漆黒の夜に君と。[BL]
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#267 [ちか]
教室に戻っても、胸のざわめきはおさまらなかった。



いや、むしろ余計に苦しくなってモヤモヤした。


なんなんだよ…――
考えれば考えるほど、すげえイライラする…

アイツが教室の前を通る時、俺とすれ違う時、さらには他の奴らがアイツの話をしているのを聞くだけでも胸がズキズキと疼(ウズ)いた。

⏰:09/02/16 18:03 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#268 [ちか]
「冥、お前顔色悪いぞ?」


何限目の休み時間だろうか。
気がつけば目の前に俺を心配そうに見つめる透が居た。

「…え、そう?」

確かに朝礼の後から、苦しさは増すばかりだ。

「お前保健室で寝てな。先生に言っといてやるから。」

そう言って透は俺の頭をぽんぽんと撫でる。

「ん、ありがと…」

俺はそう小さく呟いて教室を出た。

⏰:09/02/16 18:17 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#269 [ちか]
あ゙ー…
なんか頭も痛くなってきたかも。


俺は重たい扉をガラガラとゆっくり開けた。


「あら、どうしたの?」

「なんか体調悪くて…」

「じゃあ寝ていく?一応体温計ってね。」

体温計を渡された俺はフラフラとベッドの方へ歩いた。

⏰:09/02/16 18:37 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#270 [ちか]
「あ、そうそう。」

「え…?」

先生の声に俺は足を止めて振り返った。

「片方のベッドにもう1人寝てる子が居るから、起こさないようにね。」

「あぁ、はい。」


そう返事をして、俺は掴んでいたカーテンを開いた。

⏰:09/02/16 18:40 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#271 [ちか]
カーテンを開けた瞬間、俺は短く大きな声をあげた。


ス―‥ス―‥

ベッドに寝息をたてて眠る恭弥が居たから。


「静かに。日下君は、その隣のベッド使ってね。」

「は、はいっ!!///」


俺はピシャリとカーテンを強く閉めて、隣のベッドに入った。

⏰:09/02/16 18:48 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#272 [ちか]
なんで?!
なんでアイツが寝てんの?!?!


俺はあまりに驚いてベッドにドサッと座り込んだ。


心臓が激しく脈を打つ。
自分にまでその音が聞こえる。
 

⏰:09/02/16 20:24 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#273 [ちか]
ピピピッ‥ピピピッ‥

体温計が機械的な音を響かせた。

「熱あった?」

カーテンを開けて先生が顔を覗かせる。
体温計に目をやるとわずかながら微熱だった。

「微熱だけど上がるかも知れないしゆっくり寝てなさいね。先生、ちょっと用があって出るから。」


先生はそれだけ言って保健室を出ていってしまった。

⏰:09/02/16 20:29 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#274 [ちか]
静まり返る保健室。


ドクドクと脈打つ音が余計に大きく聞こえてくる。


「ん‥――、」


隣から聞こえてきたのは恭弥の声。

(コイツ起きないうちにここから出よ…っ)

俺はソロリとベッドを降りてカーテンを開けた。

⏰:09/02/16 20:34 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#275 [ちか]
が、俺はそこから立つ事も出来ずに停止した。

「ん…冥?…おはよう‥」


寝ぼけた顔で目をこすりながら呟く恭弥。


どうやらさっき起きたみたいで、カーテンを開けて起き上がろうとしていたみたいだ。

⏰:09/02/16 20:41 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


#276 [ちか]
「お、おは、おはよっ!!」


何動揺してんだ俺っ!!//


「なんで冥がここに…?
あれ、僕寝ぼけてる…?」


グイグイと俺の顔を確かめるように近づいてくる。

恭弥の手が俺の頬に触れた瞬間、俺はオーバーヒート。

⏰:09/02/16 20:47 📱:P906i 🆔:kedn8OFA


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