昔好きだった子が夢に出てきた

僕と彼女の関係は中学二年生の時のクラスメイト。彼女の家は僕の家の近くにある。距離で言うと200mくらい。昔からそうだった訳では無い。中学一年生の時引っ越しをした為そうなった。彼女は頭が良く、その上顔も良い。が、悪い先輩と交遊をしていた為、優等生という感じでは無い。あまり関わりたくないというのが本音。家が近いので帰り道に会うことがよくあった。その時は下を向いたりしていた。彼女は僕のことを気持ち悪い奴だなと思っていたんじゃないかなと思う。

二年生へ進級した日の朝、学校の玄関の前に掲示板が設置されていた。そこにクラス替えの表が貼られていた。彼女の名前を見て少しガッカリした。

同じクラスだからと言って何かある訳では無い。平凡な日が続いた。夏休みが明けたくらいに席替えが行われることになった。彼女は班長という係で、席の並びは主に班長が決める。席替え発表の日、ワクワクしていた。席を公開すると｢やったー！｣とか｢最悪｣だとかいう声があちらこちらから聞こえてくる。自分の名前を探すと、彼女の班のところにあった。何故？と思ったが、聞けるはずない。表通りに席を移動した。

彼女は僕のことをよく思っていないだろう…そう思うと良くないことばかり考えてしまう。彼女は僕の前の席で、こちらに振り向いて｢よろしくね｣と言った。突然のことで僕は｢あぁあ…｣としか言えなかった。やってしまった…と後悔した。僕は人見知りが激しい。特に異性が苦手だ。慣れていない人だといつもこんな感じになってしまう。彼女はどうかしたのか？という顔でこちらを見ていた。気まずさだけが残った。同じ班になると嫌でも話さなければいけなくなる。彼女は初対面のように接してきた。下校の時あれだけ会っていたというのに。彼女が何を考えているのか、さっぱり分からなかった。