漆黒の夜に君と。[BL]
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#857 [ちか]
しかし何か違和感がある


畳が一面に敷かれた和風の造りの広い部屋。

他の階には無い雰囲気。

何かが引っ掛かる。


眉間に皺を寄せ考え込んでいると、静かな部屋に鎖の音が響いた。

⏰:09/04/02 12:14 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#858 [ちか]
鎖‥‥――――?


「さっさと決めな!!」

男がそう言うと、他の2人はさらに冥と神楽のこめかみにきつく銃を当てた。

「恭くん‥‥ッ!!!」

叫ぶ神楽と黙ったままの冥。

擦れて鳴る鎖の音‥――


―――‥‥なんだ。

「そう言うことね。」

⏰:09/04/02 12:33 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#859 [ちか]
―冥side.―

俺は今、なんでか鎖で手足の自由を奪われてる。

俺もなんでこんな事されてんのか分かんない‥

「冥さん。」

右を見れば俺と同じように鎖で縛られた神楽さんが居る。

「な、なんですか‥‥?」

相変わらずにこにこしている神楽さん。
もうこの人ほんと何考えてんのか分かんない…

⏰:09/04/02 13:23 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#860 [ちか]
「もう少しで恭くんが此処に来ます。
もう一度言いますが、絶対喋らないでくださいね。
もし一言でも喋ったら‥‥、」

「負けなんですよね。
分かってます‥。」

俺が言葉を遮ってそう言うと、神楽さんは「そうです」とにっこり微笑んで周りに居る4人の人達とコソコソ話し始めた。

俺は小さくため息をついて襖をじっと見つめた。
恭弥が来てくれるのをただ待って。

⏰:09/04/02 13:46 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#861 [ちか]
暫くして襖に黒いシルエットが映り、ゆっくりと開いた。

恭弥‥‥―――ッ


そこに立っていたのは紛れもなく恭弥だった。


自然と身体が前のめりになって、今すぐその名前を呼びたかったけど、俺のすぐ隣に立っていた男にがっちりと掴まれてどうする事も出来なかった。

⏰:09/04/02 14:01 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#862 [ちか]
恭弥も少し驚いた顔をして俺達を見ていた。

「どうして此処に神楽が?」

と恭弥が呟くと、隣で神楽さんが自分も捕まったんだと叫んだ。

これもこの人の作戦か何かか‥?

ワケが分からなくて俺の頭はさらに混乱する。

⏰:09/04/02 14:12 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#863 [ちか]
傍に立っているスーツの人が胸元から銃を取り出すと俺のこめかみに当てた。

銀色のソレから冷たい感触が伝わってくる。

どっちかを返すだの、
殺すだの‥‥
全然話についていけないんだけど!!

恭弥にどっちか選ばせて勝敗を決めるつもりか‥?!

話が違うじゃん…っ!!

⏰:09/04/02 14:25 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#864 [ちか]
一方の恭弥も黙ったまま


俺を助けに来てくれたんじゃないの…?

まさか、俺と神楽さんのどっちかで迷ってるの…?

そんな…―――

気づいてよ…ッ
全部神楽さんが仕組んでるのに‥‥っ!!!

言いたくても言えないそのもどかしさでさらに胸が苦しくなる。

潤む目で恭弥が見れなくて俺は下を俯いた。

鎖の音が小さく部屋に響く。

⏰:09/04/02 14:34 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#865 [ちか]
「そう言うことね。」

向こう側から小さく恭弥の声が聞こえた。

“そう言うこと”‥?

何が分かったんだ?


咄嗟に顔をあげると、恭弥は笑っていた。

いや、目は完全に獲物見つけた肉食動物の目だけど。

⏰:09/04/02 15:49 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#866 [ちか]
一歩、また一歩と恭弥がこっちに歩いてくる。

「来るなッッ!!!!!それ以上近づいたら2人とも…ッ「いい加減にしてくれませんか?‥‥倉田さん。」

面倒くさそうな口振りで恭弥がそう言うと一瞬、スーツの人達の動きが止まった。

それを見て恭弥はクスリと笑うと神楽さんに視線を落とした。

⏰:09/04/02 16:52 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


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