漆黒の夜に君と。[BL]
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#823 [ちか]
慌ててモニターに目線を戻す。

「…っ!!!?!?!!」

目の前に飛び込んできたのは、大柄な男を蹴り上げる恭弥の姿だった。

「やっぱりこの程度では、恭くんの余裕勝ちですねぇ…。」

神楽さんの悠長な口振りに俺の頭はさらに混乱する。

「こ、こ、これどう言うことですかッッ?!!?!?」

目を丸くさせながら、モニターを指指して神楽さんの着物の袖を掴んだ。

⏰:09/03/28 23:20 📱:P906i 🆔:xsG6IXG.


#824 [ちか]
着物の袖を掴まれて俺に目を向ける神楽さん。

「見て分かりませんか?」

分かるワケないだろ!!!!
と、叫びたい気持ちを我慢して、首を横に大きく振った。

「では説明致しますね。」

神楽さんはそう言って手をモニターの方にやり、説明を始めた。

⏰:09/03/29 18:24 📱:P906i 🆔:T1ep0SO.


#825 [ちか]
「此処は60階建てのビルの最上階です。
今恭くんは此処の1階に居ます。
私が武道家や格闘家の方を雇い、各階に1人ずつ配置させて頂きましたので、恭くんには此処に上がってくるまでに60人程の方と手合わせして頂く事になります。無事に此処まで上がり、冥さんを助ける事が出来れば冥さんの勝ちと言う訳です。御理解頂けたでしょうか?」

テキパキと説明をしてのける神楽さん。

御理解頂けたでしょうかって‥‥

⏰:09/03/29 18:36 📱:P906i 🆔:T1ep0SO.


#826 [ちか]
「理解の前に納得いきませんよ、こんなのっ!!!」

俺は怒鳴り、きつく神楽さんを睨んだ。
そんな俺に顔色一つ変えない神楽さん。

「あら、説明が不十分だったでしょうか…」

「そんな意味で言ったんじゃありません!!!!!」

なんなんだ、この人!!
天然通り越して感覚おかしいんじゃないの?!?!

プロの格闘家を、しかも60人を恭弥1人に戦わせるなんてそんなっ……!!!

⏰:09/03/29 20:02 📱:P906i 🆔:T1ep0SO.


#827 [ちか]
「もしも…っ!!もしも恭弥が取り返しのつかない怪我でもしたらどうするんですか?!!?」

そんな事になったら…
俺のせいで恭弥がそんな目にあったら……っ

俺は力の限り声を張り上げ、神楽さんの袖を握りしめる。

そんな俺にさすがの神楽さんもびっくりしているようだ。
しかし、すぐにその大きな瞳を細めて口元を緩めるとこう呟いた。

「では、冥さんは恭くんを信じていないのですね。」

⏰:09/03/29 20:09 📱:P906i 🆔:T1ep0SO.


#828 [ちか]
落ち着いた口調がどこか冷ややかで、俺は唖然とした。

俺が恭弥を信じてない…?
そんなワケないだろ…っ

抑えようのない怒りが込み上がってくる。

「神楽さんに俺の何が分かるんですか…ッ!!!!」

俺は今までに無いほどにきつく睨み付けてそう言い放った。

それでも俺を見る神楽さんの瞳は冷たいまま。

⏰:09/03/29 21:28 📱:P906i 🆔:T1ep0SO.


#829 [ちか]
「お言葉ですが、冥さん。
貴方は恭くんが怪我をなさったらどうするんだと仰(オッシャ)いましたが、それは恭くんを信じていないからこそ思う事でしょう?」


そう言い返された瞬間、言葉が出なかった。


「私は取り返しのつかないような怪我をする程、恭くんは柔じゃないと思っていますが、違いますか?」

返す言葉が無かった…

納得してしまった自分が悔しくてぎゅっと下唇を噛んだ。

⏰:09/03/29 21:41 📱:P906i 🆔:T1ep0SO.


#830 [ちか]
確かにそうだ…

俺に、俺の心の何処かに恭弥を疑う気持ちがあったから、怪我をしたらどうするんだなんて言葉が出たんだ…
そう思うと自分が腹立たしくて仕方なかった。

黙って俯く俺に、神楽さんは再びモニターへと目を戻した。

そして俯きながら俺は強く願った。
“頑張って”と。

⏰:09/03/29 22:00 📱:P906i 🆔:T1ep0SO.


#831 []
>>700-800

⏰:09/03/30 19:57 📱:SO905iCS 🆔:7m2VKqGw


#832 [ちか]
>>831
└→さま*
アンカありがとうございます
今から更新するので、よかったらまた読んでください♪^^*

⏰:09/03/30 22:37 📱:P906i 🆔:PLDMpyds


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