〇ニ番目の四季〇
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#230 [ゆり]
おろす事になるのかな…


産んだとしても
赤ちゃんが幸せになれないとか
言うつもりは全くない。

隼人と二人なら
幸せなんて簡単に見せてあげられるって
思うから。


だけど
じゃあ隼人は?

幸せ感じられる?

 

⏰:06/06/01 06:44 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#231 [ゆり]
あたしは泣いてた。

なんで涙が出るって

自分が情けなくて
ズルくて
無力だから。

誰かの為って言いながら
結局自分の為。

やる事やって
責任取れないなんて

ありえないよ。

 

⏰:06/06/01 06:47 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#232 [ゆり]
携帯が鳴った。

隼人だ。

涙を拭いて
咳ばらいで声を整えた。

「もしもし」

「家着いた?大丈夫?」

「うん着いたよ〜大丈夫だからそんな心配しんで(笑」

「だって心配だもん…」

「女の子みたいに言うなよ笑
ありがと!まじ大丈夫だから。もうすぐ講義始まるでしょ?」

あたしは時計をチラ見して言った。
 

⏰:06/06/01 06:53 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#233 [ゆり]
てっきりそれで終わると思った。
でも隼人は続けた。

「…お前生理きた?」


正直めちゃくちゃびっくりした。

「なんで…?」

「だって今月腹痛いとか言わねーじゃん」

あたしは生理痛がキツイから毎月痛い痛い悶えてた。
その度隼人は腰さすってくれたり
バック持ってくれたりしてた。
 

⏰:06/06/01 06:58 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#234 [ゆり]
「きてねーんだろ?」

隼人は少し怒った声になった。

あたしはまた泣いていた。

「ゆり?」

涙で言葉が出ない。

だって
どうしたらいいのか分からない。

「お前泣いてんの?なんで俺に言わねーんだよ!」

珍しく隼人が声を荒げた。
 

⏰:06/06/01 07:02 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#235 [ゆり]
「…ごめん…」

やっと出た言葉がこれだった。


あたしは電話を切った。


ベッドに潜り込んで泣いた。

なんでもっと上手に

生きられないんだろ。

 

⏰:06/06/01 07:05 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#236 [ゆり]
1時間半くらい経った頃

また携帯が鳴った。

隼人からのメールで
「出てきて」って内容だった。

あたしはどこに?と思いながら
階段を下りて外に出た。


汗だくの隼人がいた。
  

⏰:06/06/01 07:08 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#237 [ゆり]
泣き過ぎで頭がぼーっとしてる。

「隼人…もう秋だよ?」

あたしは真顔で言った。


「うるせーよ!笑
チャリで来たんだから仕方ねーだろ」

息が上がってた。

「学校からチャリで来たの?」

「うん、全力疾走で笑」

隼人は笑顔で顔を流れる汗を拭いた。
 

⏰:06/06/01 07:12 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#238 [ゆり]
「…なんでぇ?」

あたしはアホな子みたいに
首を傾げて聞いた。
全然頭が働かない。


「ゆりに会いたかったから」

隼人はまた笑顔でそう言い
あたしの手を握った。


「検査するやつ…検査薬っつーの? 買ってきたから。
出来るか?」

 

⏰:06/06/01 07:16 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#239 [ゆり]
検査薬…
その言葉でようやく頭が働き出した。

「恐い…」

あたしは俯いた。

握られる手に力が入る。

「やらないままでも不安なだけだろ?
俺待ってるから」


しばらく俯いて
あたしは頷いた。

「わかった…」

 

⏰:06/06/01 07:19 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


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