〇ニ番目の四季〇
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#266 [ゆり]
そんな会話をしながら、
あたしはカクテルを飲んでた。
隼人はどこかな?
とか気にしながら。
「先輩〜」
いつの間にか隣には
一年ナンバーワンボーイが。
爽やか系。
色が黒い隼人に見慣れてたから
なんか新鮮だった。
「なに?」
:06/06/02 18:18 :V703SH :Zfxg/uXs
#267 [ゆり]
「メアドとか聞いたらヤバイっすか?」
「ん〜ヤバイっすね(笑」
「えー!!彼氏厳しいんですか?」
「厳しいってか、泣いちゃう(笑」
あたしはただ単純に
隼人が嫌がるだろう事はしたくなかった。
爽やかな顔して以外にしつこかったから
「ちょっとトイレ〜」
そう言って席を立った。
:06/06/02 18:23 :V703SH :Zfxg/uXs
#268 [ゆり]
あたしは素足でペタペタ歩いてトイレに向かった。
そこで見たのが
隼人と4年の先輩だった。
(うわッ)
あたしは見ちゃいけないものを見てしまった、
そんな感じでまだ多少余裕はあった。
:06/06/02 18:27 :V703SH :Zfxg/uXs
#269 [ゆり]
「隼人くん〜ケー番教えてよ〜♪」
「やー…」
「就活とかの相談乗るしさ♪いーぢゃん♪」
「ん〜じゃあコレ」
そう言って隼人は携帯を開き
先輩に渡した。
あたしのさっきまでの余裕は
木っ端みじんになった。
前に進めばいいのか
戻ればいいのか
分からない。
:06/06/02 18:33 :V703SH :Zfxg/uXs
#270 [ゆり]
結局あたしは
静かに回れ右をして
席に戻った。
「先輩おかえり〜♪」
「ゆりチャンおかえり〜♪」
爽やかボーイと友達がお出迎え。
「ただいま〜混んでて入れなかったぁ」
やばい、泣きそう。
そう思いながら
笑った。
:06/06/02 18:37 :V703SH :Zfxg/uXs
#271 [ゆり]
「まぢかぁー!また後で行っといで♪」
周りは楽しい雰囲気。
こんなとこで泣けないし、帰ったりして雰囲気壊せない。
話して
笑って
はしゃいでいても
頭ん中は
さっきの光景ばかり。
普段のあたしなら
飛び蹴りでもアッパーでもかましてやるのに
実際
ただ頭が真っ白になるだけ。
平気なフリでいっぱいいっぱいだった。
:06/06/02 18:41 :V703SH :Zfxg/uXs
#272 [ゆり]
次の瞬間
追い打ちをかける様に
ベロベロに酔った隼人が来た。
「みんな飲んでるー!?」
ビール瓶を両手に持って、
ありえんくらいのハイテンション。
周りは盛り上がってたけど
あたしはそんな隼人見たくなかった。
「ゆりちゃん!ちょー来て〜♪」
そう言うと同時に
隼人はあたしの腕を掴んで違う席に連れていった。
:06/06/02 18:44 :V703SH :Zfxg/uXs
#273 [ゆり]
その席には
一年の女の子ばっかり。
あたしは強引に隼人に肩を抱かれた。
「俺の彼女のゆりちゃんでーすッッ♪」
「いえーぃッッ♪」
「綺麗〜♪お似合い〜♪」
女の子達はきゃぁきゃぁ盛り上がる。
無理矢理席に座らされ
皆に見られて
あたしは人形か。
屈辱感でいっぱいだった。
:06/06/02 18:49 :V703SH :Zfxg/uXs
#274 [ゆり]
雰囲気だけは壊さないように
笑顔で席を立って
戻ろうとした。
裏で隼人に手を掴まれた。
「どうした?」
「何が?」
「なんか機嫌悪い?」
「別に」
実際隼人はそこまで酔ってなかった。
だからかえってムカついた。
酔ったフリしてあれだよ。
:06/06/02 18:52 :V703SH :Zfxg/uXs
#275 [ゆり]
「離して?
あたし向こうで飲むから」
「…わかった」
手の力が緩んだ瞬間
あたしは隼人から離れた。
トイレに入り
少し泣いた。
なんかよくわかんないけど
涙が出た。
:06/06/02 18:54 :V703SH :Zfxg/uXs
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