漆黒の夜に君と。[BL]
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#877 [ちか]
「でもね、僕にとっては神楽も大切な人なんだよ。
種類は違うけど大切な人に変わりはない。これからもずっと。
遠くへなんか行かないから、いつでも近くに居るから安心してよ。」

そう言うと恭弥は神楽の大きな瞳に溜まった涙を人差し指で拭った。


まるで神楽さんが恋をしたあの日(トキ)のように。

⏰:09/04/02 20:15 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#878 [ちか]
そのあと、恭弥は神楽さんが泣き止むまでずっと傍で背中を擦っていた。


そんな2人を俺は後ろから見るしかなかった。
ちょっと妬いたけどさ、邪魔するほど俺だって空気読めない奴じゃないし。


暫くして神楽さんは泣き止むと俺に深々と頭を下げて謝ってきた。

⏰:09/04/02 20:24 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#879 [ちか]
「冥さん、本当にすいませんでした…」

「や、頭上げてくださいよ!!もう全然気にしてないですって!!」

改めてこう言われると困るよな。

俺の言葉を聞いてゆっくりと頭をあげると神楽さんは柔らかい笑みを俺に向けた。

「ありがとうございます。
しかし、勝負の結果は私の負けです。
これからは私もお二人のために協力しますっ!」

協力って一体‥(笑)

張りきる神楽さんを流すように俺はヘラヘラと笑った。

⏰:09/04/02 20:35 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#880 [ちか]
玄関まで神楽さんの見送りを受けて、俺と恭弥は松山さんの待つ車に乗り込んだ。


沈黙が続く。


別に気まずいわけじゃない。
ただ、『ありがとう』を言うべきか『ごめん』を言うべきか、どっちを先に言うかでずっと悩んでいるのだ。

⏰:09/04/02 20:50 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#881 [ちか]
悩みに悩んだ結果、ありがとうを先に言おうと決めた俺は恭弥の名前を呼んだ。

「きょッ恭弥っ!!」

やべ、声ちょっと裏返った///

そんなことを気にしている中、一向に恭弥の返事が返っててこない。

チラリと恭弥を横目で見てみる。

「‥‥‥‥あ、」

⏰:09/04/02 21:02 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#882 [ちか]
恭弥はかすかに寝息をたてながら眠っていた。


そりゃそうだよな。

いくら恭弥でも、あんだけ大人数の相手したら疲れるよな。


俺は恭弥を起こさないようにそっと近くに寄った

⏰:09/04/02 21:07 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#883 [ちか]
すぐ近くに、俺を助けに来てくれた大好きな人が居る。


ちょっとでも感謝の気持ちが伝わればいいな‥

そう思って、高鳴る胸をおさえながら顔を恭弥の頬に近づける。

「ありがと‥‥//」

チュ.

小さく呟いて唇を落とした。


その時。

⏰:09/04/02 21:11 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#884 [ちか]
「こんなんじゃ足りない」

「へっ?!!?///」

目線を上に上げると、妖艶な笑みを浮かべた恭弥が居た。

「な‥ッ!!!起きてたのかよ!!////」

「目瞑ってただけだったんだけど。」

クスッと笑う恭弥がちょっと色っぽい。

⏰:09/04/02 21:16 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#885 [ちか]
「ずっズルいってそんなの!!!///」

今さら自分のしたことが恥ずかしくなって赤面した。

「ズルい‥?クスッ
人が寝てるの見計らってキスしてきた冥の方がズルいと思うけど?」

ドン…ッ

急に体重をかけられて押し倒された。

⏰:09/04/02 21:24 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#886 [ちか]
「悪い子にはお仕置きしなきゃ。」

甘く低い声に、
鼓動も速く大きくなっていく。

「やっ…やめ…ッ!!///」

「やだ。」

怪しく微笑むその顔すらやっぱり愛しく思えてしまう。


結局、俺はいつまで経っても恭弥のペースから抜け出せないんだよなぁ…

  ― 第四話 e n d ―

⏰:09/04/02 21:42 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


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