〇ニ番目の四季〇
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#103 [ゆり]
「裕也、今日ちょっと話し聞いてくれない?」
「うんいいよ!ちょっと部活顔出すから体育館で待っててくれる?」
「わかった〜ありがと」
放課後あたしは
体育館の前に座って裕也を待った。
:06/05/28 20:12 :V703SH :a4CPZqco
#104 [ゆり]
高台にあるこの学校からは
町並みがよく見える。
あの日高橋さんと海で見た様な夕日が
赤く揺れていた。
あの時、まだ帰りたくないって言ったら
あたしの傍に居てくれたかな…
やっぱり彼女さんのところに行っちゃうよね。
小さな約束、
小さくても本気の愛。
全部あの夕日の様に鮮やかに蘇る。
裕也を待ちながら高橋さんの事ばかり考えていた。
:06/05/28 20:14 :V703SH :a4CPZqco
#105 [ゆり]
「ゆり!おまたせ!」
「あっ…お疲れ様!」
「うん、行こっか」
近くの公園に向かった。
もう秋だからか
日が沈むのが早い。
木のベンチに腰を下ろした。
:06/05/28 20:16 :V703SH :a4CPZqco
#106 [ゆり]
「誰もいないね〜」
両手に息を吐きながら言うと
裕也があたしの手を握った。
「寒い?大丈夫か?」
「えっ全然大丈夫だよ!笑」
あたしは笑って答えた。
裕也の顔付きが変わった。
「…また…」
「ぇ?」
「なんで大丈夫じゃないくせに強がんの?」
:06/05/28 20:19 :V703SH :a4CPZqco
#107 [ゆり]
次の瞬間
ベンチに押し倒されていた。
何が起こってるかよくわからないまま
足を持ち上げられて
パンツをズラされて入れられた。
「いっ…」
痛くて、
それからはあんまり覚えてないけど
すぐにお腹にかけられたのは覚えてる。
:06/05/28 20:22 :V703SH :a4CPZqco
#108 [ゆり]
あたしは何故かとても冷静で、
カバンからティッシュを出して拭いた。
スカートにもかかっていたので
水道で濡らして拭いた。
裕也は焦った様な顔で謝っていたけど、
どうでもよかった。
:06/05/28 20:24 :V703SH :a4CPZqco
#109 [ゆり]
親切そうな顔をして
優しい言葉を吐いて
結局はこれだ。
高橋さんもそうなんだ。
そこに愛があるって信じるなんて、
あたしって本当どうしようもない馬鹿だ。
:06/05/28 20:25 :V703SH :a4CPZqco
#110 [ゆり]
「お前いつも強がって…見てて辛いよ!俺だったらこんな…」
「もういいよ」
裕也の言葉を遮ってあたしは言った。
多分笑顔で。
小さい希望が崩れた、
何かに諦めたんだ。
それからあたしはどこか変わった。
簡単に言えば瞳に色を失った感じだった。
:06/05/28 20:27 :V703SH :a4CPZqco
#111 [ゆり]
裕也に抱かれて
高橋さんに抱かれる日々を繰り返した。
何回も。
自分は終わってる、
だから満たされる事なんてもう二度とない。
クリスマスの日みたいな
綺麗で
鮮やかで
優しい輝きは
もう絶対に見れない。
:06/05/28 20:30 :V703SH :a4CPZqco
#112 [ゆり]
裕也はあたしとやった事を友達に言い触らしていた。
これだからガキは…
卒業と同時にあたしは裕也との関係を切った。
別れ際
「セフレになってよ」
って冗談っぽく言われた。
男自体に失望したけど、
所詮あたしがその程度の女だったって事だ。
:06/05/28 20:32 :V703SH :a4CPZqco
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