漆黒の夜に君と。[BL]
最新 最初 全
#481 [ちか]
既に席に着いている二人
恭弥の隣にはあの豹変野郎(優里)が俺を睨みつけながら座っていた。
「遅ぇんだよ、このノロマ。」
あー朝からコイツまじむかつく。
「優里。」
「‥‥‥‥。」
んで、相変わらずコイツは恭弥に弱いわけか。
:09/03/08 15:55 :P906i :tngQJOh2
#482 [ちか]
いつもよりやけに静かだ
時々なる食器の音がやたら大きく感じる。
うん、なんか豹変野郎に見張られてる気がして落ち着かないんだよな。
飯も不味くなる。
いや、上手いけどさ。
なんか食欲なくなるんだよ。
:09/03/08 16:07 :P906i :tngQJOh2
#483 [ちか]
車の中でもその静かささは同じだった。
恭弥 優里 俺
の順番で俺達は位置づいている。
触れることも喋ることも
出来ない。
誰かこの番犬並みの威圧を持つコイツをどうにかしてくれ‥‥。
:09/03/08 16:19 :P906i :tngQJOh2
#484 [ちか]
>>483訂正
静かささ→×
静けさ→○
すいません><
:09/03/08 16:20 :P906i :tngQJOh2
#485 [ちか]
>>482訂正
上手いけど→×
美味いけど→○
すいません
:09/03/08 21:20 :P906i :tngQJOh2
#486 [ちか]
>>483「じゃあまた放課後にね」
「…うん。」
会話をしたのはこれだけ
いつも以上に淡白だ
恭弥と別れた俺(達)は階段を上がり教室へと足を進める。
「なぁ、そろそろその目やめてくんない?」
背中に痛いくらいの視線を感じながら俺は言った
:09/03/08 21:26 :P906i :tngQJOh2
#487 [ちか]
「あ゙ぁ?俺に指図すんじゃねえよ、この‥‥」
その時、
「あ、黒羽くん!おはよーっ♪」
下から声をかけてきた同じクラスの女子。
「おはよ!」
‥‥うん、爽やかな笑顔でそれに応えたのは優里
コイツ、二重人格か?
「ちげえよ、馬鹿野郎。」
:09/03/08 22:10 :P906i :tngQJOh2
#488 [ちか]
なにコイツ人の心読め…
「全部口に出てんだよ。」
「あ、まじ?」
つい本音が。
どうやら女子は爽やかな笑顔に悩殺されて教室に走っていったらしく、いつの間にか階段には俺達2人だけになっていた。
:09/03/08 22:16 :P906i :tngQJOh2
#489 [ちか]
「お前さあ、なんで俺の前だけそう豹変すんの?」
「あ゙?んな事お前に答える…「やっぱ二重人格「ちげえよっ!!!!!」
素早い反応…
コイツ猿並みだな。
「これは‥‥‥兄貴のためだ。」
:09/03/08 22:30 :P906i :tngQJOh2
#490 [ちか]
「へ?」
兄貴って恭弥だよな?
なんで恭弥のため?
予想外の理由に俺は思わず拍子抜けした声を漏らした。
「俺が…こんな性格だって知れたら……兄貴も立場悪くするかも知れねーだろーが。」
そう言って優里は照れ隠しするように頭をかいた
:09/03/08 22:58 :P906i :tngQJOh2
#491 [ちか]
「‥‥‥‥‥‥ぷっ、あははは!!!」
「な、なにが可笑しいんだよ?!?!笑うなっ!!//」
「や、だって‥‥ぷっ」
「笑うなっつってんだろーが!!!!」
だって‥だってさあ、
「お、お前筋金入りのブラコンじゃん、あはは!!」
:09/03/08 23:10 :P906i :tngQJOh2
#492 [ちか]
「はぁ?!?!」
「だって、兄貴の立場のためにわざわざ性格変えて…、しかも昨日抱きついてたし…どう考えてもブラコンじゃん!!」
「意味わかんねーし!!
