クソガキジジイと少年。みそ汁編
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#75 [ザセツポンジュ]
『なんでー!教えてじぃちゃん。』
トミーには珍しく
あまりの不安感からか、
きーさんにまとわりついた。
『おい、トミオ。ガムいるか?』
きーさんは、10枚入りのガムを、ひとつだけ飛び出させてトミーに差し出した。
『いーるー!』
:09/03/04 06:20 :W61S :2upng3Ik
#76 [ザセツポンジュ]
バチン!
『いてー!!』
きーさんが差し出したのはパッチンガム。100円のドッキリおもちゃだ。
素直にガムを抜いたトミーは
バチンと指を挟まれてしまった。
『やーいやーい。トミオよ、お前はまだ子供なんじゃ。だから教えられん。』
:09/03/04 06:23 :W61S :2upng3Ik
#77 [ザセツポンジュ]
『クッソー!クッソジジイ!』
トミーは挟んだ指を痛そうに握ってきーさんを思いきり蹴った。
『おーおー。かゆいかゆい。トミオ、そのキックの素晴らしさゆえ、一個だけ教えてやろう。』
きーさんは、トミーを正面に座らせた。
:09/03/04 06:27 :W61S :2upng3Ik
#78 [ザセツポンジュ]
『寂しい思いをせずには生きて行けんのじゃ。トミオだって、寂しい思いをすることがこの先あるかもしれないけど、それはそれでいいんじゃよ。悪い事じゃないとワシは思う。』
トミーはまじまじときーさんを見つめた。
『ママがいなくなるっていい事なの?』
:09/03/04 06:31 :W61S :2upng3Ik
#79 [ザセツポンジュ]
『あぁあ。めんどくさいなぁもう。そうとは言っとらん。トミオ、じぃちゃんは今何が言いたいか分かるか?』
きーさんは、正面に座るトミーを横にずらした。
『わかりませーん。』
『フン。ワシは今テレビが見たいんじゃ。男ならそれくらいの事把握しておけ。』
:09/03/04 06:34 :W61S :2upng3Ik
#80 [ザセツポンジュ]
トミーはきーさんと討論するのはやめた。
まだ指がジンジンと痛む。
『じぃちゃん。オレ、キュウんち遊びに行ってくる。』
『おう、じゃあな。』
きーさんはコマーシャルになったと同時に立ち上がり、台所へ移動した。
トミーは金魚のフンのようにきーさんに付いていく。
:09/03/04 06:39 :W61S :2upng3Ik
#81 [ザセツポンジュ]
『なにかしら、トミオちゃん。おじいちゃんに何か用でも?お前も飲むか?』
きーさんはコップにカルピスの原液を注ぐ。
『いらない。ねぇ、あのね。ママがお出かけしないように見張っててね。』
『おう、じゃあな。了解なまこん。』
:09/03/04 06:43 :W61S :2upng3Ik
#82 [ザセツポンジュ]
信用ならないふざけたジジイを前に、トミーはなかなか玄関まで踏み出せないでいた。
『うん、うまい。なんじゃ?トミオまだいたのか。お前も一口飲んでみろ、カルピス。よく見ろ、ワシが口をつけたのはココじゃ。ココ以外で飲め。』
『いーいらない!ねぇママがね…』
:09/03/04 06:46 :W61S :2upng3Ik
#83 [ザセツポンジュ]
『うぁああ。分かった分かった。了解なまこん!おいトミオ!ひとつ言うがしつこい男は嫌われるぞ!早く、キュウちゃんち行って来い、チビ!』
トミーはきーさんの手に噛みつき、やっと玄関を飛び出した。
:09/03/04 06:49 :W61S :2upng3Ik
#84 [ザセツポンジュ]
『キュウーちゃん!あーそーぼー!』
『いーやーよー!』
『おじゃましまーす!』
キュウの家には
“ツインファミコン”があった。ディスクを挿入できる、すなわちマリオ2ができる本体だ。
片田舎にしては珍しい品だった。
:09/03/04 06:52 :W61S :2upng3Ik
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