漆黒の夜に君と。[BL]
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#201 [我輩は匿名である]
ようやく意識がはっきりしてきて、射し込んでくる光から今が朝なんだと言うことを知った。
俺、いつの間に寝ちゃったんだろ‥
そうだ、あの後急に眠くなって‥―
そこまで思い出した瞬間(トキ)、俺は真っ赤にした。
昨日のアレを思い出して。
:09/02/08 19:17 :P906i :qI2htTWA
#202 [ちか]
>>200-201名前、ちかです;
思い出せば思い出すほど、顔は赤くなっていった。
恥ずかしくて思わず両手で顔を覆った。
そう、昨日俺は人生で初めて抱かれたんだ。
しかも男に。
:09/02/08 19:23 :P906i :qI2htTWA
#203 [ちか]
赤さを増す顔に、俺は思い出すのをやめた。
「そうだ、学校いかな‥――!?!?」
独り言を呟いてそこから起き上がろうとした時、突然腰に激痛がはしった。
「‥いっ‥たあ〜‥ッ!!!」
その痛さに、涙がジワリと滲んだ。
:09/02/08 19:41 :P906i :qI2htTWA
#204 [ちか]
「あ、起きたの?」
目覚めた時の香りと共に甘い声が頭上で聞こえて、俺はその声を辿った。
「おはよう。」
そこには優しく微笑む恭弥。
その綺麗な黒髪と引き締まった上半身からは水がポタポタと滴っていて、色っぽかった。
:09/02/08 22:21 :P906i :qI2htTWA
#205 [ちか]
「‥‥冥?」
名前を呼ばれて俺はハッとした。
見とれてしまってたみたいだ。
「っな、なに?!?//」
焦って返事する俺。
:09/02/08 22:37 :P906i :qI2htTWA
#206 [ちか]
「クスッ、なに見とれちゃった?」
恭弥は綺麗な瞳を細めて、意地悪く笑う。
「ち、ちがっ‥!!!///」
言葉を遮るように、
「図星かあ。クスッ可愛い。」
そう言って優しく俺の頭を撫でる。
「お前、またそうやって俺をからかって‥!!///」
見透かされてるのが悔しくて必死に否定するけど、そんな行動もコイツにとっては小動物とじゃれ合っているようなもの。
:09/02/08 22:46 :P906i :qI2htTWA
#207 [ちか]
「『お前』じゃなくて、
『恭弥』って呼んでよ。」
「‥‥っ!!///」
ふわりと漂うシャンプーの香りと、そのなんとも言えない声は俺の神経を一瞬で自分のものにする。
赤面する俺を見て、恭弥はさらににっこりと笑った。
:09/02/08 22:53 :P906i :qI2htTWA
#208 [ちか]
「だ、誰が呼ぶかっ!!///」
俺は頭を撫でるその大きな手をはらって睨みつける。
「昨日はあんなに可愛いかったのに。クスッ」
その甘い声に背筋がゾクっとした。
「う、うるさいっ!!!///
早く服着ろ変態っ!!//」
:09/02/08 23:08 :P906i :qI2htTWA
#209 [ちか]
「ひどいなあ。」
恭弥はそう言って、あははっと笑った。
しなやかな身体に、ほどよい筋肉のついた腕。
そんな体に白いシャツはよく似合った。
:09/02/08 23:11 :P906i :qI2htTWA
#210 [ちか]
「冥もシャワー浴びておいでよ。」
振り向いて言うその笑顔に今にも悩殺されそうになる。
「言われなくても‥―っ!!、うっ‥‥ッ」
忘れかけていた痛みがまた俺を襲った。
:09/02/08 23:15 :P906i :qI2htTWA
#211 [ちか]
「いてて‥‥――、なんなんだよ〜コレ‥」
俺は涙目で腰をさすった。
この痛みの理由(ワケ)を俺は知らない。
「ごめん、ちょっとやりすぎたかな‥?」
もちろん、コイツの言葉の意味も。
:09/02/09 17:45 :P906i :ssqUFrOo
#212 [ちか]
「“やりすぎた”ってなんのことだよ?」
尚も腰を擦りながら、俺は尋ねた。
「‥‥もしかしてお前解ってない?」
「“解ってない”って何がだよ!」
会話にならない会話続く
:09/02/09 17:55 :P906i :ssqUFrOo
#213 [ちか]
>>212訂正
会話にならない会話続く
└→×
会話にならない会話が続く
└→○
すいません
:09/02/09 17:56 :P906i :ssqUFrOo
#214 [ちか]
恭弥は『まさか』とでも言いたげな驚いた目をして俺を見下ろす。
「なんなんだよっ!!
