〇ニ番目の四季〇
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#163 [ゆり]
(濡れるしかないか)
そう思って行こうとすると
見慣れたヘッドライトが見えた。
本屋の前に停まり、
助手席の窓が開いた。
「やっぱりゆりちゃんだ」
中からは懐かしい…
高橋さんの顔と声。
あたしはびっくりして声が出なかった。
:06/05/30 22:15 :V703SH :vYkyxf/c
#164 [ゆり]
「風邪ひくよ?乗って」
その声に誘導される様に
助手席のノックも忘れ
香水も香ったまま
車に乗り込んだ。
「久しぶりだね、学校帰り?」
「…あっハイそうです」
いきなりの事態にあたしは困惑していた。
「髪巻き巻きじゃん〜大人っぽくなったね」
そう言って自然に左手であたしの髪に触れる。
:06/05/30 22:28 :V703SH :vYkyxf/c
#165 [ゆり]
「エクステ付けたから…」
「そーなんだ〜高校の時はギャルって感じだったのにね(笑)」
会ってなかった時間が嘘みたいに
高橋さんとの距離が埋まる。
でも何かが違う。
そう思ったんだ。
:06/05/30 22:32 :V703SH :vYkyxf/c
#166 [ゆり]
やっぱり薬指には証が光っていた。
「高橋さんは変わらずかっこいーですね(笑)」
「まぁね〜」
「否定しないとこも変わってないし!笑
彼女さんとは仲良くやってる?」
「ん〜まぁ…」
彼女さんの話題になると言葉を濁すとこも、変わってないな。
そうやって少しは気遣ってくれてたんだよね。
:06/05/30 22:34 :V703SH :vYkyxf/c
#167 [ゆり]
他愛ない話しをしながら
軽くドライブをして
家の前に着いた。
「ありがとうございました☆」
シートベルトを外すと
同時に高橋さんも外した。
次の瞬間
抱き寄せられて唇が重なった。
:06/05/30 22:36 :V703SH :vYkyxf/c
#168 [ゆり]
本当に不意打ちだった。
あの頃と変わらないキスだった。
唇を離すと
下を向いて呟く様に高橋さんが言った。
「あー…やっぱ好きだわ…」
あたしは聞こえないフリをしてドアを開けて外に出た。
「おやすみなさい♪」
そう言って走ってマンションに入った。
また繰り返してしまいそう。
どこまであたしは馬鹿なんだろう。
:06/05/30 22:39 :V703SH :vYkyxf/c
#169 [ゆり]
次の日−
あたしは昨日の事を考えながら机にひじを付き、ボーッとしていた。
「ゆりちゃん?」
話し掛けてきたのは隼人だった。
「元気ないじゃん、何かあった?」
あたしは金髪ギャルの事がよぎった。
だから挑発する様に言った。
:06/05/30 22:42 :V703SH :vYkyxf/c
#170 [ゆり]
「昨日先輩に会った」
一瞬時間が止まった感じがした。
「え…?」
「偶然会って、傘なかったから送ってもらったの」
明らかに隼人が不機嫌になるのがわかった。
「ふーん、そうやって繰り返してなんか意味あんの?」
そう言って教室を出て行った。
今思えば
お互い想い合ってたから
傷付け合ってたんだ。
あの時は気付けなかった。
:06/05/30 22:45 :V703SH :vYkyxf/c
#171 [ケン]
電車男を読んだ時くらいワクAしてます(・∀・)
:06/05/30 22:45 :N900i :qGJlRvR.
#172 [ゆり]
ケンさん☆読んで貰えて嬉しいです(*´∪`*)本当にありがとデス☆★
:06/05/30 22:48 :V703SH :vYkyxf/c
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