今でも
最新 最初 🆕
#1 [なおみ] 12/07/08 23:43
きみちゃん。

夏樹さんと連絡取るの、もうやめるね。

いつまで経っても、きみちゃんが心の中にいるんだよ。

だから、きみちゃんに繋がる愛しい存在たちから、逃げることにしました。

ずるいかもだけど、分かって欲しい。

#166 [なおみ]
年末に向けて、忙しくなり、私は夏樹さんのメールに返信できないでいた。

というより、返信できる時間はあった。
忙しいとかただの言い訳かもしれない。

徐々に夏樹さんへの返信が億劫になってきた。

きみちゃんが脳死状態になってから、1ヶ月半経とうとしていた頃だった。

⏰:12/08/24 20:42 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#167 [なおみ]
私は一週間とちょっとぶりくらいにきみちゃんがいる病院へ向かった。

前日に夏樹さんに行くと連絡していたが、返事はなかった。

病室に入ると、きみちゃんが眠っているベッドの横に、腰かけている夏樹さんの姿があった。
いつも見る光景だった。

私「こんにちはー。」

私はきみちゃんのお母さんと夏樹さんに挨拶した。

⏰:12/08/24 20:47 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#168 [なおみ]
すると、夏樹さんは私の顔を見るなり私の腕を掴んだ。
廊下へ私を連れ出すと、睨むような目付きでこう言った。

夏「二度と来ないで。」

夏樹さんは徐々に息が荒くなり、私はあのパニックを起こしたときのことを思い出した。
これ以上興奮させないようにと、私ははい、とだけ返事をして帰った。

⏰:12/08/24 20:53 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#169 [なおみ]
訳がわからなかった。

何がいけなかったのか。

もしかして、夏樹さんがきみちゃんと私のことすべてを知ってしまったのか。

そんな不安すら出てきた。

エレベータを待っていると、きみちゃんのお母さんが私を追いかけてきてくれた。

⏰:12/08/24 20:55 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#170 [なおみ]
公母「なおみちゃん、待って!なっちゃんに何言われた?!」

きみちゃんのお母さんは私を気遣うように聞いてきた。

私「あ、すみません...。なんかあたし、夏樹さんを怒らせちゃったみたいです。しばらく来るの控えますね。」

私はうまく笑えていたか気になった。

公母「いいのよお!公貴のためにまたちょくちょく来てあげて?」

きみちゃんのお母さんは私を覗きこんだ。

⏰:12/08/25 19:47 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#171 [なおみ]
公母「実はね、亮くんから公貴となおみちゃんのこと、全部聞いたの。」

私はびっくりして、きみちゃんのお母さんの顔を見たまま固まってしまった。

公母「公貴が、なおみちゃんに辛い思いさせちゃったみたいで、ごめんね。」

私「ふ...。」

私は涙が込み上げてきた。

本当の気持ちを隠したまま、病院に通っていることは辛かった。
病院にいる私は、"夏樹さんの友だち"として振る舞ってきた。

本当は泣き叫びたい気持ちを、
先生にすがり付きたい気持ちを、
きみちゃんに触れたい気持ちを、
すべて我慢してきてた。

⏰:12/08/25 19:56 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#172 [なおみ]
きみちゃんのお母さんは、私を座らせて、お茶を買ってきてくれた。

公母「なっちゃんね、普通の状態のときとおかしいときがあるでしょ。切り替わるタイミングはよく分からないんだけど、またいつものなっちゃんに戻るから、許してあげてね。」

私は頷いた。

公母「なおみちゃんも公貴とゆっくり話したいでしょ。今度時間作ってあげるから、また来てね、絶対!」

そっか。
きみちゃんのエスパーぶりは、お母さん譲りなんだなあ。

私「ありがとうございます。」

⏰:12/08/25 20:11 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#173 [我輩は匿名である]
その日は大人しく帰った。

きみちゃんのお母さんのことも、どんどん好きになっていった。

夜になると、夏樹さんからメールが来た。

夏『今日はごめんなさい。』

私も、返事をしなかったことを謝った。

少しだけ、夏樹さんを煩わしく感じた。

⏰:12/08/27 20:38 📱:Android 🆔:o0SI0U62


#174 [なおみ]
↑すみません名前が消えてました: /

私はしばらく夏樹さんとも連絡を取らず、お見舞いも控えた。
ただ、きみちゃんのお母さんのことが気になり、それから二週間後に行った。

その日は雨が降り、とても寒い日だった。

いつもの時間帯に着くと、病室にはきみちゃんときみちゃんのお母さんがいた。

公母「あら!なおみちゃん、いらっしゃい!」

きみちゃんのお母さんは笑顔で迎えてくれた。

⏰:12/08/27 20:48 📱:Android 🆔:o0SI0U62


#175 [なおみ]
公母「今日なっちゃんね、検診があっていないのよ。」

私はほんの少しだけ、ほっとした。

公母「この間はごめんね。あのあとなっちゃん、泣いてた。」

私「夏樹さんからごめんなさいって連絡来ました。私こそ、すみませんでした。」

きみちゃんのお母さんは首を横に振ると、そうだ、という感じで私に言った。

公母「ね、なおみちゃん、お留守番お願いしていい?あたし、銀行と郵便局行きたくて。」

1時間くらいで戻ってくるからと、きみちゃんのお母さんは出ていった。

⏰:12/08/29 20:40 📱:Android 🆔:v2AjV1iY


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194