クソガキジジイと少年。みそ汁編
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#96 [ザセツポンジュ]
『明日はね、ボクがおにぎり係だから母さんよろしくね。』
『はぁい。』
ジョウジロウちゃんの母さんは建築士、そして父さんは大工だ。
しかし暮らす家は
今にも倒れそうなボロ家。
建て直す計画もあるが
まだ実行されてはいない。
:09/03/08 00:34 :W61S :IR6AgnaY
#97 [ザセツポンジュ]
忙しい母さんは家事をおこたっていたが、トミーとキュウと3人で決めた約束ごとは守るようにしていた。
それはおにぎり係だ。
大工の父さんは仕事から帰るとジョウジロウの相手をした。
:09/03/08 00:36 :W61S :IR6AgnaY
#98 [ザセツポンジュ]
ジョウジロウには5つ年上の兄がいて、シンイチロウと言う。
ただのゲーマーだったために弟の相手はあまりせず、自分の興味のある事だけは集中してやりとげるような性格だ。
コントローラーの取り合いよりも、父さんと、歴史のお話をする事の方が自分の性にはあっていたジョウジロウちゃん。
:09/03/08 00:40 :W61S :IR6AgnaY
#99 [ザセツポンジュ]
『三國志のお話はこないだ終わったから、今日はロンドンのお話をしよう。』
父さんは60年代のロンドンの話をはじめた。
そうすると兄のシンイチロウも、あれだけ大好きなファミコンをやめて、自らロンドンの話に耳を傾けるのだった。
『おやすみなさい。』
:09/03/08 00:43 :W61S :IR6AgnaY
#100 [ザセツポンジュ]
ジョウジロウちゃんはロンドンを想像しながら布団に入り、眠りにつくのだった。
シンイチロウも、父さんの車の中で聴くビートルズを好きになっていくのであった。
目が覚めたジョウジロウちゃんは台所の戸を開けた。
『おっぱいよう。』
『じぃちゃんおはよう。』
:09/03/08 00:46 :W61S :IR6AgnaY
#101 [ザセツポンジュ]
忘れてはいけないのが
この家の変態ジジイ、鈴木ひとしの存在だ。
『ジョウジロウ、お前な、今からきーさんを読んで来い。』
すーさんはオセロをセットして正座していた。
『やだよー。ボク今日忙しいんだから。』
ジョウジロウちゃんは、机に置かれたお弁当箱を手に持った。
:09/03/08 00:48 :W61S :IR6AgnaY
#102 [ザセツポンジュ]
『おい!ワシにさからうとは15年早いなぁ。呼んで来いったら!』
すーさんは足をもぞもぞさせている。
『足、しびれてたてないの?』
ジョウジロウちゃんはすーさんの足の裏をつついた。
『ひゃう!ひゃら!ジョウジロウ!やめろ!快感がワシをおそう!』
:09/03/08 00:52 :W61S :IR6AgnaY
#103 [ザセツポンジュ]
即座に
気持ちが悪い。
と感じたジョウジロウちゃんは一旦お弁当を置いて、隣のきーさんちへ向かった。
『トーミオちゃん。』
『はーあーいー…』
トミーはデレデレしながらママと玄関までやってきた。
:09/03/08 00:54 :W61S :IR6AgnaY
#104 [ザセツポンジュ]
『ジョウジロウちゃんおはよう。今から朝ごはんなんだけど、もう食べちゃった?』
トミーのママは美人だ。
小さな子供でもうっとりするほどの。
『ううん。まだ。あのね、ウチのじぃちゃんにね、きーさん呼んで来てって頼まれた…』
:09/03/08 00:56 :W61S :IR6AgnaY
#105 [ザセツポンジュ]
『おうおう。ジョウジロウちゃんおはよう。なんじゃ?すーさんにまたコキ使われたのか?かわいそうに、あがりなさい。ほれほれ。』
ジョウジロウちゃんは寝癖をつけたまんまトミーの家におじゃました。
『オレんち今日ね、サンドイッチ!この卵のはね〜オレが手伝ってね〜…』
:09/03/08 00:59 :W61S :IR6AgnaY
#106 [ザセツポンジュ]
『うるさいぞトミオ。お前はすーさんにコキ使われた事が無いからサンドイッチではしゃいでられるんじゃ。見てみろ、ジョウジロウちゃんのこの悲しそうな朝を。』
きーさんは食卓に座って
ツナサンドを食べた。
朝早く仕事に向かう両親を持つジョウジロウちゃんは、
:09/03/08 01:02 :W61S :IR6AgnaY
#107 [ザセツポンジュ]
前の日に多く作ったおかずの残り物を自分でお皿によそって、ご飯を食べていたのだ。
朝早くから
オセロのために正座をするすーさんには、優しさと言うものがあまり無いため、自分のご飯は自分で用意していた。