馬鹿にしてんのっ?!」
なんとも言えない悔しさにでいっぱいになった俺はキッと睨んで怒鳴った。
:09/02/09 18:01 :P906i :ssqUFrOo
#215 [ちか]
>>214訂正
なんとも言えない悔しさにでいっぱいになった‥
└→×
なんとも言えない悔しさでいっぱいになった‥
└→○
誤字ばかりですいません
:09/02/09 18:03 :P906i :ssqUFrOo
#216 [ちか]
恭弥はそんな俺の声にハァとため息を吐いて、
「だーかーらー。‥アレだよ、ほら‥昨日のせい。」
と言いにくそうに呟いた
俺が顔を真っ赤にするのを見ると、発言した本人も目線を斜め下に下げて、少し顔を赤らめた。
:09/02/09 18:13 :P906i :ssqUFrOo
#217 [ちか]
「なっ//、あんたが照れてどーすんだよ!!馬鹿っ//」
「冥が言わすからだろっ!!///」
俺の怒声に思わず恭弥も声を張り上げた。
「うっせー!!!///」
押し切る形でこの喧嘩は俺の勝ちとなった。
:09/02/09 18:28 :P906i :ssqUFrOo
#218 [ちか]
喧嘩のあとの沈黙は、ソレをより静かにした。
未だに腰が痛くてベッドから出れない俺は、上半身を壁にもたれさせるような形でやっと上体を起こすことが出来た。
「‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥‥‥なぁ、」
続く沈黙にしびれを切らした俺は、ずっと気になっていた事を聞こうと口を開いた。
:09/02/09 22:16 :P906i :ssqUFrOo
#219 [ちか]
「なに?」
「あの…さ、昨日からずっっっと気になってたんだけど‥‥」
「だからなに?」
「えっと‥、あの、昨日…」
「昨日?」
「その‥――、昨日なんで無視したんだよ。」
まだ気にしてんのか、そう思われそうで、呆れられてしまいそうで、言葉にするのに少し時間がかかった
:09/02/09 22:22 :P906i :ssqUFrOo
#220 [ちか]
「悪いけど、その件に関してはほんとに心当たりがないんだよ。」
恭弥はそう言ったあとに少し間をあけて「ごめんね。」と付け足した。
その面持ちからそれが嘘じゃない事が解ると、俺の頭は余計に混乱してしまった。
確かにあの時‥‥―――
「っでも‥あの時‥――、ちゃんと目合ったよ…」
:09/02/09 22:34 :P906i :ssqUFrOo
#221 [ちか]
シーツを握りしめて、まるで独り言のように呟いた。
苦しかったんだ。
俺が感じた“無視”は、
コイツにとっての“無視”じゃなくて、
俺の瞳にはコイツがうつってたのに、コイツの目には俺がうつってなかった、と言うことが。
:09/02/09 23:58 :P906i :ssqUFrOo
#222 [ちか]
また続く沈黙に俺は俯いた顔をあげる事が出来ない。
いや、今目の前のヤツがどんな顔をしてるのかと思うと、怖くてあげる事なんて出来なかった。
“うざい”って思われてるかもしれない。
“しつこい”って思われてるかもしれない。
さっきまで俺に向けられていた笑顔が、残酷な顔に変わっているかもしれない。
そう思うだけで身体が押し潰されそうで、この話題を出してしまった事を後悔した。
:09/02/10 00:11 :P906i :SdvBzJis
#223 [ちか]
「‥‥‥‥‥あ、」
そう短く声を漏らしたのはのは恭弥の方だった。
「そう言えば、それって体育と昼休みだっけ?」
「うん・・」
俺の弱々しい返事とは反対に、恭弥はそれ聞いて急に笑いだした。
:09/02/10 18:45 :P906i :SdvBzJis
#224 [ちか]
「なっ、なんで笑うんだよっ!!!//俺は真面目に…」
「いや、確かに“無視”してたのかもって思って。」
そう言ってまた恭弥はクスクスと笑う。
ワケわかんねえ‥
結局無視したのか、してないのかどっちなんだよ!
:09/02/10 18:50 :P906i :SdvBzJis
#225 [ちか]
俺は笑い続ける恭弥をキッと睨みつける。
暫くして笑いがおさまった恭弥は口を開いた。
「僕、目すっごい悪いんだよね。」
‥‥‥は?
「普段コンタクトなんだけど、昨日はちょうど体育の時間にとれちゃってね。
眼鏡も忘れちゃったから、放課後運転手に持ってきてもらったんだよ。」
‥‥‥‥‥‥はあ?!
