空に溶ける-手紙-

電灯の光を頼りに
文字を追った。

－･･･････－

最初の出だしを見て
僕は手紙をすぐに封筒に戻した。

呼吸が苦しくなった。
心臓がドクンドクンと
波打っている。

美羽･･･

"私、もうすぐ死んじゃうんだね"

正直･･･この手紙は
読みたくないと思った。

頑張ってください
(´∀｀)

殺那さんへ
マジ久しぶりですね＾＾
ありがとうございます！！

>>13

部屋に着いて

再び手紙を読み始めた。

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真ちゃんへ

私、もうすぐ死んじゃうんだね。
体の中でカウントダウンが始まっているみたい。

あと一年･･･一ヶ月でもいいから長く生きたかったな。
もっともっと真ちゃんの側にいたいもん。

毎朝、真ちゃんのネクタイを締めて
Yシャツにアイロンをかけて
朝ご飯を作って
部屋の掃除して
夕方には買い物して
美味しいご飯を作って
アイス食べて
ベッドで真ちゃんの鼓動を感じながら
眠りたい。

ずっとずっと夢見てた
真ちゃんの奥さん。

夢のまま終わっちゃうのかな･･･

3週間後には、
私はもうこの世に存在していない。

でも一つだけ
楽しみがあるんだ。

私が死んだら
空に逢えるかもしれないね。
凄く凄く楽しみだよ。

空は私のこと恨んでいるかな？
私があの時、階段から落ちなかったら
空は死ななかったのに･･･

せめて空と一つになったまま
死にたかった。

真ちゃんの部屋に帰りたい･･･

また二人でアイス食べながら
ぴったり寄り添ってテレビ観たい。

それももう出来なくなるの？

いずれ失明するって
言われたけど
目が見えなくなっても
私は絶対に真ちゃんの顔を
忘れない。

絶対に忘れないよ。

真ちゃんの表情一つ一つ、
私の頭の中にインプットされてるもん。

私の19年間は、
きっと真ちゃんに
出会うために
与えられたものだね。

色んな試練を与えられたけど
どんな時も、真ちゃんは
私を大切にしてくれたし守ってくれた。
私は幸せです。

今、真ちゃんの近くにいられる喜び、
真ちゃんに気兼ねなく触れることの出来る喜び、
愛することの喜び、
たくさんの幸せを教えてくれて
本当にありがとう。