〇ニ番目の四季〇
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#332 [ゆり]
理屈じゃない
ただあたしには
隼人が必要なんだ。
信じなきゃいけないって
気持ちじゃなくて
あたし自身が信じたいって
確かに思ったから。
:06/06/04 09:35 :V703SH :Ecxpdyi.
#333 [ゆり]
「つけて」
あたしは手を差し出して言った。
「え?」
「ゆーびーわ!
買った日も隼人がつけてくれたじゃん」
「えっあぁハイ」
隼人は焦って掌から指輪を取り、
震えた指先で薬指に指輪をはめる。
:06/06/04 09:37 :V703SH :Ecxpdyi.
#334 [ゆり]
「何震えてんの?(笑)」
「あ、すいません!」
「敬語だし(笑)」
「うんごめん…ゆり…本当ごめん」
指輪の光ったあたしの手を
両手で包んだ。
温もりは本物だ。
「次はないからね」
泣きそうなのを悟られない様に
強気で言った。
:06/06/04 09:39 :V703SH :Ecxpdyi.
#335 [ゆり]
「次やらかしたら
毛全剃りにするから」
「えッ下も?!」
「当たり前だし。
むしろ下を重点的にツルッツルにするから」
アイスティー飲みながら
真顔で言うあたしに
本気で恐怖感じた顔してた。
それ見て笑った。
「大変な彼女持ったね(笑」
「いえ、最高の彼女です…」
今度は二人で笑った。
また二人で笑い合えた。
:06/06/04 09:45 :V703SH :Ecxpdyi.
#336 [ゆり]
もう自分ばかり守る恋愛はやめるよ。
あたしも本気で
泣いてすがりつける様な
そんな恋がしたいから。
ファミレスを出て
手を繋いだ。
変わらない
あたしの
大好きな手。
二人少し恥ずかしくて
また笑い合ったよね。
愛してくれて
ありがとう。
:06/06/04 09:49 :V703SH :Ecxpdyi.
#337 [ゆり]
そして数日後
学校が始まった。
二人で登校すると
友達も一年も
驚いた顔してた。
「別れないっつーの」
隼人は小声でそう言って
あたしの肩を抱いて校舎に入った。
一年の女の子を見ると
まだ胸が痛んだ。
:06/06/04 09:53 :V703SH :Ecxpdyi.
#338 [ゆり]
その日から
1、2年合同の
男女別れた授業が中心になる。
クラス表を見て
「キッツ〜…」
あたしと隼人は苦笑い。
お昼一緒に食べる約束をして別れた。
教室に入ると
ありえない光景。
1年生の子が
いじめられてた。
漫画の世界みたいに
消しカス投げられたり。
:06/06/04 09:59 :V703SH :Ecxpdyi.
#339 [ゆり]
あたしは指定された1番後ろの席についた。
2年に知り合いの友達はいなかった。
皆静かで読書してるタイプ。
ハッキリ言って
浮いてるのが自分でも分かった。
「まぁいっか」
あたしは椅子にもたれて
とりあえず髪に逆毛立てて
髪だけでもテンション上げさせた。
:06/06/04 10:04 :V703SH :Ecxpdyi.
#340 [ゆり]
いじめられてるのは
本当普通の子。
ハデな訳でも
地味な訳でもない。
いじめてる子達は
新歓では関わりなかった
これまた普通の子達。
リーダーだけはギャルだった。
面倒臭そうなクラスだな…
そう思ったと同時に
先生が入ってきた。
:06/06/04 10:08 :V703SH :Ecxpdyi.
#341 [ゆり]
「オラッ!てめぇら席着け!!」
うわァ〜…
ゴリラ先生だよ。
あたしはまた面倒臭そうなキャラの登場で
溜め息が出た。
「今日から授業始めるから気合い入れろよ!!」
声でかいよ〜
頭ガンガンするよ〜
:06/06/04 10:12 :V703SH :Ecxpdyi.
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