あたしの１ヶ月…

まず始めに今回の大地震で被災された全ての方にお見舞い申し上げます…

あたしは優希。
今年ハタチになる。
そして住んでるとこは茨城県…
みんな知ってると思うが先月の11日に東北関東大震災の被災地の１つだ…

『直ぐ着替える…』

朝の弱い麻美は放って置けばずっと寝ている。
毎朝、麻美を起こしているママはいつも嘆いていた。

最終的には家を出たのは10時近くなっていた。

車片付けるの忘れてたなぁ…

トランクに荷物を積みながら兄ちゃんの仕事の荷物があることに気付いた。

この前兄ちゃんが仕事で使うからってあたしの車を1週間ばかり乗っていたのを思い出す。

『当分使わないと思うから乗せといて。』
そう言って荷物を乗せたままにしておいた兄ちゃん。

一応兄ちゃんの携帯に電話して荷物をどうするか聞いたらやっぱり『積んどけ』
の一言で終わった。

兄ちゃんの荷物をトランクの端に詰め込んで自分達の荷物を積んだ。

着替え位しか積むものないくせにやたらと荷物が多いなと…

荷物の大半は兄ちゃんの物…

『邪魔くせぇな』

そう言いながら兄ちゃんの荷物を奥の奥に詰め込みながら呟く。

『大体アイツ仕事に行くのに何で３つもｽﾎﾟｰﾂﾊﾞｯｸ持ってくんだ？』

そう呟くあたしに麻美は笑いながら

『きっと大切な物が入ってるんだよ。エロ本とか(笑)』

そう言って１人で爆笑してた。

『バカだっぺ…』

そう言って呆れた顔のあたしの口に麻美はﾁｮｺﾚｰﾄを押し込む。

『はいはい。では出発(笑)』

ニコッと笑って助手席に乗り込んだ麻美。

途中コンビニ寄ってタバコを買って。

スタンド寄ってガソリン満タンにして…

旅行なんてしたこと無かったあたしは何となくウキウキしていた。

車の中で音楽聞きながらノリノリの麻美に話しかける。

『なぁ麻美。良く3年で百万も貯めたよな。』

そう言うと

『実話ね…社長が10万ずつ出してくれたんだよ』

と言った。

『3年頑張ったからボーナスだってさ。それで百万なんだよ』

えーっ＼(☆o☆)／
社長すげぇー

って喜んで思わずハンドルから手が放れる。

『ほらうちの社長って自分の子供亡くしてるじゃん…ちょうど生きてればうちら位の歳なんだって専務言ってたよ。だからじゃない？』

『そんな事あったんだ…社長にお土産いっぱい買ってかなくちゃな』

そんな会話をしながら暫く走ると海が見えた…

家を出てから2時間近く。
福島の小名浜ってとこだ。

『海が綺麗だな…この辺で飯でも食うか』
買って置いたサンドイッチを頬張りながら海を眺める。

とてもとても穏やかで…
綺麗だった…

『こっから30分も走ればおばさんの家に着くよ。』

麻美はそう言ってサンドイッチを食べる。

『あたしが行って邪魔なんじゃねぇの？』

『えーっ今更？！』

と食べかけのサンドイッチを持ちながら麻美は笑う。