ワタシの値段

高校1年生の春｡
私は私を商品にした｡
なぜかって？
それは簡単｡
目先のお金にくらんだから｡

高校に入学し、友達も増え
毎日放課後は遊びに行った。

最初は限られたおこづかいでやりくりしていたが、そのうち財布の中には小銭しか残らないようになった。

せっかくできた友達の誘いを
私は断りたく無かった。

親に媚びて毎日おこづかいを貰ったけど…足りない…

バイトをする事も考えたけれど、親は反対だった。

私は2人姉妹の妹で
2つ離れた姉も高校生の時はアルバイトを許可してもらえなかった。

私は学校でおとなしい訳でもないが飛び抜けて目立つﾀｲﾌﾟでは無い。

学校はちゃんと行くし、宿題も勉強もきちんとしてる方…。

だけど友達は俗に言うｷﾞｬﾙが多かった。
髪を染めたり化粧をしたりスカートをｷﾞﾘｷﾞﾘまで短くしたり…
そんな友達に憧れもあったが…

友達の批判はしたくないが、大人達がよく言う『見た目で判断』は何だか分かる気がするのだ。

親や大人は人を見た目で判断する。

ｷﾞｬﾙ系の友達を
『あんな子にはなっちゃ駄目よ』
『不真面目な子』
『みっともない』

その子の中身を知ってる訳じゃないのに…

そんなある日、私は自分の値段を知ってしまう。

『ワタシの値段』

あっけなかった…

高校にも慣れた頃、学校から帰ると家には誰もいなかった。

いつもは必ず母がいるはずなのに…

疑問を抱きつつも、しばらく家でくつろいでいた。

…7時。

おかしい…
姉も帰ってこない。