長い長い戦い

"束縛"という言葉を
知っていますか？

きっとみんな誰もが
彼氏や彼女に対する
嫉妬からしたことが
あると思う。

でも"束縛"にも限度がある

私は長い間"束縛彼氏"と
戦ってきた。

辛く苦しい日々。

全て実話です。

次の日私は珍しく家にいた。

母｢はなー！電話だよ！｣

はな｢誰？｣

母｢知らない、男だよ｣

はな｢男！？｣

全く心当たりがなかった。
知り合いなら携帯に
かけてくるはず…

この日この電話に出なければ
私の長く苦しい時間はもっと
幸せな時間になっていたかも
しれない。

そう思うと後悔ばかりだ。

私の運命はこの瞬間

真っ暗闇の底へ
突き落とされる…

はな｢もしもし…｣

｢もしもし…はな？｣

<ゲッ…呼び捨てかよ>

はな｢そうだけど、誰？｣

少し強気に出た。

｢俺シオタって言うんだ！
シオって呼んで！｣

はな｢シオタ？誰？｣

名前というよりも
どこのどいつだということが
知りたかった。

シオ｢俺Ｇ中学の３年なんだ！
はなに聞きたい事あってさ！
ワカって知ってる？
俺の元カノなんだけど｣

はな｢知ってますけど…｣

一つ年上ということが
分かって敬語を使った。

シオ｢あっ携帯ある？
番号教えてよ！アドレスも！｣

なんて図々しい奴なんだ…
大体なんで私なの…？
ワカは中学は違うが
知り合いだった。
私よりも同じ中学の人に
聞いた方がいい気がした。

はな｢あの…私ワカとは中学
違うからそんなに仲良くな｣

シオ｢詳しくは携帯で話そ！｣

私の言うことを最後まで
聞かず被せてきた。

お互い番号とアドレスを
交換してこの日はメールで
やり取りすることにした。

受信『突然ごめんね！
ワカって今彼氏いるか
知ってる？！』

送信『知りません
最近遊んでないし…
シオさんが元カレってことも
知らなかったですし。』

受信『そっか！
まぁいいや

もうどうでもいい存在だし♪』

意味が分からなかった。
どうでもいい奴のこと
聞くために私に連絡したのか…

受信『はなは彼氏いるの？』

送信『いません』

受信『今度デートしてよ

』

送信『時間があったら
いいですよ

』

それから毎日電話やメールを
していた。
少しづつシオという人間が
見えていくような気がした。

シオも不良グループに
入っていた。
地元で一番悪いチーム的な
ものに入ってて
私はその中のリーダー格の
人間が大嫌いだった。
特に仲良くないのに
馴れ馴れしい良助という
奴だった。
ちびでデブだけど親が
ヤクザだからみんなが
恐れていた。

シオはメールで
『良助は実はいい奴だから』
と言ってた。

受信『今度の土曜日暇？
カラオケでも行かない？』

いきなりの誘い。
迷いに迷ったけど
ずっとメールを続けてる
シオがどんな人なのか
気になった私は会うことにした。

送信『いいよ

』

受信『やったー

』

メールだったけど喜んで
くれて嬉しかった。

土曜日。

新しい服を着て化粧バッチリ。
香水も沢山つけてギリギリで
家を出た。

バスでシオが先に乗ってて
そこに合流する予定だった。

ギリギリだったので全力で
走ってバス停に向かった。

その時携帯が鳴った。

受信『はなが乗るはずのバス停
過ぎちゃったよ

』

間に合わなかった…

初デートなのに申し訳ない
気持ちでいっぱいだった。