漆黒の夜に君と。[BL]
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#285 [ちか]
どれくらい走っただろうか。
校舎裏に着いた俺は壁伝いにずるずると崩れるように座った。
思い出すのは、さっきの恭弥の顔…
「なんであんな顔されなきゃいけないんだよ…っ!!!」
俺はそう言って両手で顔を覆った。
:09/02/17 19:25 :P906i :1RMuTNrs
#286 [ちか]
胸が締め付けられる。
どうしようもなく切ない
俺はアイツにとってなんなんだ…――?
彼女が居るクセになんで俺にあんな事ばっかり…
考えれば考えるほど胸の締め付けは強くなっていった。
:09/02/17 19:31 :P906i :1RMuTNrs
#287 [ちか]
その頃、恭弥は1人取り残された保健室でベッドに腰かけていた。
「『彼女』ってなんの事なんだ…。」
不機嫌そうに眉を寄せてはそう呟いて俯いていた。
:09/02/17 19:38 :P906i :1RMuTNrs
#288 [ちか]
暫くしてガラガラと扉が開く音がし、恭弥はその音の先を目で辿った。
「君は……――、」
「どーも。」
言葉を遮って軽く頭を下げたのは透だった。
その手には冥の物と思われるカバンが握られている
:09/02/17 19:45 :P906i :1RMuTNrs
#289 [ちか]
「…あの、冥は?」
どうやら部活に出る前に冥にカバンを届けに来たらしい。
「だいぶ前に出ていったよ。」
他人から聞く『冥』と言う響きに、さっきの『彼女』と言う言葉を思い出して恭弥はまた眉間にシワを寄せた。
:09/02/17 19:53 :P906i :1RMuTNrs
#290 [ちか]
その表情に透も何かを察したのか目つきを変えた
2人の間に続く淀んだ沈黙。
「―――……もしかして冥に何かしました?」
冷たい声が室内に響いた
:09/02/17 20:02 :P906i :1RMuTNrs
#291 [ちか]
「………別に。」
「なんですか、その『間』は。」
「僕はしたつもりない。」
「…じゃあ、心当たりはあるんですね。」
「‥‥‥‥‥。」
(分かりやすい奴…。)
睨みあっていた目を逸らして黙りこむ恭弥に透は呆れた顔をして心の中でそう呟いた。
:09/02/17 20:12 :P906i :1RMuTNrs
#292 [ちか]
「別に先輩にどうこう言うつもりはありませんけど、冥の事傷つけたら…」
「傷つけたら?」
「ぶっ殺しますよ。」
目だけが笑っていないその冷たい笑顔を向けて、透はまた扉に手をかけた。
:09/02/17 20:18 :P906i :1RMuTNrs
#293 [ちか]
「君、冥のなんなの?」
透の後ろ姿をキッと睨んで言った。
「……幼なじみですよ。」
そう言い残して透は保健室を去っていった。
:09/02/17 20:27 :P906i :1RMuTNrs
#294 [ちか]
張り詰めた空気の残りが保健室に漂う中、一度大きくため息を吐いて恭弥もその場を後にした。
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気がつけばグラウンドから学生達の声が沢山聞こえてきて、今が放課後だと言う事を知った。
教室に置きっぱなしのカバンを思い出して、俺はそこから立ち上がり、教室へと重い足を運んだ。
:09/02/17 20:38 :P906i :1RMuTNrs
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