〇ニ番目の四季〇
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#50 [ゆり]
高橋さんはあたしを抱きしめて何も言わなかった。
こんな切なさ
何て言うんだろう。
時計が夜中の3時を回った時、
またいつもみたいに軽く笑って
「そろそろ行こっか」
と高橋さんはあたしを離した。
家の前に着くともう一度キスをしてきた。
「今日はありがとうございました」
笑顔でそう言ってあたしは車を降りた。
:06/05/28 15:45 :V703SH :a4CPZqco
#51 [ゆり]
車が見えなくなって
溜め息が出た。
「あたし何やってんだ
ろ…」
唇を噛み締めた。
家に帰ってシャワーを浴びた。
高橋さんの香りを
消したくない様な、
早く消したい様な、
複雑な気持ちで。
:06/05/28 15:47 :V703SH :a4CPZqco
#52 [ゆり]
髪を拭きながら部屋に戻ると
メールが届いていた。
受信:高橋さん
「家着いたよ、また近いうちに会いたいな」
数時間前に家から出た時とは全く違う感情。
あたしは溜め息と一緒に携帯を閉じた。
その日は寝れなかった。
:06/05/28 15:49 :V703SH :a4CPZqco
#53 [ゆり]
次の日マイとマックで話した。
「どうした?なんかあった?」
席に着くと同時に
マイは心配そうな顔で聞いた。
「うん…」
あたしは昨日の出来事を全部話した。
マイは驚いた後、冷静に言葉をくれた。
:06/05/28 15:53 :V703SH :a4CPZqco
#54 [ゆり]
「彼女いるのに好きになっちゃったんでしょ?
ゆりは何も悪くないよ」
悪くない訳ない。
彼女がいるってわかってて
夜中に二人で会って、
キスもした。
完全に浮気だ。
「あたし浮気相手かぁ…」
冷たいウーロン茶を喉に通す。
:06/05/28 15:55 :V703SH :a4CPZqco
#55 [ゆり]
「だからゆりは悪くないって。
好きになった人にたまたま彼女がいただけだし。
うちは好きでいていいと思うよ?」
「…あたし…好きでいていいのかな…」
「うん!!」
マイはあたしが無理矢理否定してた気持ちを
簡単に肯定してくれた。
気持ちが少し軽くなったのを感じた。
:06/05/28 15:57 :V703SH :a4CPZqco
#56 [ゆり]
「マイ〜ありがと!!」
「ううん☆てか〜食え食え!」
「あーッポテトほとんどないじゃんッ」
「食べ出したら止まらない…マックのポテトって怖いね」
「あんたが怖い…」
夕方家に帰り
部屋で雑誌を読んでるとメールが届いた。
:06/05/28 16:00 :V703SH :a4CPZqco
#57 [ゆり]
受信:高橋さん
「明日空いてる?」
あたしは少し迷った。
でも好きな人
会いたい人からの言葉を断れる程
大人にはなれなかった。
もう止められません。
あたし最低女でいい。
:06/05/28 16:01 :V703SH :a4CPZqco
#58 [ゆり]
送信
「明日は午前中、学校だからお昼からなら空いてますよ☆」
ピリリッ♪
受信
「そっか〜学校まで迎えに行こーか?」
(友達にバレて彼女さんにバレる可能性…ゼロじゃないよね。危ないかも。)
慎重過ぎる自分。
:06/05/28 16:04 :V703SH :a4CPZqco
#59 [ゆり]
送信
「本当ですか?でも学校の近くのコンビニでいいです☆学校の前、車停めれないかもだから」
受信
「うんわかった、じゃあ終わるくらいに連絡してね」
送信
「はぁい☆」
:06/05/28 16:06 :V703SH :a4CPZqco
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