拳が恭弥をめがけ牙を向けた。

「学習能力が無いんだね。
そう言うの何て言うか知ってる?」


恭弥は勢いのある拳を簡単によけた。

そこからは言うまでもない。

一瞬だった。

「馬鹿って言うんだよ。」

恭弥のその言葉と同時に大柄の男は大きな音をたてて倒れこんだ。

⏰:09/03/11 21:59 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#586 [ちか]
「次は誰?」

恭弥は煙草をふかす男を鋭い眼孔で睨み付けた。

「やっぱ強えーな…。でもこっちはお前の為にだいぶ人を用意したんだぜ?さすがのあんたも‥‥、」


「人?ああ…、もしかしてこの人達?」

扉が完全に開いた時、俺も煙草をふかしていた男も目を疑った。

⏰:09/03/11 22:11 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#587 [ちか]
目に飛び込んできたのは、地に倒れこんでいるたくさんの人‥‥―――
数えきれないほどの数の人だった。


「なっ、嘘だろ…?!全部あんた1人で…――?!」

「邪魔してきたから…。手加減出来たか分かんない。」

恭弥のその言葉に、男の顔が青ざめていくのが分かった。

⏰:09/03/11 22:17 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#588 [ちか]
「君で最後みたいだね。」

「わ、分かった!!!コイツらはあんたに返す!!!な?!
だから見逃し‥‥――」


男が最後まで言う前に、
鈍い音が倉庫中に響き渡った。

「やだよ。」


ドサッと言う音をたてて、最後の1人がそこに倒れこんだ。

⏰:09/03/11 22:22 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#589 [ちか]
「きょ、恭弥‥‥‥?」

恐る恐る名前を呼んでみる。

すると、その瞬間さっきまでの不気味さは消え、焦ったような表情で恭弥は駆け寄ってきた。

「冥っ!!!優里…っ!!!」

俺達は恭弥の腕の中に包みこまれた。

⏰:09/03/11 22:28 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#590 [ちか]
「ごめん‥‥‥っ」

なんで恭弥が謝るの…?
なんで‥‥―――

今にも消えそうな掠れた声。

「恭弥‥‥――――、」

なんで震えてるの…?

「恭弥様っ!!!!!!」

松山さん率いる恭弥に仕える人達が一気に倉庫内に入ってきた。

⏰:09/03/11 22:35 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#591 [ちか]
「一秒でも早く探してって言ったよね?なんで僕1人の方が早いの?ねえ、」

恭弥が松山さんを睨んで言う。

「申し訳ございません!!」

深く頭を下げる松山さん

「もういいから、とにかく早く優里を…っ」

「はい…っ!!!」


そうして優里は病院に運ばれ、俺と恭弥もそれに同行した。

⏰:09/03/11 22:44 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#592 [ちか]
優里は緊急治療室に運ばれた。

俺達はその前のソファーに座り俯いていた。

沈黙が重い。

静まり返る病院。

「守りきれなかった…―」

ふいに恭弥が口を開いた

⏰:09/03/11 22:51 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#593 [ちか]
「恭弥‥‥――?」

驚いた。
恭弥の目に涙が浮かんでいたから。

「怖かったんだ‥‥――
取り返しのつかない事になったらどうしようって…。優里を失くしてしまったらどうしようって‥‥――」

恭弥の肩が震えてた。
どれだけ不安だったのか、伝わってくるほどに。

⏰:09/03/11 23:00 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


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