〇ニ番目の四季〇
最新 最初 全
#415 [ゆり]
人は所詮孤独だし
ひとりだって思う事はきっと
仕方ない。
それでも誰かを求めて
求めてもらえた時
絶対にどこかが埋まる。
諦めなければ変わる。
綺麗事が嫌いなあたしが
自分で見つけた答え。
傷は酷く痛むけど
意外に浅いかもしれない。
:06/06/08 21:55 :V703SH :PKNwmvDo
#416 [ゆり]
「ゆり〜おはよ〜」
「う〜わ眠そうだね」
爽やかな気分が
隼人の寝ぼけた顔で笑いに変わる。
駅から学校までの道を二人で歩いていると
後ろから声がした。
「隼人〜!?」
ビクッとする。
振り返ると
忘れもしない
あの金髪ギャルが立っていた。
:06/06/08 21:57 :V703SH :PKNwmvDo
#417 [ゆり]
隼人と付き合う前
二人が一緒に歩いてるのを見た事がある。
あえて聞いてないけど
多分元カノ…かな。
今すぐこの場を去りたい。
でも動けない。
「まい…」
隼人は驚いた声で言った。
絶対に聞きたくなかった。
違う女の子の名前を呼ぶ声。
:06/06/08 22:01 :V703SH :PKNwmvDo
#418 [ゆり]
「まいだよ〜ッ♪めっちゃ久しやない!?
何してんのー!?」
ショートパンツにビーサンで
黒い肌に痛んだ髪を指でいじりながら近付いてくる。
あたしはとりあえず笑顔だったと思う。
「友達?」
隼人を見上げて聞く。
「あ…うん」
隼人は焦った様に答えた。
:06/06/08 22:04 :V703SH :PKNwmvDo
#419 [ゆり]
「あたし先行ってるね」
「え…ちょっと待って」
笑顔でそう言って
隼人の言葉を聞かずに
彼女に軽く頭を下げて
学校に向かって歩き出した。
背筋を伸ばして歩く事が
精一杯。
「もーやだ…」
青い空と白い雲が滲む。
涙を堪える。
隼人の過去が
まだあたしに纏わり付く。
振りほどけない。
:06/06/08 22:07 :V703SH :PKNwmvDo
#420 [ゆり]
あたしは一人で校舎に入った。
涼しさで
少し溜まってた涙が引いた。
「あれ〜先輩今日一人ですか?」
階段を上ろうとしたあたしに
話しかけてきたのは
新歓で話した爽やかボーイだった。
:06/06/08 22:09 :V703SH :PKNwmvDo
#421 [ゆり]
「あぁ…うん」
あたしは少し戸惑いながら答えた。
「彼氏さんと喧嘩ですか〜?」
笑いながら聞く顔が
なんかムカついた。
「喧嘩じゃないよ〜」
ほっといて欲しい時に限って
こーやって話しかけてくる奴っている。
:06/06/08 22:33 :V703SH :PKNwmvDo
#422 [ゆり]
「てかメール下さいよ!」
(そいやメアド教えてくれたっけ。)
「…名前は?」
「今更っ?!笑」
「爽やかボーイとしかインプットしてない」
「けいたです。笑
横井慶太。慶太って呼んでください!」
「そっか〜…」
「何がそっか〜なんですか?笑」
「ん〜…」
:06/06/08 22:37 :V703SH :PKNwmvDo
#423 [ゆり]
正直めちゃくちゃ上の空。
だって隼人が来ない。
まだあの子といるの?
何してるの?
「どうしよ…」
「え?何が?」
そう聞かれて
声に出てたんだって気付いた。
:06/06/08 22:39 :V703SH :PKNwmvDo
#424 [ゆり]
「なんでもないよっ
ほら授業始まるから教室行きな〜」
「先輩は〜?」
「あたしは…あたしも行くから!
じゃーね」
小さく手を振って
入り口が気になりながらも
あたしは慶太に背を向けた。
:06/06/08 22:41 :V703SH :PKNwmvDo
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194