クソガキジジイと少年。みそ汁編
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#57 [ザセツポンジュ]
お母さんは
もう帰って来ない。
お母さんは
もう見てくれない。
お母さんは
もうほめてくれない。
それを幼い子供は
受け入れなければ
ならなかった。
:09/02/18 03:05
:W61S
:QP.UDvFQ
#58 [ザセツポンジュ]
キュウに
突然おとずれた予感は
あたってしまったのだ。
キュウは
漠然とあんな事を思ったから
いけなかったんだ
と思ったのだった。
それを口に出して
おじいちゃんに
問わなかった自分を
責めていた。
:09/02/18 03:27
:W61S
:QP.UDvFQ
#59 [ザセツポンジュ]
お母さんは
どこに行ったのかたずねる
キュウに
おじいちゃんは
『おでかけだよ。』
と言って
頭をなでるので
キュウはそれを
無理矢理信じていた。
:09/02/18 03:28
:W61S
:QP.UDvFQ
#60 [ザセツポンジュ]
実際のところ
祖父にベッタリと
くっついて暮らしていた
キュウは
母親との会話はあまり
無かった。
一緒にお風呂に入ろうものなら
『後ろを向いててね。』
と、言われ
何のために裸で
お風呂に入っているのかも
分からず
部屋には鍵がかけられていて
お母さんの部屋の中に
入れなかった。
:09/02/18 03:29
:W61S
:QP.UDvFQ
#61 [ザセツポンジュ]
キュウが
結局すがりつくところは
おじいちゃんのところだった。
しかし
いざお母さんが
帰ってこないと
寂しかったのだ。
:09/02/18 03:30
:W61S
:QP.UDvFQ
#62 [ザセツポンジュ]
物静な母親だったが
出稼ぎに行く夫が
家にいない間
その夫の親と暮らし
おじいちゃん、
おばあちゃんの部屋に
いりびたる娘との生活は
さぞ肩身が狭かった事だろう。
東京から帰って来るなり
毎回夫婦ゲンカをしていたのだった。
:09/02/18 03:33
:W61S
:QP.UDvFQ
#63 [ザセツポンジュ]
『えーん。』
今度はジョウジロウまで
ポロポロ泣き出してしまった。
『おい!ジョウジロウちゃん!アンタ一体何が悲しかったんじゃ!』
きーさんはキュウを抱きかかえ
しゃがみこんだ。
『わかりませーん!うわーん!』
『。。。分からないなら泣くな、アホか。』
:09/02/18 03:35
:W61S
:QP.UDvFQ
#64 [ザセツポンジュ]
続いてトミーまで
目をおさえて
鼻をシュンシュン
言わせている。
『トミオ!次はどうしたんじゃ。わかりませんはナシだぞ。』
『うぅ…ひっく…ううう…。』
きーさんは二人を
自分のもとへ寄せた。
:09/02/18 03:37
:W61S
:QP.UDvFQ
#65 [ザセツポンジュ]
『あぁあぁ。ワシがイタズラして泣かせたと思われるじゃろ!困ったなぁ。警察が来たら逮捕されてしまう。うーん。よし。』
きーさんは空を指差した。
『川までお散歩して、夕日が沈んだらおうちへ帰ろう。』
チビ共3人は
涙をゴシゴシふいて
近くの川まで歩いて行くのだった。
:09/02/18 03:40
:W61S
:QP.UDvFQ
#66 [ザセツポンジュ]
『キュウ、きーさんの事、嫌いじゃろ?』
『きらーい。』
『フン。それはそうと鼻ちょうちんができておるぞ。ほれ。』
パチンッ。
『キャーハハハハ。』
夕日が沈むまでの間
きーさんは
子供達のご機嫌とりに
懸命に励むのであった。
:09/02/18 03:44
:W61S
:QP.UDvFQ
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