ごめんね。

　
「ごめんね。バイバイ」

夏の土砂降りの中
あたしは別れを告げた。

あの日あの時あの場所で
今も立ってるユウちゃんが
何回も夢に出てきた。
　

　
最初は怖かったけど
話してると本当に普通の女の子。
カウンターでヒロさん
マリさんって３人で話していた。
ヒロさんはすぐ居なくなったけど
あたしとマリさんはずっと話していた。

途中統轄に呼ばれて行った。
ソフアーの所に座っていると
ヒロさんの声が聞こえた。

「マリ、もう帰れ」

皆に聞こえない声で
でもあたしには聞こえた。

マリさんは「何で？」って言ってるけど
ヒロさんは「帰れ」しか言わなかった。
　

　
あたしは気づかないふりして
統轄とか皆で話していた。

「じゃあたし帰るね」

後ろを向くとマリさん。
普通に笑っていた。

「あっお疲れさまです！」

あたしも笑顔で返した。
マリさんが帰った直後
統轄に耳元で言われた。

統轄「お前なに話してたの？」
リナ「普通に話してた」
統轄「こっちで皆であの３人
　　　１番まずいメンツじゃんって
　　　話してたんだよ」
リナ「え？なんで？」
統轄「お前は馬鹿だな。
　　　なんでヒロさんがマリを
　　　無理矢理返したか分かるか？」
　

　
リナ「え分かんない」
統轄「リナが居るからだろ」

意味が分かんなかった。

統轄「お前が居るからなんだよ。
　　　リナ本当に鈍感だな」
リナ「褒めてんの？」
統轄「褒めてねーよ！！」

そう言ってわらった。
そして最期に

「お前最期まで居ろよ」

って統轄に言われた。
なんでやねーん！！
リナ…早く帰りたい…。
　

”同音異義語“って知ってる？ｗバカには難しすぎるかｗｗｗ
あんたが使ってる「最期」の意味調べてみたら？ｗｗ

　
まあ、次の日は
ちょうど休みだったから
ちょっと居た。

他のお客さんとかが
帰ってあたしたちだけになった。

統轄「さて、俺たちも帰るか」

統轄の一言で皆立ち上がった。
あたしも立ち上がって
ジャンバーを着た時に
統轄に座らされた。

統轄「ヒロさん！！
　　　リナ置いて行くね」
リナ「はっ？！」
統轄「ヒロさん頑張ってね」

そう言って帰って行った。
　

　
あたしはまさに
ポカーン。

リナ「ごめんね。帰る」
ヒロ「いいよ。ゆっくりしてきな」

そう言われてあたしは座った。
ヒロさんと一緒に働いてるユウヤ君。
ユウヤ君も終わって早く帰って行った。

「ごゆっくり～」

って言いながら。ww
残されたのは
あたしとヒロさん。
なんか気まずくなった。

なんでいつもこうなるの…。
　

　
あたしはソフアーの所で座って
ビールを呑んでいたら
ヒロさんが仕事が終わって
あたしの隣にきた。

ヒロ「この前…」

ヒロさんの言う
「この前」はすぐに分かった。

ヒロ「急にごめんな」
リナ「はは。何急に！」
ヒロ「嫌だったか？」
リナ「何それー！」
ヒロ「嫌じゃなかった？」
リナ「酔っぱらってるの？」
ヒロ「全然呑んでねえよ」

ヒロさんは近づいて言った。
　

　
ヒロ「リナが嫌だったら
　　　ごめんって言おうと思った」
リナ「嫌じゃなかったけど
　　　ビックリした」
ヒロ「ははは。そうか」

ヒロさんは笑って言った。
え？え？え？
あたしがポカーンしてると
ヒロさんは言った。

ヒロ「お前彼氏いるだろ」
リナ「えっ！？居ないよ」

かなりビックリして
声が裏返った。

ヒロ「お前は分かりやすいからな」
リナ「居ないよ！」
ヒロ「ふーん。じゃ付き合お」

…は？
　

　
リナ「真面目に言ってますか？」
ヒロ「うん」

嘘つけー！
…どうしよう。

ヒロ「嘘だよ！お前本当に
　　　分かりやすいな」

そう言って笑った。

リナ「…はは。嘘かい！
　　　そだよね！はははー
　　　じゃ帰ります」

そう言って立ち上がったら
「送る」って言われたけど
「結構です」って言って帰った。

なんなんだ。
大人が餓鬼んちょを
楽しくからかって…。
　