幸せの予感

幸せってなに？

アナタは考えてみたことある？

私は…いつも考えてる。

幸せになりたいから

※オーダー設定するので、感想などは全て感想板にお願いします☆

感想板
>>2

おじいちゃんのお葬式は、すぐに行われた。

式の間、おばあちゃんはずっと俯いたままで

凄く悲しんでいるんだと、すぐに分かった。

当たり前だよね…

だってあたしが来る前までは、子供達が自立してからずっと２人で暮らしてたんだもん

支え合って生きてきたんだもん…

神様は本当に意地悪だね…

こんなに愛し合っていた２人を突き放しちゃうんだもん。

人生ってそんなものなのかな？

本当の幸せって

実は存在しないのかな…

あたしはこの日を期に、深く考え込むようになった。

葬式が済んで久しぶりに学校に来た月曜日。

いつかと同じように、また教室が騒がしかった。

今度は１人の男子生徒が、教壇に登って何かを言っている。

あたしはドアをゆっくり開け、おそるおそる教室の中へ入った。

「あっ！噂をすれば」

そう言ってこっちに向かって来たのは、まだ１回も話したことのないかなりギャルめの女の子─設楽安海(ｼﾀﾗｱｽﾞﾐ)

至近距離じゃなくても、香水の香りが漂ってきた。

「アンタ、中学の時イジメられてたんだって？」

ﾄﾞｷｯ

何でそんなこと…

あたし、その事紗香にしか言ってないのに…

そんな紗香は辛そうに、一番前の窓際の席に座って肩を震わせていた。

「アイツが言ってたんだよ…相良が」

「相良が？」

あたしは教壇に立っている、男子生徒に目を向けた。

許せない

許せないよ…

誰にも

本当に心を許せる人にしか言って無かったのに…

でも一体相良は誰から聞いたって言うの？

─あぁ、アイツは色んな人と仲いいから

数少ないあたしと同じ出身校の人から聞いたんだ

あたしはそう思い、今度はたった１人の同中出身者を恨んだ。

「今さら何言わせるんだよ」

「アンタなんでしょ？相良にあたしがイジメられてたこと言ったの」

「じゃなかったら？」

本当にムカつく。

２年前、あたしが惚れたのが悪かった。

コイツのせいであたしの人生は狂ったんだ…

─２年前

あたしは１人の男の子に恋をした。

名前は…川名優一(ｶﾜﾅﾕｳｲﾁ)

彼は当時凄く人気があった。

優しくて成績優秀。

その上、運動神経もよくて

彼に心を奪われる女子生徒は数知れず、って感じだったのだ。

そしてもちろんあたしもその１人だった。

「ねぇ、川名君坂波高校目指してるらしいよ」

それを友達の舞から聞いたのは、部活を引退し受験勉強に励み始めた時だった。

─坂波高校か…

坂波高校はかなりレベルの高い高校。

当時のあたしが目指すには、到底無理な所だった。

「皆それを知って泣いてるよ？

高校違くなる～って」

舞には彼氏が居たから、あまり興味無い話だったみたい。

だからあたしは舞だけに、その事を話していた。