〇ニ番目の四季〇
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#231 [ゆり]
あたしは泣いてた。
なんで涙が出るって
自分が情けなくて
ズルくて
無力だから。
誰かの為って言いながら
結局自分の為。
やる事やって
責任取れないなんて
ありえないよ。
:06/06/01 06:47 :V703SH :c.8GcieI
#232 [ゆり]
携帯が鳴った。
隼人だ。
涙を拭いて
咳ばらいで声を整えた。
「もしもし」
「家着いた?大丈夫?」
「うん着いたよ〜大丈夫だからそんな心配しんで(笑」
「だって心配だもん…」
「女の子みたいに言うなよ笑
ありがと!まじ大丈夫だから。もうすぐ講義始まるでしょ?」
あたしは時計をチラ見して言った。
:06/06/01 06:53 :V703SH :c.8GcieI
#233 [ゆり]
てっきりそれで終わると思った。
でも隼人は続けた。
「…お前生理きた?」
正直めちゃくちゃびっくりした。
「なんで…?」
「だって今月腹痛いとか言わねーじゃん」
あたしは生理痛がキツイから毎月痛い痛い悶えてた。
その度隼人は腰さすってくれたり
バック持ってくれたりしてた。
:06/06/01 06:58 :V703SH :c.8GcieI
#234 [ゆり]
「きてねーんだろ?」
隼人は少し怒った声になった。
あたしはまた泣いていた。
「ゆり?」
涙で言葉が出ない。
だって
どうしたらいいのか分からない。
「お前泣いてんの?なんで俺に言わねーんだよ!」
珍しく隼人が声を荒げた。
:06/06/01 07:02 :V703SH :c.8GcieI
#235 [ゆり]
「…ごめん…」
やっと出た言葉がこれだった。
あたしは電話を切った。
ベッドに潜り込んで泣いた。
なんでもっと上手に
生きられないんだろ。
:06/06/01 07:05 :V703SH :c.8GcieI
#236 [ゆり]
1時間半くらい経った頃
また携帯が鳴った。
隼人からのメールで
「出てきて」って内容だった。
あたしはどこに?と思いながら
階段を下りて外に出た。
汗だくの隼人がいた。
:06/06/01 07:08 :V703SH :c.8GcieI
#237 [ゆり]
泣き過ぎで頭がぼーっとしてる。
「隼人…もう秋だよ?」
あたしは真顔で言った。
「うるせーよ!笑
チャリで来たんだから仕方ねーだろ」
息が上がってた。
「学校からチャリで来たの?」
「うん、全力疾走で笑」
隼人は笑顔で顔を流れる汗を拭いた。
:06/06/01 07:12 :V703SH :c.8GcieI
#238 [ゆり]
「…なんでぇ?」
あたしはアホな子みたいに
首を傾げて聞いた。
全然頭が働かない。
「ゆりに会いたかったから」
隼人はまた笑顔でそう言い
あたしの手を握った。
「検査するやつ…検査薬っつーの? 買ってきたから。
出来るか?」
:06/06/01 07:16 :V703SH :c.8GcieI
#239 [ゆり]
検査薬…
その言葉でようやく頭が働き出した。
「恐い…」
あたしは俯いた。
握られる手に力が入る。
「やらないままでも不安なだけだろ?
俺待ってるから」
しばらく俯いて
あたしは頷いた。
「わかった…」
:06/06/01 07:19 :V703SH :c.8GcieI
#240 [ゆり]
自転車にかけてあった袋を外し
あたしに渡す。
中にはポカリとプリンとポッキーも入ってた。
「ちゃんと出来たらポッキー食わせてやるよ」
笑って隼人が言った。
「それ新商品の苺のやつ?絶対食べたい」
「じゃあ頑張れ!俺ここにいるからな」
優しく笑ってくれた隼人に後押しされて
あたしは家に入った。
:06/06/01 07:25 :V703SH :c.8GcieI
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