私が世界で一番キライな女
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#4 [性悪女]
だけど私は誰とも付き合わなかった。
茶髪で長身で
遠くからでも異彩なオーラをあいつ…
「柏原!」
あいつは私に気づいて顔を上げる。
「おー!こんなとこで何してんの河北!学校はー?!」
この異彩なオーラを放つ男、柏原は中学入ってすぐに出会って、私がずっと好きな相手。
:14/07/15 09:56 :iPhone :VrQVDsi6
#5 [性悪女]
マドンナ扱いされて、あまり気軽に話しかけてくる男がいない中、この柏原だけは私にも皆と同じように接した。
柏原はちょっと悪いグループに入ってたけど、誰とでも気軽に話すし愛嬌もあるから、年上からも可愛がられ、年下からも慕われ、同級からは一目置かれた存在だった。いつもグループの中心にいた。
:14/07/15 09:59 :iPhone :VrQVDsi6
#6 [性悪女]
女子からの人気もすっごくあったけど、
「柏原とつりあうのはリカ(私ね)くらいだよー!」
「二人ほんと様になる!早く付き合いなよー」
「柏原も絶対リカのこと好きだよね!ちょーお似合い!」
とか周りに言われまくってたし、私もそう思ってた。
私たちは両想いだって。
:14/07/15 10:02 :iPhone :VrQVDsi6
#7 [性悪女]
私は県内で一番偏差値の高い私立高校に行くか、柏原が行く高校に行くかですごく迷ってたくらい柏原が好きだった。
何でも話せるし、私の中身を見てくれる。
困ったときには一番に助けてくれる存在だった。
:14/07/15 10:04 :iPhone :VrQVDsi6
#8 [性悪女]
「学校はー?!って…
こっちの台詞だよー!!
先生に言われて柏原のこと迎えにきたのー!!ほら立って!!」
柏原は一緒につるんでた軍団に向けて
「こいつうっせーから学校行ってくるわー」
と言い、私の元にきた。
:14/07/15 10:11 :iPhone :VrQVDsi6
#9 [性悪女]
軍団はヒューヒューだの、柏原のことヨロシクねーだの色々ヤジをとばしてきた。
周りもみんな私たちの仲を知っていた。
付き合うまで秒読み?
いやむしろもう付き合ってるようなもんだった。
だから焦って付き合う必要はないと思ってた。
これが間違いだったのかな?
柏原、あの時は私のこと好きだった?
それとも友達として仲良くしてくれてただけ?
:14/07/15 10:13 :iPhone :VrQVDsi6
#10 [性悪女]
二人で学校へ向かう途中、思い切って聞いてみた。
「柏原ってさ、高校どーすんの?」
「俺?俺さ、もしかしたらバスケの推薦で高校いけるかもしんないって担任に言われてんだよねー!でもまぁ働いてもいんだけどね俺的には!」
私は柏原には絶対高校に行ってほしかった。
「え、いいチャンスじゃん!行きなよ!絶対高校楽しいっしょ!」
:14/07/15 17:35 :iPhone :VrQVDsi6
#11 [性悪女]
「んーでもなぁ…」
歯切れの悪い柏原。
「何をそんなに迷ってんの?
ところでどこの高校なの?」
「S高」
S高とは県内一の私立高。
私の志望校だ。
「え?!本当に?!推薦きたの?!」
感情が高ぶる私。
もしかしたら
もしかしたら
高校も同じところに行ける?!
:14/07/15 17:37 :iPhone :VrQVDsi6
#12 [性悪女]
柏原はS高の遠さに迷っているようだった。
確かに私たちの地元からは電車で一時間かかるうえに乗り換えまでしなくてはいけない。
「私も勉強頑張って自力でS高入るから
柏原も推薦受けてよ!
そしたら毎朝起こしに来るし!」
「本気で言ってんのー?!
まじで頼むよー?!
中学と違って高校は遅刻の回数とか
厳しいって聞くから不安で不安で!」
:14/07/15 17:41 :iPhone :VrQVDsi6
#13 [性悪女]
こうしてあっさり私たちは同じ高校に行けることになった。
え?お前はまだ受かってないじゃんって?
受かるに決まってるじゃん。
才色兼備で有名な河北リカ様だっつーの。
:14/07/15 17:42 :iPhone :VrQVDsi6
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