漆黒の夜に君と。[BL]
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#814 [ちか]
「冥様が……っ!!!!!」

ドア越しで放たれた声に僕はピクリと反応を示した。

冥‥?
冥に何かあったのか‥?!

僕は足早にドアの前まで行き、ノブを捻った。

目の前には手紙らしきものを掴み、焦った顔の松山。

「冥がどうしたの?」

自然と眉間にシワが寄る。

⏰:09/03/28 18:41 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#815 [ちか]
「中庭にこんな物が錘(オモリ)と一緒に投げ込まれて…、とにかく中をご覧ください!!!」

そう言って松山は手に持っていた手紙を僕に差し出した。

開いてみると、パソコンか何かで打たれた機械的な文字で文章が書かれている。

【クサカ メイを誘拐した。返してほしければ●●ビルに来い。ただし中には1人しか入(イ)れない。】

手紙にはそう記されている。

「何これ、…脅迫状?」

「そのようです…どうしましょう、恭弥様‥っ」

⏰:09/03/28 19:44 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#816 [ちか]
どうしましょうって…

「行くしかないでしょ。
早く車用意してよ。僕今機嫌悪いんだから待たせないで。」

僕がそう言うと松山は返事をして急いで下へと降りていった。

再び誰も居なくなった部屋で僕はため息をつく。

「全く…誘拐なんて何が狙いなんだよ。身代金の額も書かないなんて馬鹿な連中。」

呆れながら、クローゼットの中のスーツに手を伸ばした。

着替えたあと玄関まで行くと松山が待っていた。
用意された車に乗り込み、ビルに向かって出発する。

そんな経過を経て、僕は今このビルに居るってワケ。
分かった?

⏰:09/03/28 20:02 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#817 [ちか]
分からないなんて言わないよね?
まぁ、言っても、もう一度説明なんてしないけど
何度も言うけど僕は今機嫌が悪いんだからね。

入り口の前で僕は足を止めた。

「どこまで付いてくる気?」

斜め後ろで心配そうな顔をする松山を振り返って睨む。

「ですが…っ、どんな輩が待っているのか分かりませんし…」

さらに曇っていく松山の顔。

「僕が負けるとでも思ってるの?」

こんな馬鹿な事する連中にこの僕が。

⏰:09/03/28 20:42 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#818 [ちか]
「い、いえっ…そんなことは思っていませんが…」

口をもごつかせる松山に苛立ちすら感じる。

「なら、お前達はそこで待っててよ。
すぐ片付けてくるから。」

僕はそれだけ言うと、返事も待たず中へと入っていった。

⏰:09/03/28 20:46 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#819 [ちか]
― 冥side.―

勝負を受けることを余儀無くされ俺は部屋の隅っこに座り込んでいた。

一方の神楽さんは俺から少し離れたところで本を読んでいる。

そんな体勢でどれくらい居ただろうか、襖がゆっくりと開いた。
さっき来た男の人だ。

「神楽様。到着した模様です。」

(本当に来たんだ恭弥…)

徐々に鼓動が速くなる。

神楽さんは男の人の言葉を聞くと、読んでいた本をとじて部屋の真ん中に設置かれたモニターの前に歩いて行った。

⏰:09/03/28 20:58 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#820 [ちか]
>>819訂正
設置かれた ×
設置された ○
すいません;Д;

⏰:09/03/28 21:29 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#821 [ちか]
膝を抱え、身を小さくして座りこむ俺に神楽さんは目を向けた。

「冥さんもこちらでモニターを見ませんか?
恭くんが1階のロビーまでいらしてますよ。」

相変わらずの笑顔で神楽さんはそう言うと俺を手招きする。

そして俺も少し悩んだあと、モニターの見える位置までちょこちょこ小走りで駆け寄った。

⏰:09/03/28 21:40 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#822 [ちか]
モニターに写っているのは、まさしく恭弥だった

一目見るだけでこんなにも気持ちが落ち着くなんて、俺相当恭弥に依存してるな‥

そんな事を考えながら、ふと思った。
見る限り、恭弥以外誰も居ないし物も少なくてガランとしてるけど…
“試す”って何をするんだろう?

俺はモニターから目を離し、神楽さんに聞こうと顔を右に向けた。

「あの、神楽さ…「始まりました。」

「え?」

最後まで言う前に神楽さんは俺の言葉を遮った。
モニターを見つめたまま

それと同時に大きな鈍い音が俺の耳を突き抜けた

⏰:09/03/28 22:48 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#823 [ちか]
慌ててモニターに目線を戻す。

「…っ!!!?!?!!」

目の前に飛び込んできたのは、大柄な男を蹴り上げる恭弥の姿だった。

「やっぱりこの程度では、恭くんの余裕勝ちですねぇ…。」

神楽さんの悠長な口振りに俺の頭はさらに混乱する。

「こ、こ、これどう言うことですかッッ?!!?!?」

目を丸くさせながら、モニターを指指して神楽さんの着物の袖を掴んだ。

⏰:09/03/28 23:20 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


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