漆黒の夜に君と。[BL]
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#114 [ちか]
しかしそれは気のせいじゃなかった。


昼休み、5限目の教室移動の為廊下を歩いてると、向かい側から歩いてきたのはまたしてもアイツ。



今度は完全に目があった。
この距離ならそれくらい分かる。


・・なのにまたそらされた。

⏰:09/02/04 00:22 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#115 [ちか]
少し苛立った俺は、すれ違い際に
「なんでさっき無視したんだよ。」
と話しかけた。



しかしそれも無視。
これは明らかに無視だ。
聞こえてないはずがない。

なんらかの反応を期待してた俺は、驚いて振り返った。

⏰:09/02/04 00:27 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#116 [ちか]
アイツが通る度にみんな振り返る。


教師だって生徒だって、
みんなアイツをチヤホヤする。



そうだ。
俺の知ってるアイツは、
そう言う奴だった。


今朝まであんなに近かったはずの存在が、急に遠くに感じた。

⏰:09/02/04 00:34 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#117 [ちか]
よく考えてみれば、

俺とアイツが出会ったのは今年の春で、ちゃんとした言葉を交わしたのは昨日の夜が初めてで。


そんな俺がアイツの眼中にあるわけないよな。

振り返った先に居るアイツは誰かと優しい笑顔で話してる。

⏰:09/02/04 17:17 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#118 [ちか]
そんな光景を見た瞬間、
なぜか胸が軋んだ。



なんなんだろう、これは。



昨日知り合ったばかりの奴になんの感情を抱いているんだろう・・―

⏰:09/02/04 17:20 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#119 [ちか]
全身が熱くなった。



見たくないのに目はアイツを追ってしまう。



これじゃ、まるで・・――

⏰:09/02/04 17:22 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#120 [ちか]
キーンコーン
  カーンコーン..


予鈴が鳴ってふと我に返った。



「あれ、冥?」


声の主は透。

⏰:09/02/04 17:25 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#121 [ちか]
「お前一人?」

「あ、うん。ちょっと担任に呼び出されてたから。」

「そっか。俺もちょっと部長と話しててさあ。
次移動だよな?一緒に行こーぜ。」

「うん..」


そう頷いてもう一度振り返る。


アイツはもう居なくなっていた。

⏰:09/02/04 17:30 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#122 [ちか]
「冥?どうかした?」

「・・いや、なんでもない。行こっ」



俺は何を気にしてるだ。
馬鹿みたいに。―――‥


_

⏰:09/02/04 17:32 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#123 [ちか]
俺は少し先にいる透にかけよって、早足でそこを去った。


早くこの場所から離れたくて。


この気持ちを忘れたくて。

―――――‥‥‥
―――――――――――

⏰:09/02/04 17:36 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


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