漆黒の夜に君と。[BL]
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#94 [ちか]
「冥様、お鞄を。」
「ど、どーも..」
メイドに手渡された鞄も新品。中身も全部。ついでに靴まで。
「「行ってらっしゃいませ」」
両サイドにびっしりと並ぶ執事とメイドが声を揃えてそう言うと、さすがに迫力があった。
:09/02/03 22:20 :P906i :Z2RBanbU
#95 [ちか]
執事の人が玄関の扉を開けると、昨日よりはだいぶ短いリムジン。
「どうぞ、お乗りください。」
そう言って執事がドアを開けてくれた。
金持ちはこれが普通なんだよなぁ..。
:09/02/03 22:25 :P906i :Z2RBanbU
#96 [ちか]
車にエンジンがかかると、この糞広い庭を走り出した。
車内は無言。
そして中途半端な距離感。
:09/02/03 22:29 :P906i :Z2RBanbU
#97 [ちか]
「警戒してるの?」
ビクッッ!!!
沈黙の中での突然の問いかけに過剰反応してしまった。
「あ、当たり前だろっ!!」
目を合わせずにそう言うと、目の前にあったパンをおもむろに口へと運んだ。
:09/02/03 22:36 :P906i :Z2RBanbU
#98 [ちか]
また続く沈黙。
張り詰める空気。
なぜか焦ってパンを頬張り続ける俺。
「んっ!!・・・ゴホッ、ゲホッ!!」
の、喉につまった!!(汗)
:09/02/03 22:40 :P906i :Z2RBanbU
#99 [ちか]
なんか飲みもん!!!!
「ゲホッゴホッ!!!///」
なにしてんだ俺!//
恥ずかし..
「なにしてんの・・はい、水。」
少し呆れたような笑みを浮かべて水を差し出す恭弥。
:09/02/03 22:45 :P906i :Z2RBanbU
#100 [ちか]
俺はそれを奪い取るようにして受け取ると、一気に飲み干した。
「あー、苦しかった・・・」
やっと落ち着いた俺はため息をこぼした。
「冥見てると飽きないな。」
笑いながらそう言われた。
「・・・嬉しくないっ」
俺はすねた口調で返した。
:09/02/03 22:50 :P906i :Z2RBanbU
#101 [ちか]
「あはは、やっぱり可愛い。」
「それも嬉しくないっ!!!」
「あはは」
「笑うなっ!!」
そんな言い合いを続けていると、
「恭弥様、もう少しで到着でございます。」
と運転手の人が言った。
:09/02/03 22:55 :P906i :Z2RBanbU
#102 [ちか]
そして数分後。
静かに車が停まった。
ガチャ
「行ってらっしゃいませ。」
「ありがとう。」
「それではまた帰りにお迎えにあがります。」
そう言って車は再び走っていった。
:09/02/03 22:58 :P906i :Z2RBanbU
#103 [ちか]
毎日こんな事してもらってたのかあ。
そりゃ、遅刻常習犯の俺が恭弥と会わないわけだ。
そんな事をぼんやり考えていると、
「じゃ、また帰りにね。」
と言って恭弥はスタスタと先に歩いていった。
:09/02/03 23:02 :P906i :Z2RBanbU
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