漆黒の夜に君と。[BL]
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#794 [ちか]
「目が覚めたのですね。」

襖からにこにこした笑顔を向け、こっちに歩いてくるのは神楽さんだった

「あ、あのここは‥‥??」

「私が用意した場所ですのでご安心を。」

神楽さんはキョロキョロと周りを見る俺に微笑みかけた。

ご安心をって‥‥安心出来るわけないじゃん!!!!
俺、これからどうなるわけ?!?!

不安で仕方ない俺は近寄ってくる神楽さんから一歩、また一歩と座ったまま退いていく。

⏰:09/03/27 14:16 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#795 [ちか]
「警戒しないでください。少し手荒な真似だったかも知れませんが…」

困ったように笑う神楽さんに俺は疑いの目を向ける。

だって警戒しない方がおかしいだろ?!
ある意味誘拐だ、こんなの!!!

そんな事を考えながら口をパクパクさせていると、再び襖が開いた。

⏰:09/03/27 14:23 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#796 [ちか]
開いた襖から顔を覗かせたのは黒いスーツを着た強面の男の人。

「お嬢、「その呼び方やめなさいと言ってるでしょう。」

一瞬柔らかい口調が刺々しくなる。

俺が推測するに、たぶんお父さん絡みの…つまりヤクザ関係の人だと思う

⏰:09/03/27 14:30 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#797 [ちか]
冷ややかな口調に黒いスーツの人は頭を少し下げると、
「すいません…。」
とだけ呟いた。

それを見て神楽さんは小さくため息をつくと、もとの柔らかい口調で話し始めた。

「それで、何か御用ですか?」

「はい。もう少しで恭弥様がご到着するようです。」

…え?

⏰:09/03/27 14:36 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#798 [ちか]
「そうですか。ご苦労様です。」

「いえ。それではまた後程。」
それだけ言うと襖はまた静かに閉まった。

‥‥‥て言うか、
「恭弥も来るんですか?!」

俺は神楽さんを見上げながら声を張り上げた。

「もちろんです。
最終的にこの勝負の勝敗を決めるのは恭くんですから。」

当たり前のような顔でそんな事を言う神楽さんを目の前に俺はますます混乱した。

⏰:09/03/27 14:43 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#799 [ちか]
「勝負、勝負って‥‥一体何するんですか?!?!」

今の状況に俺の頭は全くついていかず、半ば半泣きの状態だった。

「あぁ、勝負内容を申してませんでしたね。私とした事が‥すいません。
ですが、冥さんは何もしなくて良いのです。」

「へ‥?」

「ここはあるビルの最上階です。恭くんが着き次第、勝負は始まります。
私も恭くんも、ここからモニターを見てるだけでいいんです。簡単でしょう?」

⏰:09/03/27 14:53 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#800 [ちか]
>>799訂正
私も恭くんもここから×
私も冥さんもここから○
すいません><、

⏰:09/03/27 14:55 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#801 [ちか]
簡単と言えば簡単だけど…そんなのが勝負なのか‥?

俺は解せない顔で神楽さんを見つめた。

「全てを決めるのは恭くんです。
恭くんには‥どれだけ冥さんを愛してるのか試させてもらいます。
もし、恭くんが最上階のこの部屋まで来ることが出来たら、冥さんの勝ち。
出来なかったら私の勝ち。
冥さんが勝ったら私は潔く身を引きます。
ですが、私が勝った時、冥さん。貴方が身を引いてください。」

神楽さんの顔は再び真剣な表情へと変わっていた

⏰:09/03/27 15:00 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#802 [ちか]
「そ‥そんな勝負アリなんですか?!試すなんて‥、俺そんな勝負受けません!!」

俺は立ち上がり、そう声を張り上げた。

神楽さんの真剣な眼差しを見る限り、“試す”には何か危ない匂いがする

これ以上、恭弥に迷惑かけられない……っ

俺は早くここから出て行こうと襖へ歩みを進めた

⏰:09/03/27 22:57 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


#803 [ちか]
「いいんですか?」

冷静を保ったままの声に、俺は襖に手をかけた時足を止めた。

「どう言う意味ですか…?」
振り返らずに口を開いた

「冥さんがこの勝負を受けないのなら、私は身を引きません。」

余裕な口調が解せない。

⏰:09/03/27 23:08 📱:P906i 🆔:Kttm89gw


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