短編
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#1 [凛] 11/07/14 02:54
「あなたとわたしの物語り」
#133 [凛]
「え…?
藤咲さんのお宅ですよね?」
「えぇ、そうですが…」
「すみません、私。神埼凛と申します。
今日、俊也さんにお話しが合ってお伺いさせて頂きました。
御在宅の時に、また改めてさせて頂きます。」
一礼しソコを後にしようとした時…
「凛さん!!」
と、見知らぬ彼女に呼ばれ、私は足を止めた。
:11/08/23 00:00
:N02C
:☆☆☆
#134 [あ]
更新楽しみにしてます
:11/09/08 03:56
:SH01A
:j8ERKjyE
#135 [凛]
「はい?」
振り向くと頭を下げて申し訳なさそうな顔でこちらを見上げた。
私は意味が分からず首を傾げる。
「俊也から話は聞いてます。
どうぞ、上がって下さい。」
そう招かれた先は、私がかつて…彼を愛していた場所。
:11/09/10 06:54
:N02C
:☆☆☆
#136 [凛]
まるで私がココに来るのが分かってたみたいなしゃべり方をした彼女が、どうも気味悪かった。
「あ、えぇ。
あの…失礼ですけど…
"愛"さんはここにいらっしゃいますか?」
「居ないです。」
そう言うと、中へ…と案内された。
:11/09/10 06:55
:N02C
:☆☆☆
#137 [凛]
玄関に一歩足を踏み入れると、嗅ぎ慣れない香りがした。
伏せたはずの写真は、もうそこには無く、綺麗な花瓶に花が飾られていた。
綺麗にされてる玄関を見て、ここに居る女の几帳面さを感じた。
パンプスを揃え、複雑な気持ちで"お邪魔します"と言い"どうぞ"と案内された居間に向かう。
:11/09/10 06:55
:N02C
:☆☆☆
#138 [凛]
ふとキッチンに目をやると、あの日に作ったままの朝食は無く綺麗に片付いてるキッチンが目に入る。
ふと辺りを見渡すと、あの日切り散らかした髪の毛やハサミは跡形も無く消えていた。
真っ白いカーテンに目をくれ、手を添える。
このカーテンは、彼と一緒に選んだもの。
あの時と比べると少し黄ばみを帯びていた。
:11/09/10 06:56
:N02C
:☆☆☆
#139 [凛]
きっとこの汚れは一度洗濯しただけでは落ちることの無い、時と共に着いた汚れ。
そっか…時間はこんなにも経って居たのか。と、肩まで伸びた髪を撫で、あの日から何も変わって無いのは私自身だけだ、と寂しく感じた。
:11/09/10 06:57
:N02C
:☆☆☆
#140 [凛]
どうぞ、と差し出されたお茶を眺め私は腰をおろす。
「ありがとうございます。」
礼儀として、一言言い
飲みたく無いお茶を口に運ぶ。
新しく買い換えたのか、まだ新しいテーブルはとてもお洒落な物だった。
:11/09/10 06:58
:N02C
:☆☆☆
#141 [凛]
「あの、お話しって…?」
そうすると彼女は淡々と話をし始めた。
彼女は、かつて彼を置き…夢を追い掛けて行った人。
夢に挫折し、彼の元へ帰って来たと。
名前は優香里。
私のことを前妻だと聞いており、よく写真を見せられたこと。
そして今、愛からのストーカーに困ってること。
:11/09/10 06:58
:N02C
:☆☆☆
#142 [凛]
あの時、肩を落として居た俊也を支えてくれてありがとう。
彼との子がお腹に居るから愛のストーカーを阻止してほしい。とお願いして来た。
言葉が出なかった。
うつ向く私に彼女は、こんな事をお願いして申し訳ないと謝罪し、今度こそ彼と幸せになりたいから、と涙を流した。
泣きたいのはこっちの様な…
こんなことをまともに聞けてる私は、本当に頭がおかしくなってしまったのか…
:11/09/10 06:59
:N02C
:☆☆☆
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