あまのじゃく【実話】

　
素直じゃないひねくれ者、

あの時、素直になってれば‥
意地なんか張ってなければ‥

あの人は今きっとまだあたしの隣にいたはず

一生の後悔‥

※実話です。

　
煙草だけを吸ってすぐ校舎に戻りこの時期になると行く相談室へ２人で足を運んだ

暖かい時期のあたし達の学校での過ごし方は

教室＜相談室＜保健室＜屋上

だけど寒い時期になると

教室＜屋上＜保健室＜相談室になる

ドアを開けるとソファーが目に入る

布でカモフラージュしてあるようだけど見た目からして古いソファーにあたしとまさやは腰を下ろした

別に相談室に来たからって相談する訳でもなく

ただ、置いてある漫画本を読んだり先生と話したりでもたまに相談じみた会話もある

　
授業が始まると保健室と違って必ず相談室から追い出される

渋々相談室から出て"授業にいけよ"と言う先生を裏切ってあたし達は保健室に行く

さきちゃんは"また来たの"と言うけどそれ以上なにも言わずあたし達を迎え入れてくれる

パイプ椅子に座り、さきちゃんと会話をする

｢ベッド借りるね｣

あたしはさきちゃんにそう言った

｢あ～先客いるわよ｣

｢まじ？｣

｢ほら、午前中にいたでしょう？あの転入生君♪｣

｢あ～‥｣

　
さきちゃんにそう言われ仕方なくあたしは椅子に座ってた

｢こんな時期に転入生？｣

まさやが聞いた

｢３年だって｣

｢言ってすぐ卒業じゃん｣

それから、さきちゃんとまさやで転入生の話しをしてた

あたしは面白くない

あたしは部屋の端っこにある長い椅子にまさや達に背を向けて寝転がった

｢お前パンツ見えるぞ｣

｢いいもん！見えたって、どうせまさやだし｣

｢黒見～えた｣

そう言ったのはまさや‥‥‥‥‥‥じゃなくて

　
バッと起き上がり、あたしは声のする方を見た

そこには転入生の長岡君が立っていた

長岡君はそう言うとさっきまであたしが座ってた椅子に腰を下ろした

｢最低｣

｢いいじゃん♪減るもんじゃないし！

それに俺が起きてきたのに誰も気づいてないんだから(笑)

お２人さん話しに夢中過ぎ

てかイケメン君じゃん♪｣

長岡君はまさやに言った

｢どうもι｣

｢名前なんてーの？｣

｢菊地まさやです｣

　
｢俺、長岡洋平ね♪｣

｢どうも｣

２人の自己紹介タイム

｢で、あんた名前は？｣

今度はあたしに振られた

｢勿論フルネームで♪｣

｢安達ゆうき｣

そう言うと長岡君は"男みたいな名前だね"ってあたしの名前を馬鹿にした

気分悪い！！！！！

あたしはムスっとした

｢あんた顔に出やすいね｣

　
ズバズバとすぐ口にする長岡君の印象はあたしにとって凄く悪かった

ーーーー-‥

｢なんかしゅん君に似てない？｣

｢誰が？｣

｢さっきの洋平君｣

!!!!!!!??????

｢似てない！｣

｢そうかぁ？｣

あたし達は正門をくぐった

と、ちょうどしゅん君からの電話が鳴りあたし達は合流した

駅まで歩いてると、まさやが誰に呼ばれた

振り返ると長岡君が歩いてきた

　
今１番会いたくない人

｢お疲れっす｣

｢駅まで一緒行こうや｣

｢あ、いいっすよ♪｣

そんな２人を無視してあたしはしゅん君と先を歩こうとした

なのに‥

｢まさや誰、誰？♪｣

人懐っこいしゅん君は長岡君にくいついた

｢転入してきた洋平君っす！しゅん君とタメっすよ｣

｢｢まじ♪？｣｣

３年２人がハモった

　
この２人が後に大親友となる

駅までの距離、４人で歩いた

邪魔なのに当時はそんな事思わなくて横一列に並んで歩く

しゅん君と長岡君(次からは洋平君にする)は同い年とあってすぐに仲良くなった

｢あ、俺の彼女ね♪｣

ふと洋平君にあたしを紹介するしゅん君

｢しゅんの彼女やったん？｣

さっそく呼びすてだし

｢そうっ♪手出すなよ｣

｢出す訳ないじゃん！ま、パンツは見たけどね♪｣

またこの男は余計な事を

　
そんな洋平君の発言にしゅん君が食いついたのは言うまでもない

あたしも聞かれた

そこにまさやが入ってくれたから良かったものの、あたしは洋平君を思いっきり睨みつけた

洋平君を最も嫌いなタイプと認定してたあたしには、駅までの時間がとても長く感じた

駅につき"それじゃぁね"て、やっと解放される、そう思ったのにあろう事か洋平君もあたし達と同じホーム

べらべらとよくもまぁ口が動く

大きな声で周りの目なんて関係なく喋ったり笑ったりして

あたしは３人から少し距離を開けて座った

　
コソコソとしゅん君達を見ながら話す人

気づかず話しを続ける３人

静かにしろよι

するとあたしを気にしてか、しゅん君が隣へ座ってきた

｢ゆうちゃん♪｣

小さい子の機嫌をとるようにあたしの機嫌をとりにきた

｢チュッパ食べる？｣

物で釣るな

でもあたしは飴を受けとった