漆黒の夜に君と｡[BL]

｢なら、良かった♪｣

｢‥‥‥っふえ?!?!?!｣

恭弥は笑顔でそう言うと、急に俺をお姫様抱っこで持ち上げた。

｢ばっ!!ちょ…っ!!なにすんだよっ!!///｣

｢痛くて起きれないんでしょ？｣

そう言って恭弥はニヤリと笑う。

｢お､降ろせ馬鹿っ!!///｣

｢やだね。｣

｢“やだ”じゃねーっ!!
降ろせってば!!///｣

なんで１６にもなってお姫様抱っこなんかされなきゃいけないんだよ！！

｢暴れないでくれる？
持ちにくいんだけど。｣

｢おーろーせーっ!!!!｣

恭弥は大声を張り上げ､ｼﾞﾀﾊﾞﾀ俺にため息を吐いた。
そして、‥‥―――

ﾁｭ｡

｢うるさいよ。｣

俺の思考は一時停止。
情報処理に少し時間がかかるようだ。

え～‥今の状況は‥
唇が重なって、
うるさいって言われた。

ハイ、情報処理完了。

俺の今言うべき言葉は…

｢こﾝのド変態がああ!!!｣

｢あー、うるさい。｣

>>230訂正
大声を張り上げ､ｼﾞﾀﾊﾞﾀ俺に…
└→×
大声を張り上げ､ｼﾞﾀﾊﾞﾀする俺に…
└→○
すいませんm(__)m

そうこうしてるうちにバスルームに着いた。

俺はドアノブを回そうとする恭弥の手をがっちり掴む。

｢こ､ここでいいってば!!
あとは自分でするから!!///｣

｢いいよ、せっかくだし洗ってあげ‥‥｢洗わなくていいからっ!!!!｣

言葉を遮る俺に、恭弥も渋々といった表情(ｶｵ)で俺をゆっくり降ろした。

俺は出来るだけ腰に負担がかからないようにそこから降りる。

｢じゃ、あとは適当にやるからあっち行ってて！｣

そう言って俺はドアを勢いよくバタンと閉めた。

｢はぁ～‥。｣

アイツが居なくなった瞬間全身の力が抜けて、俺は崩れるように座った。

｢あつ‥‥。｣

全身が熱くて、
心臓は高鳴ったまま。

全ては恭弥のせいで。

｢いきなりは反則だろ～‥｣

弱々しい声が響く。

胸の高鳴りはなかなか止まなくて、俺はグッと胸を押さえた。

唇にはまだあの感覚が残ってる。

だめだ‥

俺、完全にアイツのペースに乗せられてる。

あのヤラシイど変態のペースに。

俺はもう一度大きくため息を吐いたあと、頭を冷やそうと浴室に入った。

服を脱ぐ途中、また昨日の事が蘇った。

ここを触られた、とか
ここを舐められた、とか
なんかいろいろと鮮明に思い出してしまった俺はさらに顔を火照らせた。

｢なに考えてんだ俺!!
忘れろ忘れろ忘れろ‥｣

自分に言い聞かせるようになんどか呟いて、中に入った。