漆黒の夜に君と。[BL]
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#708 [ちか]
気づいた時にはもう既に遅かった。
見上げるとそこに立っていたのは‥‥、
「「か‥ぐら…」さん…?」
恭弥と声が重なった。
「いッ…いぃいやあぁああッ!!!!!!!」
見 ら れ た ・ ・ ・ ・ 。
:09/03/18 15:46 :P906i :.uF.NUH2
#709 [ちか]
響き渡る神楽さんの悲鳴
鼓動が瞬時に速くなった
頭が真っ白になって、
声すらも出なかった‥‥
このあと、俺の部屋は神楽さんの手によって半壊状態になった事は言うまでもないだろう。
そんな事より今は‥‥‥
「め、め、め、冥さんは…そ、その‥――」
この状況をどうにかしなきゃ、その事で頭がいっぱいだった。
:09/03/18 21:33 :P906i :.uF.NUH2
#710 [ちか]
どうやら神楽さんはパニックになっても力をコントロール出来なくなるようだ。
半壊と言う形でおさまった部屋に座りこむ俺と恭弥と神楽さん。
これぞまさに修羅場だ…
手が震える。
どうしよう…どうしよう
:09/03/18 21:52 :P906i :.uF.NUH2
#711 [ちか]
まさか恭弥とあんなことをするなんて思ってなかったもんだから、ドアに鍵をかけることをすっかり忘れていた。
今更ながら、後悔の気持ちでいっぱいだ…
俯きながらチラリと横目で恭弥を見ると、事の発端とも言える当の本人はすました顔で神楽さんを見ていた。
「た、た、確かに恭くんは凄く素敵な方だと、お、思います…。ですがっ…その‥冥さんは細身ですし可愛いらしいお顔ですが…お、男の子でして……、」
:09/03/18 22:47 :P906i :.uF.NUH2
#712 [ちか]
神楽さんの肩が小刻みに震えてる。
そりゃ、自分の好きな人が押し倒されてて、ましてやその相手が男だったら、震えたくもなるよな…
返す言葉が無かった。
手に汗がじんわりと滲んでいく。
「おッ、男の子同士が…っその‥ああ言った行為をなさるのは‥‥その‥」
いっその事、この場から消えたいとさえ思った。
:09/03/18 22:58 :P906i :.uF.NUH2
#713 [ちか]
そんな中、
この気まずい空気を裂くような通った声が隣で響いた
「神楽。」
たった二文字の言葉だけど、俺も神楽さんもその声に身体をビクリと跳ねさせた。
:09/03/18 23:09 :P906i :.uF.NUH2
#714 [ちか]
「は、はい…?」
神楽さんが細い声で返事をする。
それと同時に鼓動が一気に速さを増していくのが分かった。
これは、どうしようもなく沸き上がる不安。…―
:09/03/19 00:27 :P906i :mlPc9IaA
#715 [ちか]
ねぇ恭弥。
その次はどんな言葉が用意されてる…?
:09/03/19 00:33 :P906i :mlPc9IaA
#716 [ちか]
用意されているのは、
俺を守るフォローの言葉か、
神楽さんとの関係を守る言葉か。
解ってる。
俺はこの1、2ヶ月の間に出逢った仲で、神楽さんは昔からの幼馴染みだと言うことくらい。
…用意された答えは、
どう考えても後者だろう
:09/03/19 00:40 :P906i :mlPc9IaA
#717 [ちか]
「僕は、」
言わないで。
それが例え、神楽さんを落ち着かせる為のその場凌ぎの言葉だとしても、聞きたくないよ…
気持ちを否定されるのが、怖い。
その一瞬でも、例え嘘でも、胸が張り裂けそうになる。
俺は恭弥の声を拒否するように俯き、小さく震えた。
:09/03/19 11:50 :P906i :mlPc9IaA
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