～宝～

あたしは次の日悩んだけど、正直に全て話してしまった。

なるきｸﾝは少しの沈黙の後こう言った…
（忘れよう二人とも…これからのお前と俺の幸せ考えよう…俺が守るから。）

そうやんな…そんな話しされても、困るだけだと話した後にきずいたあたし…

そして２人は付き合う事になった…

あたしは毎日なるきｸﾝと連絡をとるだけで幸せだった…
週に1回は、あいに来てくれた。

家が少し遠いからずっとそばにいる事はできなかった。

なるきｸﾝは、高校には行かず働いている人だったから、あたしを色々な所に連れて行ってくれた。

週末はなるきｸﾝの家に、必ず泊まるようになっていた。

そして中３に上がったある日…もう2日なるきｸﾝから連絡がなかった…
寂しくて辛くて心配で…何かあったのかもしれないと不安ばかりが、あたしを襲った…

親友のまきとは相変わらず、毎日一緒にいたからまきも心配してくれていた。

まき
（連絡まだないの？）

るな
（う…んどうしたんやろ…こんなん初めてやから心配やわ）
と言いながら、メールや電話を何十回もしていた…

あたしは嫌な予感がしていた…こんな事今までなかったから…

その時だった…

（もしもし～）
……女の人の声が耳に響いた…
あたしは身体中が固まって声が出ない…
女
（誰？まじしつこいんやけど？）

あたしは怒りが込み上げてきた…事故にあったんじゃないかとか心配してたのに…

るな
（誰？ってあなたが誰？）

女
（お前が誰？）

るな
（彼女ですけど…なるきｸﾝに代わって下さい…）

女
（あっあたしは、なるきｸﾝの友達やけど～なるきｸﾝお風呂入ってるから上がったら言っておくね～）
あたしは、直ぐに電話を切った…涙が止まらなかった…馬鹿にされてたんや…

まきは何も聞かず、あたしの頭をそっと撫でてくれた。

それ以来なるきｸﾝからの、連絡が来る事はなかった…

どこかで連絡を待っている自分に腹が立って仕方なかった…
あたしはなるきｸﾝを一瞬でも忘れたくて、まきとギャルサークルに入って毎日クラブで踊ったり、男に抱かれたり…日サロに行ったり…

でも毎日眠りに着く前には、なるきｸﾝを思い出しては涙が溢れる…他の男に抱かれてもなるきｸﾝを思い出してしまう…

そして中３の終わりに、１人の男の人に出会いあたしはまた本気の恋をした…

それがマサだった…あたしの中からなるきｸﾝを、忘れさせてくれた人だった…

あたしとまきは、マサの友達にナンパされてマサは無理矢理呼ばれてやってきた。なんとも無口で、話しにくい人だった…

カラオケに行ったものの、盛り上がるどころか会話ゼロ…

まきはマサの友達の、しゅんｸﾝと番号を交換していたが、あたしはマサとは連絡先すら交換しないままだった…

会話ないし交換する気すらなかった。

それから数日して、しゅんｸﾝとまきは付き合う事になっていた。

まきがある日マサｸﾝが、るなの番号知りたいらしいと話してきた…

別に嫌じゃないし教える事にした。
その日の夜マサから着信があった…

マサ
（もしもし）

るな
（はい）

マサ
（今電話いける？家？）

るな
（外やで、まきといる）

マサ
（コラ！コラ！帰りなさい危ないから）
るな
（で、何か？）

マサ
（いや別に…これと言って用事はないけど今から俺のとこくる？）

るな
（は…？行ってどうするん？）

マサ
（ちょっと話しがあって…）

あたしは隣にいた、まきの顔を見た。
まきは何度も笑いながらうなずく…
行けと言わんばかりに…

るな
（わかった…こないだの所でいい？）

マサ
（すぐ行く！）