漆黒の夜に君と。[BL]
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#517 [ちか]
「は?」

「とぼけんな。兄貴にどうやって取り入ったのかは知らねーけど、俺まで誤魔化せると思うなよ?」


いやいや。
誤魔化すもなにも…

俺は思ってもみなかった言葉にただ呆然とした顔で立ち尽くした。

「否定しねーとこを見ると図星みたいだな。」

⏰:09/03/09 22:57 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#518 [ちか]
「や、違うけど…」

「じゃあ説明してみろよ」

「‥‥‥‥‥。」


どう説明したらいい?
淡白で、それでいて複雑なこの関係を。


「言えねーじゃねえかよ」


悔しい。

⏰:09/03/09 23:14 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#519 [ちか]
「とにかく俺は兄貴を守る。お前なんかさっさとこの家から追い出してやるから覚悟しとけよ。」


ビシッと人差し指を俺に向けながら睨む瞳。


思わず怯んでしまい、何も言えなかった。

と、その時。

コンコン.

「冥?優里もそこに居るの?」

ノック音と恭弥の声。

⏰:09/03/09 23:18 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#520 [ちか]
ドアが薄く開くと、そこからひょっこりと出された恭弥の顔。

「あ、居た居た。」

優しい笑顔に、俺は表しようのない安心感を得た

「おかえり!」

後ろから放たれる明るい声色。

⏰:09/03/09 23:24 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#521 [ちか]
「ただいま。」

返される優しい笑顔。

この笑顔はみんなに平等?
分かってる。俺のモノじゃないんだよな…。

「兄貴、そっちの部屋行っていい?」

ニコニコと笑う優里。

⏰:09/03/09 23:30 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#522 [ちか]
「あ…ごめん、今から出掛けなきゃいけなくて…」

「えー…なんで?」

口を尖らす優里。

え、じゃあ俺またコイツと2人っきり?!
耐えられないって…

「ちょっとこの前の商談の続きがあってね。」


ん?商談?
て事は‥‥――!!

⏰:09/03/09 23:42 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#523 [ちか]
「お、俺も行く!!!」

「「え?」」

2人の視線が一気に集中する。

「挨拶も無いままバイト辞めちゃったし…荷物とかあるし‥‥‥だめ?」

俺は恐る恐る恭弥を見る

恭弥は暫く考えるような顔をしたあと、
「いいよ。」と、返事をくれた。

⏰:09/03/09 23:47 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#524 [ちか]
「やったあ!!」

いい機械だ。
ちゃんと店長に挨拶して、お礼を言おう。

ついでにこのギャップの激しい奴とも離れられて好都合だ。

「俺も一緒に行く…っ!!」

喜ぶ俺とそれを見て微笑む恭弥の間を割って入るような声。

⏰:09/03/10 00:50 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#525 [ちか]
「優里、お前はダメだ。」

なんの躊躇もなく恭弥は優里を見据えてそう言った。

「なんでコイツは良くて俺はダメなんだよっ!!!!」

「それはお前が一番良く分かってるだろ?」

「でも…っ「優里。」

いつもは優しく慰めるように言う筈なのに、この時は違った。
優里の言葉を遮って、最後までOKを出さなかった

⏰:09/03/10 00:55 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#526 [ちか]
「兄貴の馬鹿…―っ!!!!」

吐き捨てるようにそう言って優里は部屋を飛び出していった。

部屋に流れ出す沈黙。

恭弥もそれをかき消すように、
「じゃあ、下で待ってるから。」
と微笑んでドアを閉めてしまった。


だけど、なんでそんな悲しそうに笑うんだろう…

⏰:09/03/10 14:45 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


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