ただの夢物語
最新 最初 全 
#1 [ひろ] 11/08/04 15:25
「あたし…ひろのこと好き」
泣きながら抱きついてくる友達…あかり。
「よしよし、寂しいね」
そう行って抱きしめる自分は女。
同性愛になるになりきれなかった1年前。
#2 [ひろ]
酒を呑む、つまみのミミガーを食べる、グロいDVDを見る…
これが習慣となったのは去年の10月。
ひろ…自分は1人暮らし。
あかりは実家暮らしで、自分と同じ会社で昼間は働き、夜は気まぐれに呑み屋の仕事をしている。
呑み屋の仕事が終わると、毎日のようにここへ帰ってくる。
酒の匂いをプンプンさせて。
「ひろちゃ〜ん…吐きそう。抱きしめてー」
「抱きしめて吐かれたら嫌やもん。もう寝なさい(笑)」
「まだ寝ないし!DVD観なきゃ!せっかく借りたんだからちゃんと観ないと」
:11/08/04 15:32
:F02B
:2Ctvv/GM
#3 [ひろ]
そして同じソファーに腰掛けて、あかり曰わく自称二次会ということで、自分と一緒に少量の酒を呑む。
あかりに出会うまで、自分はこんなに酒を呑んだことはなかった。
だからすぐに顔は真っ赤。
「今日客と喧嘩した」
「カラオケ歌いすぎた」
「タバコ吸う時間ないくらい忙しかった」
こんな愚痴はよく聞く。
そっか、そうだね、…
そんな話を聞いている時、毎回決まった時間にあかりのケータイが鳴る。
通話ボタンを押し、さっきとはうってかわって猫なで声で話し出す。
:11/08/04 15:39
:F02B
:2Ctvv/GM
#4 [ひろ]
「もしも〜し?う〜ん…呑み過ぎたぁ♪違うって(笑)うん、明日また仕事だよー?無理はしてないよぉ♪だって早くトモの所に行きたいもん♪」
トモ…
あかりの彼氏。
1歳年下の、この辺では有名なイケメンらしい。
何があったか知らないけど、東京に行くことになり、今は遠距離。
あかりと自分は、タメの21歳。
入社当時、あかりと話すようになって聞いたことがある。
「もうすぐあたし、東京行くんだ♪」
理由は結びついた。
彼氏のもとに行くため、こうして疲れた体に鞭打ってまで呑み屋で仕事するのは、資金を貯めるため。
:11/08/04 15:53
:F02B
:2Ctvv/GM
#5 [ひろ]
思い出すと、不思議でたまらない。
あかりという人間に、少しずつ惹かれていく自分がいた。
大人でもなく子供でもなく、自分の考えをしっかり持ってて。
仕事の時はすっぴんで眼鏡、長い髪を1つに縛る。
呑み屋に行く時はバリバリ化粧して、ビフォーアフターが激しい、コテコテのギャルさん。
華奢な体…というより、細過ぎてこっちが心配してしまうくらい。
自分から見ると、普通に美人さん。
ただ、自分はすっぴんの時のあかりが好きだった。
ありのままのあかり!っていう感じがして。
化粧をしたあかりは、仮面を被ってる気がして…
:11/08/09 20:14
:F02B
:NfZvvdeg
#6 [ひろ]
あかりとまともに話をするようになったのは、去年の9月の終わり頃。
会社は同じ部署で、猫が好き!とか馬鹿話で盛り上がったりとかで仲良くなったっぽい。
「ひろちゃん、アド教えて♪」
いつかの仕事帰りに言われた。
「あ〜、いいよ」
で、最初はもちろん
「あかりだよ♪登録よろしく♪」
からの
「登録完了♪」
からの
「いつでも連絡してね」
からの
「分かった」
:11/08/09 20:27
:F02B
:NfZvvdeg
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194