俺はただ兄貴が好きなだけだ!!(誤解を招く言動)」
「それをブラコンっつーんだよ!!」
「うるせー馬鹿!!!!」
繰り広げられる大喧嘩。
この時、幸い誰もここら辺を通ってなかったからコイツのキャラは守られたものの、普通じゃこの時点でバレバレだったと思う。
:09/03/08 23:31 :P906i :tngQJOh2
#493 [ちか]
しかし一歩教室に入ればコイツはやっぱり豹変した。
俺に向けた刺々しい表情は何処へ行ったのやら、爽やかで屈託の無い笑顔でクラスに溶けこんでいく。
いつの間にか俺は放ったらかしだ。
:09/03/09 16:52 :P906i :QJ4p4rAQ
#494 [ちか]
「おっ、転校生もう馴染んでんじゃん。」
「あ、透。」
俺の頭に手を乗せて向けられれる優しい笑顔。
「…俺はこっちの笑顔の方が好きだな。」
「は?」
「いや、こっちの話!」
何故だろう。
アイツの作る笑顔が、寂しげに見えるのは。
:09/03/09 17:55 :P906i :QJ4p4rAQ
#495 [ちか]
しかし、遺伝子と言うのは恐いものだ。
さすが恭弥の弟、とでも言おうか。
1限目から5限目の授業
優里に答えられない問題は無かった。
金髪にピアスと言う、どう見ても馬鹿そうな見た目とは裏腹にアイツはなんでも出来る、言わば天才。
:09/03/09 18:04 :P906i :QJ4p4rAQ
#496 [ちか]
6限目の体育でもその天才ぶりは発揮され、俺を筆頭にクラスの男子全員がアイツの運動神経の良さに脱帽した。
アレか?
転校生=イケメンで頭良くて運動神経抜群
って言うマンガにでも出てきそうな王子様キャラを、アイツは格率しようとしてるのか?
でも俺は知っている。
コイツが究極のブラコンだと言うことを‥‥‥
:09/03/09 18:13 :P906i :QJ4p4rAQ
#497 [ちか]
「はあぁ?!
2人で帰れ?!?!」
俺達以外誰も居ない放課後の教室に、優里の声が響き渡る。
「いちいちデカい声出すなよ、うるさいなあ。」
「なっなんで、兄貴は?!」
「委員会と資料がどうのこうのって。
遅くなりそうだから、先に2人で帰れってさ。」
:09/03/09 18:19 :P906i :QJ4p4rAQ
#498 [ちか]
「あからさまに嫌な顔すんのやめろよな。」
ブラコンにとって、兄貴も居ないのに俺と2人で帰ると言う事は相当な苦痛らしい。
「何が悲しくててめえなんかと帰らなきゃなんねーんだよ!!俺は1人で帰るからいい!!」
俺だって出来る事ならそうしたいっつーの。
ただアイツが‥‥―――
:09/03/09 18:30 :P906i :QJ4p4rAQ
#499 [ちか]
――――‥‥20分前
「え?!?!2人?!?!」
2人で帰ってくれと言われた時、案の定、俺も最強に嫌な顔を恭弥に向けた。
「ごめんね。委員会とその資料の整理で遅くなりそうなんだ。」
「えー…。」
:09/03/09 18:35 :P906i :QJ4p4rAQ
#500 [ちか]
「優里はひねくれてるけど、根はいい子なんだよ。口は悪いけど…仲良くしてやってよ。ね?」
恭弥はそう言って、眉を寄せて苦く微笑んだ。
なんでそんな顔するんだよ。
そんな顔されたら、俺…
「…………わかったよ…」
そう言うしか無いじゃんか。
:09/03/09 18:43 :P906i :QJ4p4rAQ
#501 [ちか]
そして今に至るワケだ。
さて、このブラコンをどうやって車に乗せようか
「俺は絶対てめえなんかと帰らねーからな!!!
てめえと帰るくらいなら、そこらで野宿する方がマシだ!!!!」
トランクにでもぶちこんでやろうか、この野郎。
:09/03/09 18:50 :P906i :QJ4p4rAQ
#502 [ちか]
「お前の大好きな兄貴に頼まれてんだよ。兄貴の頼みなのに聞けねーの?」
「………………………さっさと帰るぞノロマ!!!!」
ノロマノロマ言うな、このブラコン豹変野郎!!!
と、口に出してしまいそうだった言葉を飲み込んで俺も車に乗った。
:09/03/09 19:29 :P906i :QJ4p4rAQ
#503 [ちか]
張り詰めた沈黙は家までの道のりをより長く感じさせた。
やっとの事で黒羽邸に着いた俺(達)は、お互いその沈黙を保ったまま階段を上がり、部屋に向かった。
ん?
待て待て。
コイツの階はもう一つ上だろ?
:09/03/09 19:56 :P906i :QJ4p4rAQ
#504 [ちか]
「‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥。」
おいおい。
部屋の前着いたんだけど
なんでお前はまだ俺の後ろに居るの?
なんで俺の部屋の前でお前も足止めてんだよ。
:09/03/09 20:14 :P906i :QJ4p4rAQ
#505 [ちか]
ガチャ‥
ドアノブの回る音が廊下に響いた。
「‥‥‥‥‥なんだよ。」
「別に。」
「ふーん。じゃ、俺部屋入るし、お前も‥‥」
そう言ってドアを閉めようとした時。
ガシッ
「なっなんだよ?!」
なんでドア掴むわけ?!
:09/03/09 20:19 :P906i :QJ4p4rAQ
#506 [ちか]
「べ、べつに?!?!」
「ならドア離せよっ!!!」
「無理っ!!!!」
「はぁ?!なんでだよ?!?!」
なに、なんのコイツ!!
