三日月の誓い‐The Holy Bond‐
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#1 [∴SHO∴] 09/02/09 18:08
よかったら見てください。感想の方もよろしくお願いします

#32 [∴SHO∴]
庭にはテーブルと、椅子が二脚置いてあり、セレダスはその一つに座っていた。            「そこに置いてくれ。自分で注ぐ。」                    下僕がワインボトルとグラスをテーブルに置き、御辞儀をして戻ろうかとした時。          
「あぁ、グラスをもう一つ持ってきてくれ。」セレダスが思い出したように言った。                       下僕は訝しげな表情をしたが、すぐにグラスを取りに行った。                   しばらくして下僕がグラスを持ってきた。セレダスは下僕を帰して、ワインを注ぎ始めた。赤紫色の葡萄酒が二つのグラスに注がれていく・・・・。                  セレダスは二つのグラスを鳴らして乾杯した。軽快な音が庭に響く・・・。そしてワインを一口飲んだ。            「エミリオの夢はお前が見せたのかティレミアよ・・・。」そう言うと、セレダスは再び思い出に浸り始めた。

⏰:09/02/19 23:53 📱:N700i 🆔:T.620/0Y


#33 [∴SHO∴]
エミリオとハーリアが歩きながら話していた。   
「姉さん、今日は癒しの魔法を練習したい。」               「あら、どういう風の吹き回し?」                    「べつに、何となくだよ。」                       昨夜の夢が原因だった。姉が母から教わった癒しの魔法を、エミリオ自身も学びたくなった。                  「癒しの魔法はそれほど難しくないから一週間あれば出来るようになるわ。そしたら他の魔法のコツも掴めるようになるから。」ハーリアが嬉しそうに言った。

⏰:09/02/21 19:14 📱:N700i 🆔:AAMAU0aA


#34 [∴SHO∴]
「一週間もいらないよ。もっと早く覚えてみせるから。」エミリオは鼻を膨らませて言った。                  「あら、それじゃあ期待してるわ。」ハーリアがからかうように言った。                                       二人は訓練場に着いた。いつもの殺風景な訓練場・・・。何か変わっているとしたら、昨夜吹いた風で、木の葉や木片が飛ばされたことくらいだった。                ハーリアが何か唱えて右手を前にかざした。すると右手が緑色の光をまとった。

⏰:09/02/23 10:20 📱:N700i 🆔:GDuqOfnE


#35 [∴SHO∴]
「こんなふうに緑色の光が出たら成功よ。」                
エミリオも、ハーリアと同じ動作をした。しかし、緑色の光は出なかった。  それからエミリオは幾度も挑戦したが右手には何も起こらず、あたりには鳥の鳴き声だけが虚しく響いた。            エミリオはしだいにいらつきだし、右手を乱暴にかざし始めた。

⏰:09/02/24 01:21 📱:N700i 🆔:tJqJfZng


#36 [∴SHO∴]
「そんなに力まないで、体の力を抜いてやるのよ。」            エミリオは心を落ち着かせて再び始めたが、何も変わらなかった。      気が付くともう昼になっていた。                     「エミリオ、そろそろ城に戻ろう。食事も用意されてるだろうから。」ハーリアが言った。                   「姉さんは先に戻ってて。僕はもう少し練習してからにするよ。」                  「いらいらしてても成功しないわ。食事はいい気分転換になるわよ。冷静な精神力を持つことが魔法の基本ね。」         
エミリオはぼやきながらもハーリアに従い、二人は城に戻っていった。

⏰:09/02/24 23:18 📱:N700i 🆔:tJqJfZng


#37 [∴SHO∴]
「焦らなくたって大丈夫よすぐに上手くなるから。」            エミリオは口を尖らせた。            「ふふっ、変わらないわね拗ねたときはいつも口を尖らせる。」ハーリアが面白がって言った。                 エミリオは慌てて口を元に戻した。ハーリアはその様子を見て、からかうように笑った。そのせいでエミリオはまた口を尖らせた。ハーリアは笑いを噛み殺そうと必死だったが、無理だった。          ハーリアの笑い声が森に響く。エミリオは口を元に戻そうとしたが、また同じ事の繰り返しになると思って止めた。        エミリオは結局口を尖らせたまま城に戻っていった。

⏰:09/02/27 04:30 📱:N700i 🆔:K46lPp1.


#38 [∴SHO∴]
「あ、お帰りなさいませ、お嬢様、若樣。ちょうど今呼びにいこうと思ったところでございます。」                食堂にはすでに食事が用意されていた。エミリオはまだ拗ねていたが、誰も気にしなかった。エミリオがハーリアにからかわれて拗ねることは日常茶飯事だった。

⏰:09/02/28 23:32 📱:N700i 🆔:RU1tddt.


#39 [∴SHO∴]
二人は昼食を取り始めた。さすがにエミリオも食事の時は拗ねるのをやめた。             フォークと皿が擦れ合う音が響く。今、食堂からはその音しか聞こえなかった。
    
「父さんは一緒に食べないの?」         
エミリオは昨夜のような家族全員での食事を期待して言った。                    「ご主人様は庭でお召し上がりになっています。」下女が言った。                  「変ね。いつもは書斎で食べているのに庭で食べるなんて。」                    ハーリアには疑問だったがエミリオはよくわかっていた。そして、父の邪魔をしないよう、ハーリアには何も言わずに食事を続けた。

⏰:09/03/01 04:57 📱:N700i 🆔:8Rlu.l3A


#40 [∴SHO∴]
 エミリオは練習のことを考え、食事をいつもより早く食べ終わった。                「姉さん、先に行って練習してるね。」                  「わかったわ。私もすぐ行くから。」                   エミリオは頷いて、走って訓練場に向かった。                                        森が騒めいている。訓練場は風が運んできた木の葉で散らかっていた。   木の一角に作られた巣の中にいる雛鳥が、餌を求めてやかましく鳴いている・・

⏰:09/03/14 01:00 📱:N700i 🆔:xgJtEaGI


#41 [∴SHO∴]
ちょっとお休みします

⏰:09/05/31 03:28 📱:N03A 🆔:QURpS4Dk


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