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ー2009年10月末ー

出会いはネット。

掲示板で地元が近いということから絡むようになった。

彼との絡みは他の人とは違って楽しかった。

１週間くらいして、メールでやり取りが始まった。

この頃の私は中学３年生。

受験シーズンの中、ただただ教室の静かさとか空気の重さで１人そわそわしていた。

もちろんクラスでも浮いていた。

耐えきれなくなり、教室を出ていつもの非常階段。

中２の頃の授業中は常にと言っていいくらい誰かがいたのに、
そんな非常階段も今は１人。

座ってポケットから煙草を出して火をつける。

そして携帯を開ける。

もちろんいつもの掲示板にアクセスする。

『マーリー』

彼のハンドルネーム。

“学校がんばれ～”

“今休憩中”

など、私のスレッドに書き込まれている。

私はニヤリとしながらレスをする。

もちろんすれ違ったりもするので、レスが返ってくるのに時間がかかることもある。

だが、彼以外にも私のスレッドにレスしてくれる人もいたので暇潰しになった。

『マーリー』の本当の名前は亮(仮名)

今年二十歳になった男。

仕事は鳶、一人暮らし。

中学生の私にとっては大人の世界だった。

夜になると私も彼も暇な時間になるためその掲示板にアクセス。

メールをしながら掲示板で絡んだこともあった。

彼はメールで

“電話しよう？”

どうせ暇だったしOKした。

初めての声…少し緊張したが笑いながら色んな話をした。

彼との電話は飽きなかった。

ー2009年11月1日ー

この日は日曜だった。

亮も仕事がなく、私も予定がなく暇な２人。

電話で話していた。

“ひま～”

“あそぼか！(笑)”

みたいな会話。

遊ぶ気なんてなかった。

けどあまりにも暇だった私は結局遊ぶことにした。

私は駅まで歩いて行き、電車に乗って隣の駅で降りた。

近い…

そう思ってしまった。

“着いた”

っと亮にメールを送ると電話がかかってきて

“今向かってる”

っと言われた。

“俺、緑のＴシャツにキャップかぶってる”

キョロキョロする私。

亮が先に私を見つけたようで

“キョロキョロしてるやろ”

みたいなことを言われて恥ずかしくなった。

無事合流して近くのコンビニでジュースなど買って亮の家に向かった。

亮は11月だというのに半袖で、部屋には冷房がかかっていた。

(暑がりなんや…)

亮はレゲエが好きらしく気まずい空気を気にしてか、レゲエのDVDをたくさん見せてきた。

私はあまり興味がなかったが、

“へえ～”

っと言っておいた。

そんなことをしていると私の門限、19:00を過ぎていた。

“帰る”

っと言ってタクシーで私の家の近所のコンビニまで送ってもらい帰宅した。

当然門限が過ぎているため、その日は怒られた。