漆黒の夜に君と。[BL]
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#318 [ちか]
無意識に俺は恭弥の服の裾を掴みそう言っていた
「冥‥‥?」
「違うんだ…
俺、わかんないけど‥‥、悲しくて泣いてるワケじゃなくて‥‥っ、その…」
まとまらない言葉を必死で並べた。
どうしても伝えたかったんだ。
コイツにこんな顔させたくなくて。
:09/02/18 22:23 :P906i :zV8Xvg6c
#319 [ちか]
「なんか‥‥俺、あんたが付き合ってるって噂聞いただけで苦しくなって、ずっと頭から離れなくて‥‥――
でも“好き”って言われた時、そう言うの全部無くなって‥‥、なんて言うか嬉しかった…。」
言葉に詰まりながらも、俺は必死にそう伝えた。
伝わった‥‥?
ちゃんと伝わってる‥?
なかなか返事が返って来ないのが不安で俺はさらに裾を強く握った。
:09/02/18 22:49 :P906i :zV8Xvg6c
#320 [ちか]
「‥‥言ってる事遠回しすぎ。」
恐る恐る俯いていた顔をあげると、頭をクシャクシャと撫でられた。
「だ、だって‥‥―――」
頭を撫でる大きな手をどけようと俺はその手を掴んだ。
「僕狡いからそう言う言い方されると、良い意味でとっちゃうよ?」
掴んだ手を握りかえされて俺の体は少し熱くなった。
:09/02/18 23:13 :P906i :zV8Xvg6c
#321 [ちか]
「良い意味って‥‥?」
そう聞き返すのとほぼ同時に唇を重ねられた。
「‥‥冥も僕の事好きって意味。」
漆黒の瞳が俺だけを映してる。
:09/02/18 23:19 :P906i :zV8Xvg6c
#322 [ちか]
ドキドキと高鳴る胸が少し苦しい。
でも、
“もっとしてほしい”
そう思った。
コイツの全部が欲しい、と。
‥‥きっと俺も同じ気持ちだから。
:09/02/18 23:26 :P906i :zV8Xvg6c
#323 [ちか]
「それでもいいの?」
俺を覗きこむようにしてそう言う恭弥に、俺は小さく頷いた。
「やった。」
その時、俺はコイツの屈託のない笑顔を見て思ったんだ。
あぁ、
この笑顔を俺だけのものにしたい。
この笑顔の理由になりたい、と。
そして、俺も完全にコイツにハマってると言う事を確信した。
:09/02/18 23:58 :P906i :zV8Xvg6c
#324 [ちか]
それから俺は口づけをされた。
何度も何度も確かめるように。
優しく甘いソレで俺はまたコイツにおちていく。
「保健室の続き…する?」
怪しく微笑むソレに全身が熱くなるのを感じた。
「――‥‥っだ、だめ!!///」
──────‥‥
───‥
それから俺がここで3度頂点を向かえたのは言うまでもないだろう。
:09/02/19 00:05 :P906i :NQ.nzypk
#325 [ちか]
こうして俺達は晴れて
“恋人”
と言う関係になった。
そしてこの日から俺は、
コイツを“恭弥”と呼ぶようになったんだ。
しかし長い漆黒の夜には
嵐が吹き荒れる事もある
:09/02/19 00:19 :P906i :NQ.nzypk
#326 [ちか]
その“嵐”は、
俺達がそう言う関係になった3日後の月曜日、突然襲ってきたのだった‥──
:09/02/19 00:22 :P906i :NQ.nzypk
#327 [ちか]
月曜の朝、教室に入ると中はやけに騒がしかった。
「なに騒いでんのー?」
俺はその群れの中にひょいっと顔を覗かせて聞いた。
「おー、日下じゃん。
うちのクラスに転校生だって!!」
目を輝かせながらそう言うクラスメイトの北川。
:09/02/19 00:34 :P906i :NQ.nzypk
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