それを知っていた木田家は、ジョウジロウちゃんを朝食に誘う事が度々あった。
:09/03/08 01:05 :W61S :IR6AgnaY
#108 [ザセツポンジュ]
『ジョウジロウちゃん、ゆっくり食べなさい。トミオちゃんはマザコンだし、すーさんは変態だし、お前のにぃちゃんはゲームしかしないし、まともなのはワシとジョウジロウちゃんだけじゃ。うん、うまい。ツナサンド食べなさい。』
ジョウジロウちゃんはツナサンドをほうばった。
:09/03/08 01:08 :W61S :IR6AgnaY
#109 [ザセツポンジュ]
きーさんは、割りと物静かな方だが、謙虚で優しい隣の家のジョウジロウちゃんがお気に入りだった。
すーさんはと言うと、なんでもかんでもつっかかってはゲラゲラ笑っている隣の家のトミーがお気に入りだった。
『じゃあキュウんち行って来る!』
『あっ!待って!先にボクんち行ってお弁当箱持って来ないと!』
:09/03/08 01:12 :W61S :IR6AgnaY
#110 [ザセツポンジュ]
朝ごはんを終えたジジイと少年二人は、すーさんが正座をしたまんま静止していると思われる隣の家に移動した。
『おぉい!ジョウジロウ!ワシはきーさんを呼んで来いと言ったろ!ハナクソチビ野郎!』
予想通りのポーズで大声をあげるすーさん。
:09/03/08 01:15 :W61S :IR6AgnaY
#111 [ザセツポンジュ]
『すーさん。呼ばれてやって来たよ。』
きーさんは座る。
『きーさん。ワシは朝から待っておった。オセロのために。眉毛にツバを何度もつけて。』
『キャーハハハすーさん汚ねー!眉毛にツバー!』
すーさんの足を踏んづけるトミー。
:09/03/08 01:18 :W61S :IR6AgnaY
#112 [ザセツポンジュ]
『トミオ。いいか。眉毛にツバを塗り込んだら足のしびれがなおると言う人もおるがな、すーさんみたいになりたくないのなら、どんなに足がしびれても、眉毛にツバをつけてはならん。分かったか?』
きーさんはタバコをくわえ、オセロを開始した。
『はいはーい。』
『おいきーさん!ワシは黒が良かったのに!』
:09/03/08 01:22 :W61S :IR6AgnaY
#113 [ザセツポンジュ]
ゴツン。
朝から迷惑をかけるすーさんのわがままに、無償に腹が立ったきーさんはいつもより拳に力を入れた。
『いちちち。』
きーさんのゲンコツは痛いのだ。
そんな事をよそに
水筒を持ったトミーと
お弁当箱を持ったジョウジロウちゃんは、キュウの家へ向かった。
:09/03/08 01:25 :W61S :IR6AgnaY
#114 [ザセツポンジュ]
『きーさん、キュウちゃんな、お母さん出ていったじゃろ。』
『あぁ。かわいそうだが。ちょっと甘やかし過ぎじゃな。』
『そうか?』
『ワシらには一応挨拶はするがな、いつもおじいちゃんの後ろに隠れて甘えてばかりおる。』
:09/03/08 01:28 :W61S :IR6AgnaY
#115 [ザセツポンジュ]
『きーさんちのトミオちゃんだってママに引っ付いておるじゃろ。』
『まぁそう言われればそうだがな。キュウちゃんちのアレはいかんと思わんか、すーさん。』
『アレはいかんなぁ。浮気じゃろ?キュウちゃんの男前なお父さんのな。』
『は?浮気してたのか?』
:09/03/08 01:32 :W61S :IR6AgnaY
#116 [ザセツポンジュ]
『ワシの予想じゃ。名前はかよちゃん。かよちゃんとの浮気が原因で離婚じゃ。』
『すーさん。ワシが言いたいのは、離婚の原因じゃない。』
『なんじゃ?またきーさんの説教か。はいはいどうぞ。』
:09/03/08 01:34 :W61S :IR6AgnaY
#117 [ザセツポンジュ]
『挨拶はできん。保育園で友達は泣かす、その割りには泣き虫で、強がり。みんなでやる事はひとりだけ放棄、欲しい物はなんでもおじいちゃんらが買い与える。将来が心配じゃよ。』
『あぁ。また角をとられた…まぁきーさん。そんな情報集めたところでキュウちゃんちに割って入れないんだから仕方がないじゃろ。』
:09/03/08 01:38 :W61S :IR6AgnaY
#118 [ザセツポンジュ]
『確かに割って入ってワシが説教する事はできん。』
そんな話をしながらも
すーさんの頭の悪さに呆れるきーさんだった。
『なぜじゃ!なぜワシはきーさんに勝てん!もっかい!もっかい!』
いい加減しつこいこの男、
昔は色男だったのに今では変態ジジイ呼ばわりだ。
同情する。
:09/03/08 01:42 :W61S :IR6AgnaY
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