漆黒の夜に君と。[BL]
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#790 [ちか]
だって、性別の壁ってもんがあるだろ?!
殴り合うようなことは男として絶対手あげられないし!!
逆に花嫁対決みたいな、料理とか掃除とか、そりゃあずっと一人暮らしだったから普通の男よりは全然出来るけど!!
こんな良いとこのお嬢様に敵うような腕前はない
どっちにしろ、答えは
「無理です!!!!」
に決まってる。
:09/03/27 00:30 :P906i :Kttm89gw
#791 [ちか]
驚いて目を丸くする俺を見て、神楽さんはその真剣な眼差しで言う。
「ご心配は要りません。
どちらにも不利が無いよう勝負内容は考えさせて頂きましたから。
もう準備は全て整っております。
後は、この車が目的地に着くだけです!」
「えぇッ?!?!」
そう言えば、この車どこ向かってんの?!?!
:09/03/27 00:35 :P906i :Kttm89gw
#792 [ちか]
気づいた時にはもう遅かった。
あの時、神楽さんの車に乗った瞬間からこの人の計画は始まっていたのだ
徐々にスピードを上げていく車。
「後は私にお任せください。」
そう言ってハンカチのような物を俺に当てた。
「っな!!!任せ‥ら‥れる‥わけ‥‥―――」
そこで俺の意識は途切れた。
最後に頭の中で浮かんだのはあの時の優里の、
『神楽姉には気を付けろ』と言う言葉だった‥‥―――
:09/03/27 00:43 :P906i :Kttm89gw
#793 [ちか]
――――‥‥
「………ん……?」
次に意識が戻った時、俺の視界には見慣れない景色が広がっていた。
「た…たみ?」
鼻の奥まで薫ってくる独特の匂い。
むくりと起き上がり、辺りを見渡してみる。
和風な装飾品が飾られた広い部屋。
何が何だか分からず、ぽけっとしているとやがて襖が静かに開いた。
:09/03/27 14:06 :P906i :Kttm89gw
#794 [ちか]
「目が覚めたのですね。」
襖からにこにこした笑顔を向け、こっちに歩いてくるのは神楽さんだった
「あ、あのここは‥‥??」
「私が用意した場所ですのでご安心を。」
神楽さんはキョロキョロと周りを見る俺に微笑みかけた。
ご安心をって‥‥安心出来るわけないじゃん!!!!
俺、これからどうなるわけ?!?!
不安で仕方ない俺は近寄ってくる神楽さんから一歩、また一歩と座ったまま退いていく。
:09/03/27 14:16 :P906i :Kttm89gw
#795 [ちか]
「警戒しないでください。少し手荒な真似だったかも知れませんが…」
困ったように笑う神楽さんに俺は疑いの目を向ける。
だって警戒しない方がおかしいだろ?!
ある意味誘拐だ、こんなの!!!
そんな事を考えながら口をパクパクさせていると、再び襖が開いた。
:09/03/27 14:23 :P906i :Kttm89gw
#796 [ちか]
開いた襖から顔を覗かせたのは黒いスーツを着た強面の男の人。
「お嬢、「その呼び方やめなさいと言ってるでしょう。」
一瞬柔らかい口調が刺々しくなる。
俺が推測するに、たぶんお父さん絡みの…つまりヤクザ関係の人だと思う
:09/03/27 14:30 :P906i :Kttm89gw
#797 [ちか]
冷ややかな口調に黒いスーツの人は頭を少し下げると、
「すいません…。」
とだけ呟いた。
それを見て神楽さんは小さくため息をつくと、もとの柔らかい口調で話し始めた。
「それで、何か御用ですか?」
「はい。もう少しで恭弥様がご到着するようです。」
…え?
:09/03/27 14:36 :P906i :Kttm89gw
#798 [ちか]
「そうですか。ご苦労様です。」
「いえ。それではまた後程。」
それだけ言うと襖はまた静かに閉まった。
‥‥‥て言うか、
「恭弥も来るんですか?!」
俺は神楽さんを見上げながら声を張り上げた。
「もちろんです。
最終的にこの勝負の勝敗を決めるのは恭くんですから。」
当たり前のような顔でそんな事を言う神楽さんを目の前に俺はますます混乱した。
:09/03/27 14:43 :P906i :Kttm89gw
#799 [ちか]
「勝負、勝負って‥‥一体何するんですか?!?!」
今の状況に俺の頭は全くついていかず、半ば半泣きの状態だった。
「あぁ、勝負内容を申してませんでしたね。私とした事が‥すいません。
ですが、冥さんは何もしなくて良いのです。」
「へ‥?」
「ここはあるビルの最上階です。恭くんが着き次第、勝負は始まります。
私も恭くんも、ここからモニターを見てるだけでいいんです。簡単でしょう?」
:09/03/27 14:53 :P906i :Kttm89gw
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