愛情って何ですか。

柚樹(仮名)20歳。
母の愛情ってやつが
どんなものか知りたい。
私は母が大好きだ。
母は私を……好き？
私の20年をざっくり
書いてみます。

この頃色々な事があった。

母に彼氏がいて、
一緒に住み出した。
拾った猫が家族になった。リストカットを始めた。
水商売を一旦やめた。

これを書いてる今、
一人用ソファに無理矢理
入ってきて横でピタッと
すっかりデブくなった猫が寝ていますｗｗ

二月、私は15歳になった。
後輩女子の中で
一番人気だった私は
(後輩が勝手につけてた
ランキングがあるらしく、同級生に聞かされたｗｗ)
バレンタインに後輩から
約30個、同級生からは
約20個チョコやら菓子やらクッキーを貰った。
誕生日プレゼント入れたら60～70個は貰ったはず。

いや、私、女子だぜ？ｗｗ
すまないな男子よｗｗ

ガチ告白もされたっけ…

女子に………←

バレンタイン、誕生日
それが過ぎれば
あっ、と言う間に卒業式。

まだ咲いてない桜を横目に体育館へ向かう。
定時制も受かったし
1ヶ月後には高校生か。

｢ダルいね。眠くなるや。｣式の途中に話しかけてくる同級生も、｢あくびやし｣と言いながら目を
潤ませている。

もうすぐ私の名前が
呼ばれる。

｢はい。｣
今までの中学生活の中で
一番背筋を伸ばしたと思う
一礼して席に座る。
その後後輩達の
歌なんかがあった。
同級生のほとんどが
泣いていた。

｢卒業退場｣

席を立ち、後輩達の
アーチをくぐり抜ける。

｢後で写真撮って下さい｣
｢いいよー。｣
｢ボタン下さい｣
｢ブレザーのでよければｗ｣
可愛い後輩をもって
幸せだなあ。

外に出て母を待つ間
後輩達が群がってくる。
｢柚先輩ボタン下さいー｣
｢泣いちゃいました私｣
｢これ、花束、どーぞ｣
｢柚ちゃん写真とろー｣
遠くに母を見つけ、
少し待ってと合図する。
｢柚樹ー卒アル書いてー｣
同級生も集まってくる。
15分ぐらいして、
やっと解放された。
｢柚樹、卒業おめでとう。｣｢おかん、ありがとう。あ
もっかい待ってて。｣

担任に挨拶しなきゃ。

｢せんせ、今まで
ありがとうでした。｣
｢柚樹…。｣
私の顔をみた途端、
だばだばと涙を流した。
｢先生、柚樹が一番
心配で…。根はいい子やしやればできるのに、
見た目で損するし…｣
｢ははっありがとう。
ほんまにありがとう。｣

元気でね、と別れ
母の元へ戻る。

｢あんた、人気者なんやな｣｢まあね。アカン腹へった
早く帰ろ。｣
何でそんなに急ぐの、と
言う母の横からまた
同級生に後輩達に…

｢柚樹写真とろーよー｣
｢先輩っこれっ!!｣

｢だから早く帰ろってば…｣結局帰れたのは
卒業式が終わった
１時間後。
１時間ずっと写真やら
メッセージ書きやら…

帰宅して、ボタンの取れたブレザーを掛ける。
もう着る事はない制服。

部屋着に着替え
なんとなく中学生活を
振り返る。
タバコ吸い出したの
中学１年か…。
タバコで怒られたっけ。
喧嘩とかしたなー。
椅子が飛んできたから
投げ返したっけ。

思えば遊びに行ってただけみたいな中学生活ｗｗ

無意識に左手に
右手を乗せる。

そういえば最初に
リストカットしたの
中学２年だっけ…。