【素直に言えない気持ち】

これから書かせていただくお話は、私の⑩代の頃の恋愛のお話です。

この恋愛を経て、今現在の夫と結婚してもう間も無く母親になります。

ある一つの節目として、自分で何かを残したくて、こちらをお借りします。

『ちょっと、危ないですよ!!閉めますよ。それともお連れｻﾝも乗るんですか？』

ﾀｸｼｰの運転手ｻﾝに怒られ…私は言った。

『乗ります、だから閉めないでください!!』

運転手ｻﾝは迷惑そうに…

『なら早く乗っちゃって下さいよ…』と言った。

こうたはもの凄く何か言いたげな顔をしていたｹﾄﾞ、運転手ｻﾝの迷惑そうにする顔を見て、黙ってﾀｸｼｰに乗り込んだ。

『どちらまでですか？』

『○○町の郵便局方面にまず行って下さい。』

私がこうたを先に降ろすために運転手ｻﾝにお願いをした。

『おい、なぎさが先だろ!!ﾀｸｼｰ乗っちゃえば俺はもう大丈夫だから!!』

『ここからなら、こうたの家先のが安上がりだよ。』

そう言うと…

こうたは少し考えて、運転手ｻﾝに言った。

『ｽｲﾏｾﾝ、変更で…市民体育館の前でお願いします。』

私は市民体育館の場所を知らないｶﾗ、普通に郵便局より家に近い場所を言ったんだ…ぐらいに思った。

少し走ると、体育館らしき建物が見えた。

私はまさか？この建物がそうなの？と思い、こうたに聞いた。

『そうだよ、あれが市民体育館。』

私はこうたの家が○○町なのは知っていたｹﾄﾞ、自転車行動だったから詳しく距離や位置関係は分からなかった…

本当にその体育館の前で運転手ｻﾝが…

『ここで大丈夫かな？』と聞いてきた。

『はい、おいくらですか？』とこうたは支払いをし出した…

私はﾜｹが分からず、こうたに『えっ、何で？』と何度も聞いた。

こうたは私を無視して、運転手ｻﾝにお金を支払い、私の手を引きﾀｸｼｰを降りた。

降りるなりこうたは、そのまま私の問い掛けに答えることなく、手を引き歩き出した。

少し細い道を抜けて、大きめの通りに出ると…

いわゆるﾎﾃﾙ街だった。

私はﾎﾃﾙ街を見て、驚き一瞬繋いでいる手に力が入った…

それに気付いたのか、こうたも強く握り返してきた。

何件か通りすぎて、歩いて見てきた中で一番地味なﾎﾃﾙの入り口に向かった。

私は驚きで言葉が出なくて、でも心の中ではこうたならｲｲなんて少しあった。

ﾌﾛﾝﾄで部屋を選んで、鍵を受け取り迷いなく部屋に歩き出した。

部屋のﾄﾞｱを開けてこうたは、私にｿﾌｧｰに座るよう言った。

私がｿﾌｧｰに座ると、こうたは目の前の床に座った。

しばらく沈黙していて、こうたが大きく深呼吸をして言った。

『あぁーｯｯ!!もう心臓がもたないｯｯ!!』

私はいきなり大きな声でそんなｺﾄ言われて、さっぱり何がなんだか分からない。

『いきなりこんな所連れ込んで怒ってる？…』

こうたに聞かれて私は…

『連れ込んだって言うか、私が自分の足でここまで来たし、ｲﾔなら逃げれたし』

そう言うとこうたは今度は笑いだした。

『ｲﾔじゃないってｺﾄはｲｲんだ？(笑)』

何を聞きたいのか分からないし、何かからかわれてる気がした。

私は少しﾑｯとした様子でこうたに…

『別にお酒の勢いでしちゃうﾄｶ良くある話だし、驚かない。だから全然平気。』

こうたはさらに笑った。

『へぇ、なぎさは以外とそうゆうの平気だったんだ…そうかぁ…』

なんて言われて、遊んでると思われたんじゃないかと、今度は不安になった。

しばらくそんなふざけた会話をして、こうたはいきなり真面目に言った。

『ｺﾞﾒﾝ、本当はﾋﾞｯｸﾘしたでしょ？』

『まぁ、いきなりだし多少は…』

『正直に言うと、なぎさがあまりに譲らないｶﾗ、まぁ酔った勢いできた。』

こうたは下向き加減で私にそう言うと…

『だけど!!何かしようなんて気はない!!今さら信用ならないだろうｹﾄﾞ…』

こうたにそう言われて、私は少し力が抜けた。

『何かこのまま帰したくないﾄｶ思って…酒の力でこんなｺﾄしちゃったｹﾄﾞ、段々弱気になって…』

なんてこうたは自分の心境を語りだした。

こうたが正直に話てくれたｶﾗ、私もこうたはに内心はﾄﾞｷﾄﾞｷだったのを言った。

お互いに強がっていたのが笑えて、2人でﾊﾞｶみたいに大笑いした。