漆黒の夜に君と。[BL]
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#661 [ちか]
「冥、誤解しないで。
神楽は僕の幼馴染みだ。」


幼ななじみ‥‥?


「まぁ、簡単に言えばそうなりますが‥‥」

「簡単に言わなくてもそうだ。会うのは久しぶりだけど。」

どう言うこと?

⏰:09/03/16 15:56 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#662 [ちか]
「だいたい、お前が来るなんて僕は一言も聞いてないよ。」

ため息混じりにそう言って恭弥は目線を神楽さんに落とした。


「‥‥‥‥‥‥‥‥私、
家を出てきたんです。」


俯いたまま、そう言った声はか細かった。

⏰:09/03/16 17:58 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#663 [ちか]
「‥‥だと思った。今度はなんで?」

恭弥のなんでと言う問いに神楽さんの肩が急に震えだした。
泣いてるのか‥‥?

「だっ、だって…―――
お父様が‥‥っ!!!!」

声まで震えてる。

俺は小刻みに震える神楽さんを見ながら、酷く心配な気持ちになった。

「また始まった‥‥。」

「え?」

ぼそりと呟かれたその声同様、恭弥の顔は鬱陶しそうな表情で曇っていた

「お父様が…――っ!!!」

⏰:09/03/16 18:12 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#664 [ちか]
勢いよく上げられた顔は
泣いているどころか、
怒り狂っているように見えた。

「私は恭くん以外の方と結婚する気など無いと何度も申していますのに!!!!」

「冥…出来るだけ守るけど、気を付けてね…。」

「え、何それどう言う…―ひっ?!?!」

何かが勢いよく俺の顔のすぐ隣をかすめた。

フォ、フォーク?!?!

これさっきメイドの人が運んできたご飯の‥‥?!
でもテーブルの上の皿に乗ってたはずじゃ‥‥
あれ、無い?!

⏰:09/03/16 18:26 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#665 [ちか]
「懲りもせずに自分の部下を連れてきては婿にしろ婿にしろ、と‥‥―――っ!!!!」

神楽さんが喋る度に、部屋の中にあるものが潰れていく。

正しくは、神楽さんが喋ると同時に身の周りにある物を片っ端から掴んでは、素手で潰している……。

「私はそんな野蛮な輩は嫌だと申してますのに!!」

「ひゃ…っ!!!?」

飛んでくる物達。
恭弥が引っ張ってくれたおかげで今助かった。

⏰:09/03/16 18:32 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#666 [ちか]
「あまりにしつこいので、家を出てきたんです!!!!」

荒々しく放たれたその言葉を最後に、飛んでくる物は終わった。

いや、もう投げれるほどの物が部屋に残っていなかっただけなのかも知れない。

もうこの部屋に原型をとどめている物はなかった。

⏰:09/03/16 18:41 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#667 [ちか]
疲れたのか、神楽さんは言い終わったあとペタンとその場に座り込んだ。


「あー…また派手にやったね。」

苦笑いを浮かべる恭弥。

また、って‥‥
これよくある事なの…?!

「ご、ごめんなさい…。」

神楽さんからは、さっきの怒った表情がすっかり消えてもとのおっとりとした雰囲気に戻っていた。

⏰:09/03/16 19:43 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#668 [ちか]
「あ、あのー‥」

ちんまりと座りしゅんとしている神楽さんと腕を組んで眉を寄せる恭弥。


俺の声はそんな2人の間を割るように小さく声を出した。


それに反応した2人から俺は一気に視線を浴びる

⏰:09/03/16 21:56 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#669 [ちか]
>>668訂正
俺の声は…×
俺は…  ○
すいませんД`

⏰:09/03/16 22:07 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#670 [ちか]
「あ、改めてちゃんと説明するね。
この人は九谷神楽。
僕の幼馴染みで神楽のお母さんは日本で5本の指に入る茶道家なんだ。」

「へえー‥」

それで喋り方とかも丁寧なのかな?
そう言えば着物姿きれかったなあ。
だいぶ濡れてたから今は着替えたのかワンピース姿だけど。

けど茶道してる人って、
こう…もっと大人しい感じのイメージが‥‥‥、

「それから、」

⏰:09/03/16 22:23 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


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