:09/02/10 19:00 :P906i :SdvBzJis
#226 [ちか]
それじゃあ‥‥
「まぁつまり、見えてなかったってワケだ。」
俺の…
「そう言えば昼に話しかけられた気したんだよね。誰かわかんなかったから、スルーしちゃったけど。」
俺の心配って‥‥
一体なんだったんだああ!!!!
:09/02/10 19:35 :P906i :SdvBzJis
#227 [ちか]
一気に怒りが込み上げてきたけど、あまりの馬鹿らしさにソレもすぐ冷めてしまった。
「馬鹿みたい‥‥」
俺はそう言ってため息を吐いた。
「でも僕は嬉しいな。可愛い冥が見れたしね。」
そんな言葉に俺はさらにもう一つため息を吐いた。
:09/02/10 19:47 :P906i :SdvBzJis
#228 [ちか]
「冥怒ってる?」
そう言って俺の顔を覗きこんだ恭弥は満面の笑みだった。
コイツ、まじで喜んでるんだな‥
「怒ってない。」
呆れた口調で返す俺。
:09/02/10 19:58 :P906i :SdvBzJis
#229 [ちか]
「なら、良かった♪」
「‥‥‥っふえ?!?!?!」
恭弥は笑顔でそう言うと、急に俺をお姫様抱っこで持ち上げた。
「ばっ!!ちょ…っ!!なにすんだよっ!!///」
「痛くて起きれないんでしょ?」
そう言って恭弥はニヤリと笑う。
:09/02/10 20:15 :P906i :SdvBzJis
#230 [ちか]
「お、降ろせ馬鹿っ!!///」
「やだね。」
「“やだ”じゃねーっ!!
降ろせってば!!///」
なんで16にもなってお姫様抱っこなんかされなきゃいけないんだよ!!
「暴れないでくれる?
持ちにくいんだけど。」
「おーろーせーっ!!!!」
恭弥は大声を張り上げ、ジタバタ俺にため息を吐いた。
そして、‥‥―――
:09/02/10 22:06 :P906i :SdvBzJis
#231 [ちか]
チュ。
「うるさいよ。」
俺の思考は一時停止。
情報処理に少し時間がかかるようだ。
え〜‥今の状況は‥
唇が重なって、
うるさいって言われた。
ハイ、情報処理完了。
俺の今言うべき言葉は…
「こンのド変態がああ!!!」
「あー、うるさい。」
:09/02/10 22:11 :P906i :SdvBzJis
#232 [ちか]
>>230訂正
大声を張り上げ、ジタバタ俺に…
└→×
大声を張り上げ、ジタバタする俺に…
└→○
すいませんm(__)m
:09/02/10 22:13 :P906i :SdvBzJis
#233 [ちか]
そうこうしてるうちにバスルームに着いた。
俺はドアノブを回そうとする恭弥の手をがっちり掴む。
「こ、ここでいいってば!!
あとは自分でするから!!///」
「いいよ、せっかくだし洗ってあげ‥‥「洗わなくていいからっ!!!!」
言葉を遮る俺に、恭弥も渋々といった表情(カオ)で俺をゆっくり降ろした。
:09/02/10 23:28 :P906i :SdvBzJis
#234 [ちか]
俺は出来るだけ腰に負担がかからないようにそこから降りる。
「じゃ、あとは適当にやるからあっち行ってて!」
そう言って俺はドアを勢いよくバタンと閉めた。
「はぁ〜‥。」
アイツが居なくなった瞬間全身の力が抜けて、俺は崩れるように座った。
:09/02/11 09:40 :P906i :D4KC0L06
#235 [ちか]
「あつ‥‥。」
全身が熱くて、
心臓は高鳴ったまま。
全ては恭弥のせいで。
:09/02/11 16:19 :P906i :D4KC0L06
#236 [ちか]
「いきなりは反則だろ〜‥」
弱々しい声が響く。
胸の高鳴りはなかなか止まなくて、俺はグッと胸を押さえた。
唇にはまだあの感覚が残ってる。
:09/02/11 16:40 :P906i :D4KC0L06
#237 [ちか]
だめだ‥
俺、完全にアイツのペースに乗せられてる。
あのヤラシイど変態のペースに。
俺はもう一度大きくため息を吐いたあと、頭を冷やそうと浴室に入った。
:09/02/11 20:13 :P906i :D4KC0L06
#238 [ちか]
服を脱ぐ途中、また昨日の事が蘇った。
ここを触られた、とか
ここを舐められた、とか
なんかいろいろと鮮明に思い出してしまった俺はさらに顔を火照らせた。
「なに考えてんだ俺!!
