漆黒の夜に君と。[BL]
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#221 [ちか]
シーツを握りしめて、まるで独り言のように呟いた。
苦しかったんだ。
俺が感じた“無視”は、
コイツにとっての“無視”じゃなくて、
俺の瞳にはコイツがうつってたのに、コイツの目には俺がうつってなかった、と言うことが。
:09/02/09 23:58 :P906i :ssqUFrOo
#222 [ちか]
また続く沈黙に俺は俯いた顔をあげる事が出来ない。
いや、今目の前のヤツがどんな顔をしてるのかと思うと、怖くてあげる事なんて出来なかった。
“うざい”って思われてるかもしれない。
“しつこい”って思われてるかもしれない。
さっきまで俺に向けられていた笑顔が、残酷な顔に変わっているかもしれない。
そう思うだけで身体が押し潰されそうで、この話題を出してしまった事を後悔した。
:09/02/10 00:11 :P906i :SdvBzJis
#223 [ちか]
「‥‥‥‥‥あ、」
そう短く声を漏らしたのはのは恭弥の方だった。
「そう言えば、それって体育と昼休みだっけ?」
「うん・・」
俺の弱々しい返事とは反対に、恭弥はそれ聞いて急に笑いだした。
:09/02/10 18:45 :P906i :SdvBzJis
#224 [ちか]
「なっ、なんで笑うんだよっ!!!//俺は真面目に…」
「いや、確かに“無視”してたのかもって思って。」
そう言ってまた恭弥はクスクスと笑う。
ワケわかんねえ‥
結局無視したのか、してないのかどっちなんだよ!
:09/02/10 18:50 :P906i :SdvBzJis
#225 [ちか]
俺は笑い続ける恭弥をキッと睨みつける。
暫くして笑いがおさまった恭弥は口を開いた。
「僕、目すっごい悪いんだよね。」
‥‥‥は?
「普段コンタクトなんだけど、昨日はちょうど体育の時間にとれちゃってね。
眼鏡も忘れちゃったから、放課後運転手に持ってきてもらったんだよ。」
‥‥‥‥‥‥はあ?!
:09/02/10 19:00 :P906i :SdvBzJis
#226 [ちか]
それじゃあ‥‥
「まぁつまり、見えてなかったってワケだ。」
俺の…
「そう言えば昼に話しかけられた気したんだよね。誰かわかんなかったから、スルーしちゃったけど。」
俺の心配って‥‥
一体なんだったんだああ!!!!
:09/02/10 19:35 :P906i :SdvBzJis
#227 [ちか]
一気に怒りが込み上げてきたけど、あまりの馬鹿らしさにソレもすぐ冷めてしまった。
「馬鹿みたい‥‥」
俺はそう言ってため息を吐いた。
「でも僕は嬉しいな。可愛い冥が見れたしね。」
そんな言葉に俺はさらにもう一つため息を吐いた。
:09/02/10 19:47 :P906i :SdvBzJis
#228 [ちか]
「冥怒ってる?」
そう言って俺の顔を覗きこんだ恭弥は満面の笑みだった。
コイツ、まじで喜んでるんだな‥
「怒ってない。」
呆れた口調で返す俺。
:09/02/10 19:58 :P906i :SdvBzJis
#229 [ちか]
「なら、良かった♪」
「‥‥‥っふえ?!?!?!」
恭弥は笑顔でそう言うと、急に俺をお姫様抱っこで持ち上げた。
「ばっ!!ちょ…っ!!なにすんだよっ!!///」
「痛くて起きれないんでしょ?」
そう言って恭弥はニヤリと笑う。
:09/02/10 20:15 :P906i :SdvBzJis
#230 [ちか]
「お、降ろせ馬鹿っ!!///」
「やだね。」
「“やだ”じゃねーっ!!
降ろせってば!!///」
なんで16にもなってお姫様抱っこなんかされなきゃいけないんだよ!!
「暴れないでくれる?
持ちにくいんだけど。」
「おーろーせーっ!!!!」
恭弥は大声を張り上げ、ジタバタ俺にため息を吐いた。
そして、‥‥―――
:09/02/10 22:06 :P906i :SdvBzJis
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