漆黒の夜に君と。[BL]
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#825 [ちか]
「此処は60階建てのビルの最上階です。
今恭くんは此処の1階に居ます。
私が武道家や格闘家の方を雇い、各階に1人ずつ配置させて頂きましたので、恭くんには此処に上がってくるまでに60人程の方と手合わせして頂く事になります。無事に此処まで上がり、冥さんを助ける事が出来れば冥さんの勝ちと言う訳です。御理解頂けたでしょうか?」
テキパキと説明をしてのける神楽さん。
御理解頂けたでしょうかって‥‥
:09/03/29 18:36 :P906i :T1ep0SO.
#826 [ちか]
「理解の前に納得いきませんよ、こんなのっ!!!」
俺は怒鳴り、きつく神楽さんを睨んだ。
そんな俺に顔色一つ変えない神楽さん。
「あら、説明が不十分だったでしょうか…」
「そんな意味で言ったんじゃありません!!!!!」
なんなんだ、この人!!
天然通り越して感覚おかしいんじゃないの?!?!
プロの格闘家を、しかも60人を恭弥1人に戦わせるなんてそんなっ……!!!
:09/03/29 20:02 :P906i :T1ep0SO.
#827 [ちか]
「もしも…っ!!もしも恭弥が取り返しのつかない怪我でもしたらどうするんですか?!!?」
そんな事になったら…
俺のせいで恭弥がそんな目にあったら……っ
俺は力の限り声を張り上げ、神楽さんの袖を握りしめる。
そんな俺にさすがの神楽さんもびっくりしているようだ。
しかし、すぐにその大きな瞳を細めて口元を緩めるとこう呟いた。
「では、冥さんは恭くんを信じていないのですね。」
:09/03/29 20:09 :P906i :T1ep0SO.
#828 [ちか]
落ち着いた口調がどこか冷ややかで、俺は唖然とした。
俺が恭弥を信じてない…?
そんなワケないだろ…っ
抑えようのない怒りが込み上がってくる。
「神楽さんに俺の何が分かるんですか…ッ!!!!」
俺は今までに無いほどにきつく睨み付けてそう言い放った。
それでも俺を見る神楽さんの瞳は冷たいまま。
:09/03/29 21:28 :P906i :T1ep0SO.
#829 [ちか]
「お言葉ですが、冥さん。
貴方は恭くんが怪我をなさったらどうするんだと仰(オッシャ)いましたが、それは恭くんを信じていないからこそ思う事でしょう?」
そう言い返された瞬間、言葉が出なかった。
「私は取り返しのつかないような怪我をする程、恭くんは柔じゃないと思っていますが、違いますか?」
返す言葉が無かった…
納得してしまった自分が悔しくてぎゅっと下唇を噛んだ。
:09/03/29 21:41 :P906i :T1ep0SO.
#830 [ちか]
確かにそうだ…
俺に、俺の心の何処かに恭弥を疑う気持ちがあったから、怪我をしたらどうするんだなんて言葉が出たんだ…
そう思うと自分が腹立たしくて仕方なかった。
黙って俯く俺に、神楽さんは再びモニターへと目を戻した。
そして俯きながら俺は強く願った。
“頑張って”と。
:09/03/29 22:00 :P906i :T1ep0SO.
#831 []
:09/03/30 19:57 :SO905iCS :7m2VKqGw
#832 [ちか]
>>831└→
さま*
アンカありがとうございます
★
今から更新するので、よかったらまた読んでください♪^^*
:09/03/30 22:37 :P906i :PLDMpyds
#833 [ちか]
>>830―神楽side.―
やはり冥さんはまだ気づいていないのですね。
‥‥‥私がこの勝負内容を選んだ本当の目的を。
私だって恭くんに、もしもの事が無いよう配慮はしております。
つまり、この内容を選んだのは力でお二人の気持ちを引き離す為じゃないのですよ、冥さん。
私が本当に知りたいのはあくまで恭くんが『本気』なのかどうか。
:09/03/30 22:45 :P906i :PLDMpyds
#834 [ちか]
面倒な事を何よりも嫌がるあの恭くんが、たかが男の子一人のためにご自分の体力を削るとは到底考えられません。
途中で投げ出さず、本当に60人全員を倒して此処までいらしたとしたら、それは冥さんが恭くんにとって、『たかが一人の男の子』でなく、『大切な人』と言う証。
私は恭くんの気持ちの量を計っているのです。
:09/03/30 23:14 :P906i :PLDMpyds
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