忘れろ忘れろ忘れろ‥」
自分に言い聞かせるようになんどか呟いて、中に入った。
:09/02/11 20:22 :P906i :D4KC0L06
#239 [ちか]
中は結構広かった。
なんて言うか、金持ち感が漂ってた。
すっごい良いホテルにありそうな感じ。
俺はそんな事を考えながら、シャワーを浴びた。
ふいに手をシャンプーの方に伸ばした。
これまた高そうなシャンプー。
一般人の俺には見た事のないようなやつだった。
シャンプーからは恭弥の匂いがして、少し心地よかった。
:09/02/11 20:28 :P906i :D4KC0L06
#240 [ちか]
サッパリした気分でそこから出ると、綺麗折り畳まれた制服の隣にまたシワ一つない新品のシャツがあって、やっぱり少し着心地が悪かった。
ベッドの方に戻ると、ピシッと制服に身を包んだ恭弥が居た。
こう見ると、やっぱ生徒会長だなあって思う。
:09/02/11 20:38 :P906i :D4KC0L06
#241 [ちか]
ピシッと制服を纏った恭弥からは、昨日や今朝のような変態っぽさを微塵(ミジン)も感じさせなかった。
「詐欺だ…。」
「え?」
「いや、なんでもない!!」
「?」
いけない、思ったことがつい口に出てしまった。
俺はヘラヘラと笑ってごまかした。
:09/02/11 20:50 :P906i :D4KC0L06
#242 [ちか]
その後、朝食を食べに1階へと降りた。
慣れない家に、恭弥の後ろをちょこちょこと間をあけながら歩く俺。
俺達が一つの部屋の前に立つと、メイドの人2人が「おはようございます。」と頭を下げて扉を開けてくれた。
:09/02/11 21:00 :P906i :D4KC0L06
#243 [ちか]
中に入ると、たくさんのメイドさん達がズラリと並んでいて、テーブルには朝食とは思えないほど豪華な料理が所狭しと並んでいた。
「恭弥様、冥様、今日の朝食はイタリア産の‥」
と、朝食のメニューについて語り出すシェフ。
聞いた事のない料理の名前やら何やらで、俺の頭は朝から少し混乱気味だ。
:09/02/11 21:16 :P906i :D4KC0L06
#244 [ちか]
しかし味は超うまい。
俺はその美味さに一人黙々と料理にがっついた。
なにしろ一人暮らしの間、遅刻魔だった俺は久しぶりにまともな朝食だったからな。
……いや、『まともな』ってのは撤回しよう。
:09/02/11 21:21 :P906i :D4KC0L06
#245 [ちか]
「そんなに美味しい?」
両頬をリスみたいに膨らまして料理を頬張る俺に、頬杖をつきながら尋ねてきた。
「うん、最高っ!」
「じゃあ、あげるよ。」
そう言って恭弥は自分の分を俺によこした。
:09/02/11 21:40 :P906i :D4KC0L06
#246 [ちか]
「もう、僕お腹いっぱいだから。」
ニコニコしながら俺にそう言う恭弥。
「お腹いっぱいって…」
よこされた皿に目をやると、初めに運ばれてきた時と同じと言ってもいいほど残っていた。
:09/02/11 21:48 :P906i :D4KC0L06
#247 [ちか]
「それに、冥見てる方が楽しいしね。」
そう言って俺の口の端についたソースを指でとってペロッと舐めた。
「あ、また赤くなった。」
クスッと笑うコイツと
赤面する俺。
めちゃくちゃ悔しい。
またコイツのペースだ…
:09/02/11 21:54 :P906i :D4KC0L06
#248 [ちか]
「いらないっ!!///」
「クスッ、可愛い♪」
「からかうなっ!!!!!」
「だって可愛いもん。」
「・・・・。(怒)」
あ゙〜〜〜っ!!!!
もうやだ!!!!
コイツもコイツのペースに流される俺もいやだ…。
:09/02/11 22:18 :P906i :D4KC0L06
#249 [ちか]
良く考えろ俺…
一昨日から今まで何回こう言うやり取りをした?!
いい加減大人になれ俺…
流されるな、
流されるな、俺…
呪文のようにそんな事を小声で呟く俺と、それを不思議そうに見つめる恭弥。
:09/02/11 22:29 :P906i :D4KC0L06
#250 [ちか]
「恭弥様、そろそろお時間でございます。」
「あ、そう。
じゃ、冥行こっか。」
「う、うん..」
次からコイツに流されない事を心に固く決心して俺はその場をあとにした。
:09/02/11 22:34 :P906i :D4KC0L06
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