〇ニ番目の四季〇
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#330 [ゆり]
「…これ…」

そういって隼人が
何かをあたしの前に置いた。

視線を上げると
あたしが投げ捨てた
指輪があった。

「…え」

静かに手に取る。

中に記念日が彫られてるシルバーリング。

確かにあたしのだ。

「お前の指輪そんな小さいんだな」

隼人が寂しそうに笑った。
 

⏰:06/06/04 09:30 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#331 [ゆり]
そして迷いない
いつもの瞳で言ってくれた。

「信じれなくても…俺は好きだから
それだけは分かって。」

その時の隼人の顔を見て

声を聞いて


あたしはもう一度
この人を信じようと決めた。
 

⏰:06/06/04 09:32 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#332 [ゆり]
理屈じゃない

ただあたしには
隼人が必要なんだ。


信じなきゃいけないって
気持ちじゃなくて

あたし自身が信じたいって
確かに思ったから。
 

⏰:06/06/04 09:35 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#333 [ゆり]
「つけて」

あたしは手を差し出して言った。

「え?」

「ゆーびーわ!
買った日も隼人がつけてくれたじゃん」

「えっあぁハイ」

隼人は焦って掌から指輪を取り、
震えた指先で薬指に指輪をはめる。
 

⏰:06/06/04 09:37 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#334 [ゆり]
「何震えてんの?(笑)」

「あ、すいません!」

「敬語だし(笑)」

「うんごめん…ゆり…本当ごめん」

指輪の光ったあたしの手を
両手で包んだ。

温もりは本物だ。

「次はないからね」

泣きそうなのを悟られない様に
強気で言った。
 

⏰:06/06/04 09:39 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#335 [ゆり]
「次やらかしたら
毛全剃りにするから」

「えッ下も?!」

「当たり前だし。
むしろ下を重点的にツルッツルにするから」

アイスティー飲みながら
真顔で言うあたしに
本気で恐怖感じた顔してた。

それ見て笑った。

「大変な彼女持ったね(笑」

「いえ、最高の彼女です…」

今度は二人で笑った。
また二人で笑い合えた。

⏰:06/06/04 09:45 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#336 [ゆり]
もう自分ばかり守る恋愛はやめるよ。

あたしも本気で
泣いてすがりつける様な
そんな恋がしたいから。


ファミレスを出て
手を繋いだ。

変わらない
あたしの
大好きな手。

二人少し恥ずかしくて
また笑い合ったよね。

愛してくれて
ありがとう。
 

⏰:06/06/04 09:49 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#337 [ゆり]
そして数日後
学校が始まった。

二人で登校すると
友達も一年も
驚いた顔してた。

「別れないっつーの」
隼人は小声でそう言って
あたしの肩を抱いて校舎に入った。

一年の女の子を見ると
まだ胸が痛んだ。
 

⏰:06/06/04 09:53 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#338 [ゆり]
その日から
1、2年合同の
男女別れた授業が中心になる。

クラス表を見て

「キッツ〜…」

あたしと隼人は苦笑い。
お昼一緒に食べる約束をして別れた。


教室に入ると
ありえない光景。

1年生の子が
いじめられてた。
漫画の世界みたいに
消しカス投げられたり。
 

⏰:06/06/04 09:59 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#339 [ゆり]
あたしは指定された1番後ろの席についた。

2年に知り合いの友達はいなかった。
皆静かで読書してるタイプ。

ハッキリ言って
浮いてるのが自分でも分かった。

「まぁいっか」

あたしは椅子にもたれて
とりあえず髪に逆毛立てて
髪だけでもテンション上げさせた。
 

⏰:06/06/04 10:04 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


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