ついに頭おかしくなった?!?!
「ひ、一人嫌なんだよ!!!」
‥‥‥‥‥‥は?
:09/03/09 21:04 :P906i :QJ4p4rAQ
#507 [ちか]
>>506訂正
なんのコイツ→○
なんなのコイツ→×
すいません><
:09/03/09 21:06 :P906i :QJ4p4rAQ
#508 [ちか]
がっちりと掴まれたドア
いつになく必死な顔
なに、お前、それ‥‥
「本気‥‥?」
:09/03/09 21:15 :P906i :QJ4p4rAQ
#509 [ちか]
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥わりぃかよ…。」
俯く優里。
唖然とした顔の俺。
「ぷっ、「笑うなっ!!!!//」
だって…
あんな偉そうな態度で
実は寂しがりとかさあ…
ギャ、ギャップが…ぷっ
:09/03/09 21:27 :P906i :QJ4p4rAQ
#510 [ちか]
「いいから入れろよノロマ!!!///」
「おわっ!!」
バタンっ!!
ブラコン寂しがり屋豹変野郎は強引なようです。
ぷっあはははは!!!!
「笑うなっつってんだろーがあ!!!!///」
:09/03/09 21:38 :P906i :QJ4p4rAQ
#511 [ちか]
俺は真っ赤な優里を見ながら必死で笑いをこらえた。
「お、お前さあ…そのギャップどうにかなんない?!」
「うるせえっ!!!///」
「いてっ!!!殴んなよ!!」
照れ隠しに暴力かよ。
:09/03/09 21:52 :P906i :QJ4p4rAQ
#512 [ちか]
頭を擦りながら言う俺をよそに、優里はドカッとソファーに腰かけた。
やっぱりその偉そうな態度とさっきの態度が一致しない。
あ、やべ笑い堪えられなくなってきたかも。
「だ、だいたい、なんでお前家に住んでんだよ!!!」
うん、それはいい質問だ。
でも簡単に言うと、お前の兄貴に半強制的に住まされてんだよ。
:09/03/09 22:13 :P906i :QJ4p4rAQ
#513 [ちか]
とは、さすがに言えない
「‥‥‥‥‥‥。」
なんて言おうか。
俺が言い訳を探していると、痺れを切らした優里は俺の言葉を聞く前に口を開いた。
「やっぱり、アレか。」
:09/03/09 22:19 :P906i :QJ4p4rAQ
#514 [ちか]
「お前…まさか気づいてたのか‥‥?」
恭弥と俺が“そう言う関係”だと言うことを。
「当たり前だろーが。」
ま、まじで‥‥‥?
:09/03/09 22:28 :P906i :QJ4p4rAQ
#515 [ちか]
言われて見れば、
昨日だって一つ屋根の下で“あんな事”してたワケだし…。
もしかして、恭弥の態度とか俺の態度見て気づいたのかも…。
家じゃ学校より気抜いてたし、関係がバレてもおかしくない…。
:09/03/09 22:49 :P906i :QJ4p4rAQ
#516 [ちか]
「ご、ごめん俺…っ「ウチの財産が目当てなんだろ」
はい?
:09/03/09 22:51 :P906i :QJ4p4rAQ
#517 [ちか]
「は?」
「とぼけんな。兄貴にどうやって取り入ったのかは知らねーけど、俺まで誤魔化せると思うなよ?」
いやいや。
誤魔化すもなにも…
俺は思ってもみなかった言葉にただ呆然とした顔で立ち尽くした。
「否定しねーとこを見ると図星みたいだな。」
:09/03/09 22:57 :P906i :QJ4p4rAQ
#518 [ちか]
「や、違うけど…」
「じゃあ説明してみろよ」
「‥‥‥‥‥。」
どう説明したらいい?
淡白で、それでいて複雑なこの関係を。
「言えねーじゃねえかよ」
悔しい。
:09/03/09 23:14 :P906i :QJ4p4rAQ
#519 [ちか]
「とにかく俺は兄貴を守る。お前なんかさっさとこの家から追い出してやるから覚悟しとけよ。」
ビシッと人差し指を俺に向けながら睨む瞳。
思わず怯んでしまい、何も言えなかった。
と、その時。
コンコン.
「冥?優里もそこに居るの?」
ノック音と恭弥の声。
:09/03/09 23:18 :P906i :QJ4p4rAQ
#520 [ちか]
ドアが薄く開くと、そこからひょっこりと出された恭弥の顔。
「あ、居た居た。」
優しい笑顔に、俺は表しようのない安心感を得た
「おかえり!」
後ろから放たれる明るい声色。
:09/03/09 23:24 :P906i :QJ4p4rAQ
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194