クソガキジジイと少年。みそ汁編
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#51 [ザセツポンジュ]
キュウは
今まで溜めていた涙が
こぼれ落ちた。
大きな口を開けて
目を
鼻を
真っ赤にさせて。
『きーさんのうそつき!うわーん!』
きーさんは
キュウの背中を優しく撫でた。
『ほんとうじゃ。キュウ。』
:09/02/18 02:56
:W61S
:QP.UDvFQ
#52 [ザセツポンジュ]
きーさんは
知っていたのだ。
きーさんだけではない。
大人達は
みんな知っていたのだ。
キュウのお母さんは
この先ずっと
マンションには
絶対に帰って来ないと言う事を。
:09/02/18 02:57
:W61S
:QP.UDvFQ
#53 [ザセツポンジュ]
だけどキュウは
帰って来ると
信じていた。
待っても待っても
帰って来ない
お母さんを
来る日も来る日も
待っていたのだ。
:09/02/18 02:58
:W61S
:QP.UDvFQ
#54 [ザセツポンジュ]
その間に出来る事を。
お母さんにほめてもらいたい
全ての事を。
キュウは小さいながらに
一生懸命やったのだった。
:09/02/18 02:59
:W61S
:QP.UDvFQ
#55 [ザセツポンジュ]
『お母さんが帰って来たらね、お母さんの名前書いてあげる!』
ひらがなの読み書きを。
『お母さんが帰って来たらね、今何時か教えてあげる!』
時計のお勉強を。
『お母さんが帰って来たらね。。。』
:09/02/18 03:02
:W61S
:QP.UDvFQ
#56 [ザセツポンジュ]
『自転車に乗れるとこ見せてあげる!』
補助無し自転車に乗る練習を。
:09/02/18 03:03
:W61S
:QP.UDvFQ
#57 [ザセツポンジュ]
お母さんは
もう帰って来ない。
お母さんは
もう見てくれない。
お母さんは
もうほめてくれない。
それを幼い子供は
受け入れなければ
ならなかった。
:09/02/18 03:05
:W61S
:QP.UDvFQ
#58 [ザセツポンジュ]
キュウに
突然おとずれた予感は
あたってしまったのだ。
キュウは
漠然とあんな事を思ったから
いけなかったんだ
と思ったのだった。
それを口に出して
おじいちゃんに
問わなかった自分を
責めていた。
:09/02/18 03:27
:W61S
:QP.UDvFQ
#59 [ザセツポンジュ]
お母さんは
どこに行ったのかたずねる
キュウに
おじいちゃんは
『おでかけだよ。』
と言って
頭をなでるので
キュウはそれを
無理矢理信じていた。
:09/02/18 03:28
:W61S
:QP.UDvFQ
#60 [ザセツポンジュ]
実際のところ
祖父にベッタリと
くっついて暮らしていた
キュウは
母親との会話はあまり
無かった。
一緒にお風呂に入ろうものなら
『後ろを向いててね。』
と、言われ
何のために裸で
お風呂に入っているのかも
分からず
部屋には鍵がかけられていて
お母さんの部屋の中に
入れなかった。
:09/02/18 03:29
:W61S
:QP.UDvFQ
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